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| ●File#12 1998年 NSXのトランスミッションファクトリー | ||||||
| 1998年、NSX Press vol.22の取材のために、NSXのトランスミッションファクトリーを訪れました。NSXのトランスミッションは、当時、組み立てを鈴鹿製作所で、製造をグループ企業の柳河精機を中心に行っていました。 その製造現場を訪れたときの驚きは、いまでも鮮明に記憶に残っています。 トランスミッション工場というイメージからはほど遠く、まるでレーシングカーのパーツを手作りするように、熟練の技術者の手で丁寧にゆっくりとNSXのトランスミッションが造られていたからです。 まず、NSXのトランスミッション(MT)は、発売当初ツインプレートクラッチや2速にダブルコーンシンクロが採用されていたこともあり、メインシャフトがかなり長い設計になっています。その後クラッチは高μライニングを使用したシングルプレートとなりましたが、サイズを変えずに6速化しており、メインシャフトは長いままでした。 メインシャフトが長いと、ギアを切削するときに振動が起こりやすく精度が低下しやすくなります。そこでNSXは、高精度の型と工作機械を用い、振動しないようゆっくりと切削を行うのです。切削後も、一般的な量産車の半分の回転数でシャフトを回し、振動を抑えながら丁寧に磨き上げていました。 |
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| トランスミッションケースも2時間に1つしかできないほど、高精度マシンで丁寧な切削加工を行い、全数3次元測定器で精密に測り上げます。 組み上げもまさに手作り感覚で、右上の写真にあるように、ゲージと手で振動の有無を探りながら、ひと歯ひと歯、やすりなどで削ってスムーズに回転するよう微調整を行うのです。そして最後は、防音室のベンチマシンで1機1機回して静粛性の確認を行う、という手のかけよう。 NSXは、高出力・高回転エンジンでトランスミッションへの負荷が高いのですが、スポーツカーだからといってノイズに無頓着ではなく、優れた静粛性ときわめてスムーズなシフトフィーリングにこだわったスーパースポーツ。その高い目標をクリアするために、トランスミッションの製造工程には技術と情熱が注がれていました。 左上の写真は組み上がったトランスミッション。まさに芸術的な美しさを感じました。 |
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