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山野哲也のチャンピオンストーリー vol.1 1/3
1998年。山野哲也選手は、5年連続の全日本ジムカーナチャンピオンに輝いた。シビックタイプRのデビューウインである。デビュー早々のマシンを、年間8戦中5勝という“圧倒のマシン”に仕立て、自らとしても5年連続の王座獲得という大仕事を成し遂げた山野選手は、満足感のなかでひとつのアイデアを思いついた。
「NSXで全日本ジムカーナを闘ってみよう」
翌99年にはS2000登場の噂があった。が、春にデビューしたのではそのシーズンには間に合わない。シビックタイプRもデビューウインを成し遂げ、何で翌年を闘うか迷っていたときの発想である。もちろん、それまでNSXで全日本ジムカーナを闘った者はいない。NSXタイプRのフィールドとなるA3クラスでは、同じくHondaのインテグラタイプRやトヨタのMR2などが活躍していた。そこに、大きくて重量のあるNSXで勝ち目があるか?それは長年チャンピオンを取り続けた山野選手にも予想できなかった。
そこで、シーズン終了後の12月。山野選手は、NSXタイプRに暫定の足回りを装備し、タイヤを替えテスト走行を試みた。するとその結果は予想以上だった。はじめての走行ながら、その年のトップからわずかに1秒落ちのタイムをマーク。
「これはいける。LSDを強化し、足回りを詰めていけば勝てる」
初テストに持ち込まれた暫定仕様のNSXは、山野選手のハートに火をつけた。



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