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BALLADE SPORTS CR-X

FF車の概念を超えた低ボンネット、MM思想がつくり上げたFFライトウエイトスポーツ。

BALLADE SPORTS CR-X1983年6月

このクルマがデビューした1983年は、HondaがF1に2度目の参戦を果たした年。モータースポーツの頂点にチャレンジする一方でHondaは、「50マイルカー※」をコンセプトに、世界最高の超低燃費車をめざしたクルマを発表した。3代目シビックシリーズのひとつであるバラードスポーツ CR-Xである。個性が問われる時代性のなかで、見せかけではなく、真の個性を求める人の心に響く卓越した走りと環境性能とデザインを追求したモデルである。
エクステリアデザインは、もっとも効率よく走れるフォルムを追求したHondaが提唱してきたトータルエアロダイナミクスの結晶。エンジンをはじめトランスミッション、サスペンション、ラジエーターなど、すべてのコンポーネンツをまったく新しい概念のもとに新設計し、FF車とは思えない低ボンネットを実現。当時として世界トップクラスのCD値0.33だけでなく、前面投影面積(A)を小さくすることでCD×A値0.56という限界に近い空力フォルムを生み出した。セミリトラクタブルの個性的なヘッドライト、フラッシュサーフェス化したウインドウまわりやドアハンドル、サッシュレスドア、フロントのエアロスカート、ダウンフォースを与えるクラウチング・ヒップなど空力への意欲的な取り組みが随所に存在する。
そして、エンジンは、ベーシックなSOHCエンジンのパワーアップの限界に挑み、省エネ=低燃費の具現化も着手した。4本独立の等長インテークマニホールド、Honda F1にも採用されていたPGM-FI、副燃焼室を備えたトーチ型の新燃焼室を採用した革新のコンパクト4気筒12バルブエンジンは、1.5L電子燃料噴射装置付エンジンとして国内最高の110PSを達成。燃費は、1.5L MT車で15.0km/Lを実現した(1.3L MT車は20.0km/L)〈いずれも10モード燃料消費率・運輸省審査値〉。
サスペンションは独自コンセプトのSPORTECサスペンション。SPACE ORIENTED REACTION TUBE TORSION-BAR TECHNOLOGY(フロント)、SPACE ORIENTED RESPONSIVE TRAILING-LINK TECHNOLOGY(リア)の略。MM思想に基づき、コンパクトさとFFスポーツに求められるあらゆる性能を高次元で達成した。プレス向け資料には、「軽快なフットワーク、矢のような直進性」と書かれている。その他にも、世界初の電動アウタースライド・サンルーフや、乗用車世界初のルーフベンチレーションなどユニークな装備、「1マイルリアシート」と銘打ちエマージェンシーとして割り切った後席を採用するなどスポーツカーながら普段使いにも考慮したレイアウト、H.P.ALLOY(HONDA POLYMER ALLOY)などの新素材を採用し車両重量はわずか800kg前後と現在の軽自動車を凌駕するほどの軽さを実現した意欲作である。

※ガソリン1ガロン(約3.78543L)で50マイル(約80.4672km)走れるクルマ(燃費:約21km/L)

  • 追求したのは、ハイスピードクルーズ。ボディデザインを、“究極の空力フォルム「エアロライナーシェイプ」”と謳うなど、資料から当時の熱い想いが伝わってくる。2,200mmのショートホイールベース、前1,400mm後1,415mmのワイドトレッドによるスクエア・ディメンションで抜きん出た走行安定性と切れのいいハンドリングを達成した。最小回転半径は4.3m。

  • カラード液晶デジタルメーターが1.5iのサンルーフ仕様車に標準装備された。グラフィックタコメーターは、エンジントルク曲線のイメージで表現されるゾーン表示方式。横一列に水温計・燃料計・ウォーニングなどを配置し、読み取るというより、見る感覚での素早い視認をめざした。

  • MM思想で人のためのスペースを最大化し、“2人のデュエットクルージング”に適した心地よくゆとりある空間を確保した。前席は、スポーツ感覚にあふれたバケットシートを採用。剛性の高いサイドサポートによって上体を的確にホールドする。15mmピッチで180mmの前後スライド、2°ピッチの微調整リクライニングによって最適なポジションの獲得をめざした。

新設計のDOHC 4気筒16バルブエンジンを搭載しよりアグレッシブなエクステリアでSi登場。

BALLADE SPORTS CR-X1984年10月

前モデル登場からおよそ1年を経て、新設計の1.6L DOHC 4気筒・16バルブエンジンを搭載したモデル、Siが追加された。
このエンジンは、F1で培ったHonda独自のエンジン技術をもとに開発した小型高性能エンジンと銘打って発表された。135PS/6,500rpm、15.5kg・m/5,000rpmの性能と14.8km/L(10モード走行燃料消費率 運輸省審査値・5速マニュアル車)のすぐれた燃費を両立している。
市販乗用車として世界初の、4バルブ内側支点スイングアーム方式のシリンダーヘッドを採用。これにより、バルブのハイリフト化を達成し吸排気効率を向上。あわせてシリンダーヘッドのコンパクト化も実現している。燃焼室はレーシングエンジンでよく用いられるペントルーフ型のセンタープラグ方式。従来からの吸排気の脈動効果に優れた等長インテークマニホールドと4-2-1-2のエキゾーストシステムとあいまって、高出力・低燃費を実現したのだ。
その他にも、カム形状に沿って内部を肉抜きした世界初の異形中空カムシャフトや小型軽量の4連アルミシリンダーブロックなどにより軽量化も達成している。
ボンネットには、DOHCの力強い走りを印象づけ空力的にも優れたパワーバルジを設け、リアには高速走行時の接地性を高める大型のスポイラーを採用。タイヤも185/60R14の大径スチールラジアルとし、性能とともに外観もよりアグレッシブなものとなった。

  • カムシャフトの内側にあるビスの所を支点としたスイングアームで、外側にあるバルブを駆動する。吸気バルブで10.3mm、排気バルブで9.0mmのハイリフトを実現した。新設計の等長ドライブシャフトを採用し、DOHCのパワーを均等に伝えることにもこだわった。

  • パワーバルジ付ボンネットと、大型のリアスポイラーを装備。スポーティさをいっそう高めた。

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