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■歴代トップがエンジニア
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1973年に発表されたCVCCエンジン搭載のシビック。このクルマが世界ではじめてマスキー法をクリアした |
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今日Hondaがグローバルな企業に成長し、多くの人に愛され尊敬されているのは、その中長期的な経営戦略が優れているのみならず、Hondaが世に送り出した数々の先進技術の開発を奨励した歴代のトップが、すべて研究所の最も優秀なエンジニアの中から選ばれているという事実に起因するといっても過言ではない。
Hondaの自動車先進技術における最初の偉業は、なんといっても1973年に発表されたHondaシビックに搭載されたCVCCであろう。このHondaの生んだ水冷4サイクル直列4気筒横置OHCエンジンは、一旦少量の混合気を副燃焼室で爆発させ、その火で、より薄い混合気を爆発させて燃料をとことん燃やし尽くすという画期的なシステムである。触媒などに頼ることなく、当時世界一厳しく、パスすることは不可能とまでいわれたアメリカの排ガス規制法(マスキー法)の規制値を世界に先駆けてクリアすることに成功した。
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| CVCCエンジンのカットモデル。シリンダーの左上が副燃焼室。ここで濃い混合気に
点火し、シリンダー内の薄い混合気を燃焼させる。 |
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さらにHondaは、1989年、CVCCに続く自動車エンジン技術のブレークスルーをVTECシステム(Variable
valve Timing & lift Electronic Control system)によって成し遂げる。それはHonda独創の可変バルブタイミング・リフト機構により、バルブタイミングとリフト量をエンジンの回転域に合わせて切り換えることで、幅広い回転域で優れた出力特性を得る画期的な技術であった。その結果、低速から高速まで、すべての領域で豊かなトルクを実現しつつ、同時にリッターあたり100馬力というハイパワーさえも可能にしたのである。むろん世界中の排ガス規制を難なくクリアしていることは言うまでもない。また、Hondaは世界で最初に4WS(4-Wheel
steering)システムを実用化させたメーカーでもある。
Hondaのスペシャリティのひとつは、自らの製品を開発するだけでなく、生産化する技術までも生み出すことだ。生み出す技術の中には、多くのメーカーでは専門メーカーから購入しているソフトウェアの開発まで含まれている。
そのひとつのケースがエレクトロニック・エンジン・マネージメントである。この統合的開発生産方針は新しい製造工程を導き出した。たとえば、新開発されたディーゼルエンジンの超高剛性シリンダーブロックの製造に半溶融アルミ合金が採用されたことをその好例として挙げることができる。
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VTECの搭載により、量産の自然吸気エンジンで世界初のリッターあたり100馬力を
実現した1989年登場のインテグラ。1.6リッター4気筒16バルブDOHC VTECエンジン搭載。 |
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【註:ディーゼルエンジンはアルミを完全に溶かすのではなく、半溶融(いわばチーズみたいな状態)で金型に充填して成形する。半溶融アルミ合金を使うメリットは、成形温度が、アルミを完全に溶かした状態よりも低い温度となるため金型に対する熱負荷が少なくなり金型損傷が従来よりも抑えられること。また、通常の液体から固体への凝固収縮(溶けた金属は固まると体積が減る)量が、半溶融状態でいくぶん固体が残っているため完全に溶かす場合と比べて少なくなる。その結果、凝固引け巣が出来にくくなるため欠陥のない良好な製品が得られるというもの。ちなみに半溶融成形(チクソキャスト)技術はインサイトのボディで採用されている】。
また、Hondaはもう何年も前に高性能エンジン用に、カーボンファイバーで強化したシリンダーブロックを開発しているのだ。こうした新しい製造手法には新しいマシンやツールが必要となるが、それも多くの場合、Hondaは自前で作ってしまうし、溶接用ロボットなどは他社に販売までしている。
そして何より、Hondaは間違いなく世界一情熱的なエンジン・メーカーである。自動車はもちろん、家庭用器具から芝刈り機、船外機、原付バイクから世界の最も速いバイクのエンジン、そしてF1エンジンまで、実にバラエティに富んだエンジンを製造しており、その数なんと年間1200万台におよぶのである。
(中篇に続く)
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| 世界初、舵角応動タイプHonda4輪操舵システムを搭載したプレリュード2.0XX。低
いボンネット高。惚れぼれするような美しさのサイドビュー。 |
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