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●S2000 in Europe 前篇
フランスにはS2000のクラブ“S2000 French Owners CLUB”が存在している。同クラブは、例えクルマを所有していなくても登録することが可能で、現在のメンバー数は250名ほど、またその中でS2000のオーナーは約100名いるそうだ。仰々しい感じは全くなく、メンバー同士でアイデアを出し合いながら大小様々なイベントを企画、実施している。
 

販売店の駐車場にぞくぞくと集って来たS2000。幸い好天に恵まれました。
そんな彼らが週末を利用してツーリング・イベントを企画。そこへ私もお邪魔させてもらうことにした。クラブのウェブサイトを介して各メンバーに内容が伝達された。「日時は10月23日、14時、集合場所はMacon(マコン)にあるHonda販売店」。マコンとは、フランス第2の都市リヨンの北50km辺りに位置する小さな町のことである。パリからは南東約400kmだ。
 
現地へ集まる前に、パリ近郊に住むオーナーたちは、エッフェル塔近くで集合した。日の出直後の8時30分。8台のS2000の他にアコード・タイプRが1台。そして、ホンダのバイク600RRが1台、計10台のホンダ・マークが揃った。その後、パリ一行は渋滞気味の環状線を通り抜け、高速のA6を通って目指すマコンへと南下を始めた。

 

連なりながら、高速を南下するS2000の走りは壮観。
たっぷり1年もかけてクラブ員を募った情熱家、ステファン・ボワイユさん。
私はクラブの設立者であるステファン・ボワイユさんのクルマに同乗させてもらった。まずは、クラブ設立の経緯というオーソドックスな質問から。ところが、想像外の言葉が返ってきた。
「S2000のクラブを作った時、僕は未だS2000を持っていなかったんですよ」
目を丸くする私を横目に彼は続けた。
「でも、『絶対にS2000を買うぞ』と、決めていましたから。で、調べてみるとフランスにはS2000のクラブが存在していなかった。それでクラブ設立を思いつきましたが、メンバーを集めたりするのに時間が掛かるだろうと。そこでまず、クラブの情報網としてサイトを立ち上げることから始めました。体制を整えてクラブ員を募るのに1年は費やしたでしょうか。形になってきた頃の2003年2月に僕もめでたくオーナーの仲間入りを果たしたんです。(笑)」
 
パリから高速で20分も走れば、田園風景が一面に広がっている。天気にも恵まれて、オープンカーで走るには最高だ。近くを走行している仲間同士で挨拶を交わしたりする楽しさもある。途中、サービスエリアで何度か給油や休憩をしたが、その都度、周囲の人々がこのS2000グループに熱い視線を注いでいることに私は気付いた。
ここはフランス。Honda車は“外車”である。しかし同じ“外車”でもご近所の欧州車とは訳が違う。 パリの街中で信号待ちをしていた時のこと、トラックを横付けして「何か特別なパレードかい?」と、興味津々で聞いてきた人がいた。プラカードを掲げているわけでも、派手なカラーリングを施しているクルマだって1台もいないのに……。つまり、それほどS2000は際立っているということになる。何も日本車が珍しいわけではない。けれど、ツー・シーターのオープンとなると話は別らしい。ドライビング面とは別に、フランスでは、日本のHondaのS2000オーナーだからこそ味わえるプラス・アルファーの快感もあるようだ。
 

給油しながら休憩をとる参加者たち。S2000の走りを思う存分に楽しむ彼らはいい
表情を浮かべています。
予定時刻より少し遅れてパリ組がマコンに到着すると、フランス各地から集まったS2000が既に並んでいた。また、10台ほどのNSXやアコード・タイプR、インテグラ・タイプRとそのオーナーらの姿も。顔馴染には「久しぶり!」と声を掛け合い、初対面同士でも臆することなく、時間を忘れてあちらこちらでオーナー談義に花を咲かせていた。似たような光景は日本でもよく目にするが、エンスージャストの気質とは万国共通らしい。17時には、いよいよメイン・イベントのロードブックを使用したツーリングの開始だ。
(中篇へ続く)



筆者:野口友莉氏
パリ在住ライター。F1やル・マン24時間レースに参加するチームの広報業務を始め、日仏間のコーディネイトや翻訳などモータースポーツの分野に長年従事。1998年渡仏。2004年4月にはモロッコの砂漠で開催される女性だけの国際ラリー「ラリー・アイシャ・デ・ガゼル」にドライバー兼ナビゲーターとして参加、完走している。
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フッタ
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