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| ●「夢のスポーツカーライフ」後篇 小林彰太郎 | ||||||
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私が英国を好むもうひとつの理由は、市民社会がスポーツカーに対して寛容なことである。特に古い車には同情的である。例えば古いMG同士が行き逢うと、親愛の情をこめて挨拶を交わすのは、べつに英国に限らない。だが、家族満載のワンボックスや、大きな定期便トラックのドライバーなども、同様にライトを点滅させ、手を振ったりして、スポーツカーの愉しさに同感の意を示す国民は、私の知る限り英国しかないのである。 話を冒頭に戻すと、半ばリタイアした今、私の夢は古いスポーツカーとともに、初夏から秋のあいだ、英国のコッツウォルズに住むことだ。この辺りはロンドンから180kmほどの近距離にありながら、ひなびた静かな田舎である。古い車を通じて識り合った"オールド・フレンド"がたくさん住んでいるし、シルバーストンやプレスコットなど、モータースポーツの舞台にも近い。新旧を問わず、スポーツカーにとっていちばん住みやすい国、それはやはり英国だとしみじみ思う。 小林彰太郎(こばやし・しょうたろう) 1929年東京生まれ。幼き頃より自動車を熱愛し、学生時代にはすでに自動車専門誌に寄稿をはじめ、自動車ジャーナリストを目指した。1954年以降、それまで日本になかった新車ロードテストの基準を自らつくり出してテストを行い、専門誌で発表を行った。日本の自動車ジャーナリストの草分け的存在。 1962年に理想的な自動車雑誌をめざして『CAR GRAPHIC』を創刊。その年、Honda S600を欧州に持ち込み、2ヵ月あまりで1万2000kmを走破。S600の素晴らしさを欧州に伝えるとともに、HondaのF1初参戦を自らの目で取材し日本に伝えた。 長年のジャーナリスト活動のなかで日本の自動車づくりに多大な影響を与える評価と助言を行い続けているだけでなく、海外の自動車界と幅広い友好関係を保ち、自動車文化の世界的な交流に務めている。1989年まで『CAR GRAPHIC』編集長を務め後進に道をゆずり、現在は編集顧問として、相変わらず世界の新型車を評価し続けている。 |
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