検索

第1回 CR-X編「走る楽しさを、みんなの手の内に。Hondaのスポーツごころが開花した傑作車」

第2期F1に活気づくHonda。 そのスタートとともに、誕生。

1983年の年明けと同時に、その声明は発表された。「Hondaは本年度よりF1選手権に参戦します」。それは、第2期となるF1活動再開の表明であった。

第1期活動に幕を降ろしてから15年。大衆車シビックや低公害エンジンの先駆けとなったCVCCエンジン、そして上級車アコードなど、世界の量産メーカーとして成長してきたHondaは、さらなる発展を目指し、自らの技術力を世界最高峰の場で磨き、世界中の人々にその高さを知ってもらうために、参戦を決断した。

そして同年7月、復帰後の初戦となるイギリスGPに、ステファン・ヨハンソンがドライブするSPIRIT-HONDAがグリッドに着いた。結果はリタイヤ。その後もポイントを獲得できないレースが続くが、最終戦南アフリカGPでは、来シーズンからのフル参戦に備えたWILLIAMS-HONDAが、前年のチャンピオン、ケケ・ロズベルグによってようやく5位入賞を果たす。このように、後に破竹の勢いで連勝を重ねる活躍はまだ想像できないまでも、F1再開に大いに沸き立っていた1983年。その只中の6月に、活気づくHondaを象徴するかのような、それまでにない走りを生む、元気に満ちあふれたクルマが発表された。CR-Xの誕生である。



FFライトウェイトスポーツという新ジャンル。

1983年、初代CR-X。正式な名称は、バラードスポーツCR-Xという。少し遡った1980年、Hondaは当時の販売店戦略に伴い、シビックシリーズの姉妹車として、FF4ドアセダン バラードを登場させている(シビックシリーズ初の4ドアセダンよりもわずかに先)。初代CR-Xは、そのバラードブランドのスポーティバージョンとして、3代目シビックと同時期に誕生した(こちらもやはりシビックより先発)。

プラットフォームはシビックと共有。しかし、シビックの高い資質を活かしながらも、その新鮮で明確な個性あるスタイリングや採用された技術は、固有の存在感を放っていた。全長3,675mm、ホイールベース2,200mm、全高1,290mmというこぢんまりとしたフォルムは、3代目シビック(3ドアハッチバック)よりも、全長で135mm、ホイールベースで180mm短く、全高では50mm低い設定。このコンパクトサイズの中に、FF方式のメリットのひとつでもあるゆとりのスペースを確保しながら、小排気量エンジンをさらに軽量・コンパクトに設計した新開発の12バルブ・クロスフローエンジンを搭載。電子制御技術のはじまりともいえる電子燃料噴射装置PGM-FIを採用した、110PS/5800rpmの1.5リットルと、キャブ仕様で80PS/6000rpmを発揮する1.3リットルという2つのエンジンが用意された。

しかも、低ボンネット化やセミリトラクタブル・ヘッドライトの採用など、空力特性を徹底的な追求。さらに、バンパーやフロントマスク、フロントフェンダーをはじめ、随所に樹脂系の新素材を採用するなど、軽量化を突き詰めた車両重量は、全タイプを通して760〜825kgという現在では想像できない数値を実現した。コンパクトで扱いやすいボディサイズ。FF方式やショートホイールベースがもたらすコーナーでの安定性やクイックなハンドリング。軽い車重に対して出力を遺憾なく発揮する高性能エンジン。こうして、より多くの人が手軽に、気軽に、ドライビングを純粋に楽しめる、かつて存在しなかったFFライトウェイトスポーツが世に出現したのである。




Sportscar web TOP Enjoy Honda Sports TOP Sportscar web TOP