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●25時間サバイバルレース(前篇) サンダーヒル25時間レースレポート
  25時間サバイバルレース(前篇)サンダーヒル25時間レースレポート

たしかに、世間ではル・マンやデイトナのほうが耐久レースとして名は通っているかもしれない。しかし、近年、にわかに盛り上がっている耐久レースがある。そしてその耐久レースは、前述の2大耐久レースをもってしても敵わない要素をひとつ有している。それは、2大耐久レースよりも1時間、レースの時間が長いことだ。

その名も、サンダーヒル25時間レース(正式名The 25 Hours of  Thunderhill)。そしてこの毎年12月の最初の週末に行われる競技は、他の耐久レースより時間が長いだけではなく、他にもユニークな要素を備えているのだ。
まず、この耐久レース、レーシングファンですら聞いたことのない場所で開催される。サンダーヒルという、近くの住民ですら「どこなのかわからない」ところにレーストラックは存在する。もう少し詳しく位置を説明するなら、このサーキット、サンフランシスコから北東に150マイル(240kmあまり)行った、サンダーヒルという、土地の価格もかなり手頃な場所にある、低くて茶色い丘の上に建てられている。

フロントから見たレース仕様のHondaレジェンド。いかにも速そうだ。
25時間にもおよぶレースの行われるサンダーヒルは、全長3マイル(約4.83km)の美しいコースだ。周囲は遮るものが何もない土地で、ガードレールがほんの少し建てられているのみ。コースを外れたら、自然に止まるまで、ぐるぐると回りつづけなければならない。
このとてもレーストラックとは思えない、何マイルも続く美しいカーブと大きく広がる眺めに多くの広告代理店が目をつけ、クルマの撮影に利用しているほどである。

6月後半の仏ル・マンや1月のデイトナ(フロリダ)と違って、12月のサンダーヒルは気候の面で決して訪れたい場所ではない。雨も頻繁に降れば、気温も日中で15度前後、夜には零度近くに冷え込む。知人のひとりは、『肉屋の冷凍庫の中でレース観戦しているようなもの』と表現した。
にもかかわらず、毎年この25時間耐久レースを目指して、6クラスに60台近くのレースカーがエントリーし、たくさんのレース好きが集まってくる。参加車輌の顔ぶれはとてもバラエティに富んでいて、ストックカー仕様のHondaフィットから、けたたましい音をたてるコブラのレプリカまで実に様々である。新旧Hondaシビックに始まって、マツダ ロードスター、フォード マスタング、スバル インプレッサWRX、マツダRX-7、BMWミニ、BMW M3、日産フェアレディZ、ポルシェ911などなど、スポーツ・レーサーたちが続々と集まってくる。そんな中、ひときわ光り輝き、みんなの熱い視線を浴びていたのは、はるばる日本から参加したレース仕様のHondaレジェンドだった。

驚くほど多種多様なクルマがエントリーするのがサンダーヒル25時間レースの特徴でもある。
レースに備えての参加態勢や車両の準備もこれまたそれぞれ異なり、メーカーのバックアップを受けたワークス仕様の2006年型HondaシビックSiや、マツダスピード仕様のロードスター、長年レースを戦ってきたとおぼしき傷だらけのツワモノまでいる。むろんレーサーの力量やレベルもまちまちだ。この車種とレース参加態勢の多様さがこのレースの特徴といえる。
また、アメリカで行われる、ほとんどのアマチュア・レースは、巨大な組織、SCCA(Sports Car Club of America)によって主催されるが、このサンダーヒル25時間レースに限っていえば、NASA(the National Auto Sport Association)という団体がつかさどる。

 
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