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●世界の名物Hondaマンを訪ねて スイスの熱きHondaマン 後半 by Paul Frere 2/2
CS<続き>:伝統的に環境問題や自然資源の保護に関心の高いHondaは、新しいテクノロジーを開発することにおいては世界でも1・2を争うほど熱心な企業です。その姿勢は貪欲といってもいいほどです。したがって、惜しみない努力がハイブリッド車開発に注ぎ込まれた結果、インサイトクーペなどが近いうちにヨーロッパに導入されると思います。
シビック4D IMAといった優秀なクルマが生まれました。2年前のジュネーブショーにはHonda製ハイブリッド・スポーツカーが参考出品され、その流麗なスタイリングともに大きな反響を呼びました。長年にわたっておこなっている燃料電池車の研究開発でもHondaはトップランナーとして、日本とアメリカで生産型予備軍ともいうべき燃料電池車を街で走らせています。
私はハイブリッド・エンジンが従来の内燃機関エンジンに完全に取って替われるとは思っていませんが、将来もっと厳しくなる排ガス規制に対応できるよう、ガソリン・エンジン車、ディーゼル・エンジン車、ハイブリッド車、そして燃料電池車のすべてをうまくミックスさせた販売が必要になるのは間違いないでしょう。

PF:特に80年代の中ごろから90年代の中ごろの約10年間、HondaはシビックやCR-Xといった個性の強いモデルを次々に登場させ、スポーティなイメージで多くの人々のハートをつかみ支持を得ました。現在と比較してもその頃のHonda車は個性が強く、他の日本車とは多くの点で異なるユニークな存在でした。これらの要素が販売にもたらした影響はどのようなものだったでしょうか?

CS:おっしゃる通り、長い間HondaはCR-Xやプレリュードといったスポーティカーによって良いイメージと高い評判を築き上げました。その後NSXやS2000といったリアルスポーツの導入や、F1での素晴らしい活躍と多くの勝利によって、そのイメージは一層強化されたのです。これらのことは間違いなくビジネスの面で大きくプラス方向に作用しました。今後も排ガス対策や消費規制等々クリアしなければならない問題も多く、自動車の開発はますます大変になっていくとは思いますが、Hondaにはそのイメージを育て持続し続けるために、これからもそういったスポーティなイメージの強いクルマを開発し続けることを常に忘れず、軽視したり、おろそかにしたり決してしないで欲しいと、個人的には切に願っています。

PF:現在のHondaのF1活動は栄光と輝かしい伝統を持つメーカーのイメージアップに寄与していると思いますか?
CS:60年代の第1期F1活動、80年代から90年代初めにかけての第2期F1活動と、Hondaは極めて素晴らしい活躍をし、大成功を収めました。ターボ・エンジンでも自然吸気エンジンでも圧倒的な強さを発揮しました。一旦休止していたF1活動をHondaが再開するにあたって選んだパートナーはF1に新規参入してきたチーム、BARだったということは周知の事実です。残念ながらその活動再開への挑戦の道はいささか困難なものになりました。しかしそのことによってHondaのイメージが傷ついたとは少しも思っていません。それに今回のF1活動再開以来、かかわっているレーサーや人の顔ぶれも変わりましたし、マシーンやエンジン、そしてシステムも大幅に改良され、レースにかかわるすべての人のファイティング・スピリットもますます高まってきています。したがって私は将来に関しては大いに楽観しています。

PF:あなたにとってのHondaとはどのような存在でしょうか?

CS:1973年にスイスにHondaのディーラーを開設する交渉のために八重洲の本社(当時)を訪ねてから30年、楽しいこと、嬉しいことばかりでした。嫌な思い出、辛かった思い出などひとつもありません。
それはHondaという会社とHondaの技術者たちがつくる製品が素晴らしいからに他なりません。Hondaの製品は誰からも愛され、高く評価されるのはもちろん、スポーティでカッコいいのです。Hondaの製品には若さと情熱がこめられています。それが人々に好感を与えるのです。30年もの間Hondaのディーラーをやって来られたのは、ただただ幸せでした。

クロード・サージ(Claude Sage)
1934年10月7日ジュネーブ生まれのスイス人。現Hondaスイス社長。1957年にローザンヌ大学を卒業、経営学(Business)と政治学(Political Sciences)の2つの分野で学位を取得。愛妻との間にお嬢さんが一人、孫が2人。ヴィンテージカー、クラシックカー、ヒストリックカーの熱心な愛好家としても有名。
60年代半ば、モータージャーナリストから実業界に転身。1985年以来スイス・オートモビル・インポーター協会(Association)の副会長を務め、長年ジュネーブ・モーター・ショーの副会長を務めたあと、今年次期会長に選ばれる。
クロード&シルベイン・サージ夫妻(RALLYE DU MAROC CLASSIC 2001にて)
スパ・フランコルシャン・サーキットにて、NSXレーシングを駆るクロード・サージ(1994年)。
かつてサーキットでレースをともにしたNSXレーシングとともに(2000年)。
 
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