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●Hondaヨーロッパ40周年記念イベントでの楽しい体験(後篇) by ポール・フレール
自動車ジャーナリストは、試すまでもなくABSの効力については熟知しているが、ABS体験会場で行われていたABS付きの二輪車とそうでない二輪車との比較はちょっとした見物だった。
ABS付きが挙動を乱すことなくまっすぐに停止できたのに対し、ABSが装着されていない方は、補助輪がリアタイヤの左右に装着されていたにもかかわらず、見事180度スピンしてしまったのだ。
 
私のように長年本格的なバイクに慣れ親しんできた者にとって、用意されていたHonda製のスクーターやミニバイクを乗りこなすのはわけもないことだった。たしかにこれらの製品は交通渋滞の激しい都市部では便利で理想的なトランスポーテーションといえる。完成度の高いパワフルな125ccエンジンとスムーズなCVTトランスミッション、そしてフロントとリアの両ブレーキを操作する左のハンドルレバーというコンビネーションは、走行時に両足をフリーにするためバイクの操縦とコントロールをより簡単で楽なものにしている。パワーもスピード・加速ともに充分(すぎるくらい)で、街中で使うだけではもったいなく、休みの日にはちょっと遠出でもしたくなるのではなかろうか。


濡れた路面の体験会場で、ABS非装着のバイクに乗りブレーキングによるスピンを体験する参加者。
さて、ことガーデニングや畑仕事となると私はエキスパートというわけにはいかないが、素人の私でさえ、コンパクトで性能に優れたHonda製の4ストローク・エンジン・ウォーターポンプやジェネレーターは、庭を持っている人には魅力的にちがいないということはわかる。
そんなガーデニング用具の中でもひときわ魅力的に光り輝いていたのがHonda製芝刈り機で、見た目もすごいが、まるで小さなトラクターのように運転できる。むろん私は一番大きなのを選んで乗ってみた。後輪は油圧式モーターによって駆動される。スピードはアクセルペダルによってのみコントロールされ、個人的見解ではあるがハンドリングは完璧で、アンダーステアもオーバーステアも、タックインも見つけられなかった(笑)。
 
さて最後はお待ちかね、今回一番楽しみにしていたカートである。
Honda製250ccエンジンを搭載したカートは、スピードが高まるにしたがってハンドリングが一変する、文句なくエキサイティングでおもしろい乗り物だ。幅広のトレッド、ショート・ホイールベース、デフなしという、アンダーステアの三大条件もそろっている。

今年87歳になる元F1レーサー、ポール・フレール氏の華麗なるコーナリング。
カートは低速で非常に強いアンダーステアを示すが、そのアンダーステアは速度が増すにつれて減少していく。つまりコーナーのスピードが増せば増すほど内側のリアホイールの荷重が徐々に減っていき、ついにはグリップを失ってしまうということだ。そしてある段階に達すると内側のリアタイヤはほとんど浮いてしまい、外側のタイヤのグリップが急激に増大してタックインを促し、最終的にはオーバーステアに転じさせるというもの。乗用車に装着されたESPがアンダーステアを消すために行う作用とまったく同じ原理である。
加えてステアリングは4分の1回転ほど回すだけでフロントホイールがロックしてしまう。したがってパワフルなエンジンを搭載したカートがどれほどエキサイティングな乗り物かは、乗って操作してみればたちまちに理解できる。むろん私も存分に楽しんだが、残念だったのはトラック上には他のカートが1台しかなく、大勢で先を競い合うようなスリルを味わえなかったことだ。

素晴らしかった1日は素敵なディナーのあとの和気藹々としたパーティによって幕を閉じた。そして翌日、件のアコードのディーゼル・エンジンを堪能しつつパリへと戻ったのだった。
参加者に引っ張りだこだった、素晴らしいハンドリングの大型の芝刈り機 チェッカーフラッグを受けるポール・フレール氏。
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フッタ
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