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新型NSX-Rにクルマをスイッチして乗り込み、カーボン製フルバケットシート、ステアリングコラムを調整する。正面に据えられた大きなタコメーターと、ヒール・アンド・トウを行うのに理想的なペダルの配置がうれしい。左手を左に数センチ移動させると、短いギア・レバーのチタン製ボールの上に文字通り自然なかたちで落ち着く。
新型NSX-Rで数ラップこなしたあと、3、4、5速のみを使えばいいことがわかった。それも、5速はピット前の正面ストレートのみでの使用である。正面ストレートの先は下っていて90度の右カーブへと続いている。ストレート・エンドでスピードメーターは200km/hを指していて、コーナーの手前でめいっぱいブレーキを踏んで、ギアを3速に落とす。そんなときも“ドライブ・バイ・ワイア”による優れたスロットルレスポンスのおかげで、シフトダウンがピタリと決まる。ギアボックスはタイプRの売りモノのひとつだ。完璧にマッチしたレシオもさることながら、短いギア・レバーは、扱いやすいクラッチ・ペダルと相俟って、非常に素早いシフト・チェンジを可能にしてくれる。
今回走ったツインリンクもてぎのコースには3ヶ所ほどハード・ブレーキングが要求されるポイントがあってブレーキにとってはタフなコースだったが、全開で数周したあとでも、まったくフェードしなかった。ABSは付いていたが、トラクション・コントロールは取り除かれていた(もっとも付いていたとしてもNSXオーナーたちはスイッチを切るに違いない)。
初代NSX-R同様、新型にもパワーステアリングは付いていない。当然低速域でのとりまわしは一苦労だが、一旦走り出せば素晴らしいのひと言につきる。サイドフォースの増加に応じて、ステアリング保舵力がリニアに高まっていく。リミテッドスリップデフはコーナーの立ち上がりで思い切り加速したいときに威力を発揮する。ただ、ドライな路面でテールを振り出すには、意図的にきっかけを与えてやる必要がある。穏やかなアンダーステアがこのクルマの基本的な特性だが、スロットルを戻すと、それがほんのわずかであっても、即座にアンダーは消える。上原氏によると、新しいセッティングによってラップ・タイムは縮まったと教えられた。これはコーナー出口での加速が初代NSX-Rよりも早くできるようになったためであると考えられる。
爽やかな天候に恵まれたツインリンクもてぎでの新型を含めたNSX-Rとの再会は、時間の経つのが残念なほど楽しいひと時だった。12年目の進化を全身で確かめて、NSXが依然世界のトップレベルにあるスポーツカーであることを再確認した。是非これからも進化を遂げ、他の手本であり続けてほしいと願ってやまない。
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