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●ル・マンを制した郷和道氏 そのきっかけはHondaだった。 TEAM GOH監督 郷 和道氏 1/2
2004年のル・マンで優勝した
TEAM GOH郷監督に伺うHondaへの想い

2004年6月13日、日本のモータースポーツ史に偉大なる栄光の記録が刻まれた。ル・マン24時間耐久レースにおいて、郷 和道監督率いるTEAM GOHが総合優勝を果たしたのだ。マシンは、アウディR8。ドライバーは荒聖治、トム・クリステンセン、リカルト・カペロ。日本のチームとしては、1991年のマツダ以来13年振り2度目の総合優勝。また、自動車メーカーのチームではなく、日本から参加したプライベートチームとしては初の栄冠獲得である。この偉業を達成した郷氏、実はHondaのファンだったのだ。
 
幸い郷氏にお話を伺う機会があったので、Hondaについての印象や所有したHonda車について伺ってみた。事務所を訪ねると、まず木箱に納められたル・マンの総合優勝のトロフィーを披露してくださった。本物である。伝統のル・マンのトロフィーを、日本のチームのオフィスで見られるなんてあり得ないことだった。このトロフィーが海をわたって日本に上陸したのは、ル・マン史上はじめてのことだ。この重そうなトロフィーを目にし、あらためて郷氏の果たした栄光の偉大さを噛みしめた。しばらくして話をはじめた郷氏は、レースにのめり込んだルーツがHondaの第一期F1参戦にあったことから語りはじめた。
 
クルマ好きが高じてレースの世界へ
「1997年に初参戦して以来、今回で足掛け8年、ル・マンに挑戦してきました。優勝して表彰台に上がったときは、実感が湧かなかったというのが正直なところです。あまりにも大きなことですから、現実離れした感覚でしたね。勝ったというよりも、無事にレースを終えて、ほっとしたという安堵感のほうが大きかったです」

TEAM GOHのオフィスで、木箱に大切にしまわれていたル・マンの優勝トロフィー。日本で、これほど間近にトロフィーを見ることができるなんて思いもよらなかった。本物のトロフィーが海を越えて日本にやってきたのは、ル・マン史上はじめてのことだ。
郷氏は、2004年のル・マン24時間レースでトップチェッカーを受けた直後の感想を素直に語ってくれた。そして、そもそもレースを好きになった背景を、静かに、そして懐かしそうに述懐してくれた。
 
「小さい頃からクルマが好きでした。クルマが大好きで、色々なクルマにふれているうちに、レーシングマシンの美しさに惹かれていきました。その頃から、世界のレースで活躍した名車を写真などで見ることに夢中になり、その名車を欲しいなどと思っていました。そうしながら、自然とレースを好きになっていったのです。特に60年代、HondaがF1に参戦したときのことをはっきりと覚えています。Hondaのすごいところは、いきなり世界の頂点であるF1をめざしたこと。これは衝撃的なことでした。Hondaのチャレンジ精神に影響され、それから何十年か経って実際にレースに関わるようになったとき、自分もHondaのように世界を相手に闘うことをめざさなければならないと思ったんです」
 
郷氏は、自身ドライバーとしてフォルクスワーゲン・ゴルフのワンメイクレースを楽しむようになり、その後はドライバーよりチームを運営する形でさまざまなレースを楽しんだ。そのような経験を経て、90年代後半からル・マンで夢であった世界をめざしたのだ。もちろんそこにはさまざまな苦労があった。そんなとき、「日本全体がレースについてさえよく知らない60年代に、世界のF1をめざしたHondaの苦労は並み大抵ではなかっただろう」と考えたという。
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