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こんなに走りやすいスーパーカーは、1990年まで存在しなかった。あのフェラーリにも「完成度と生産のノウハウを教える」という衝撃的なインパクトを与えた。そのスーパーカーとはもちろんHonda
NSX。バブル時代の真っ最中に登場した初のオールアルミボディのこのスポーツカーは、最初はプレミアムがつくほどの人気ぶりだった。アメリカでも大歓迎された。NSXはHondaの最先端の技術を世界に披露するショーケース。デザイン、エンジン、ミッション、ハンドリングなどの全てが、日本が誇れるピカイチの出来と絶賛された。
それから早11年が過ぎた。その間、マイナーチェンジを含め着実な進化を遂げてきたが、今回のビッグマイナーでNSXにふたたび新しい風が吹いた。まずは顔だ。Hondaは、これまでのリトラクタブル式ヘッドライトから、固定式の3次曲面形状のレンズカバーを採用し、空力抵抗を少なくした。Cd値が0.32から0.30に向上したのだ。さらに、顔をよりアグッレシブにするため、エア・ダムもデザインしなおした。リアバンパーあたりも一新し、テールライトも丸くなった。その結果、初代の美しいシルエットを保ちながら、「新NSXのパーソナリティがはっきりして、モダンな外観になった」とアメリカの「ロード&トラック誌」が評価する。「でも、初代バージョンの方が好きという人も少なくない」そうだ。
しかも、外観の変更のおかげで直線での加速性能が高まり、よりワイドなタイヤと太めのアンチロール・バーの採用でハンドリングも向上した。今回、私は新しいエアロダイナミクスデザインのタイプT、それも6速MTではなくAT仕様に乗り、主に都内の一般道路とハイウエイを走った。しかし、より剛性感のあるハンドリングの進化は十分に堪能できた。
低い本革のシートに座り、タイトなキャビンに身を包まれると、気持ちは瞬間的にレーサーに変わる。AT仕様でもそれは変わらない。私が乗ったタイプTには、派手なレッドのシートに、カスタムオーダープランのリアルカーボンのダッシュボードと赤ステッチがついていてかなりスポーティでお洒落だった。このトリムこそがスーパーカーを感じさせる。
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