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フランスHondaが貸してくれたのは、鮮やかなブルーのTバー・モデルのNSXである。“プリンセスたち”の一人、オーレリーと、これまた大のクルマ好きである彼女のご主人の2人でシャルルドゴール空港まで運んできてくれた。ランチをともにしたあとでNSXを受け取り、シャルルドゴール空港を出てフランスの高速道路であるオートルートのA1に乗った。フランス北西部のドーバー海峡に浮かぶ島々を横目にカレイの港やボローニュの港を経て、東へ約200km、そこからブリュッセルまではあと残り125km程度である。私は決して無理をせずNSXを走らせた。スピードリミット(制限時速)は130km。それ以上決して飛ばさないように気をつけながら運転した。ヨーロッパでは日増しにスピードに対する監視が強まりつつあり、フランスもベルギーも同様にスピード違反の取締りが強化されている。
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| 地中海沿岸にある有名な古い村、サン・ポール・デ・ヴァンスにて。古都の風景にもNSXはよく似合う。 |
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ところで前述のスパ24時間耐久レースだが、時間の短い他のレースの2倍のポイントが与えられるために、FIAのGT選手権で最も重要なレースとして位置付けられている。今年は、24時間のレース中7割近い時間で激しい雨が降った。そのなかで激しい戦いが繰り広げられたレースは、セッティングに成功し、見事なドライブをみせたポルシェ・チームが強豪フェラーリ・マラネロとクラスラー・ヴァイパーを抑えて勝利した。
翌日も雨の降りしきる中、帰宅の途についた。途中他のヨーロッパ諸国に比べて30%もガソリンの安いルクセンブルグで給油をしたあと、再びフランスのオートルートに乗り南下を続ける。歴史的な街、ナンシーからディジョン、最高級ワインの産地として有名なバーガンディのボーヌを抜け、これまた美味しいワインの産地として有名なボージョレーを通りすぎて街の中心を高速道路が縦断するリヨンに達する。リヨンを過ぎると気候は一変し、その昔法王の居住区であったアビニョンの街に入ると、待ち焦がれていた地中海の日差しが私とNSXを迎えてくれ、暖かく包んでくれた。
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ラ・タービエという村から、モナコに続く道にて撮影。地中海のブルーにNSXのブルーが映える。 |
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旧ローマ時代に栄えた街、エクサン・プロヴァンスを抜け、横目にニースを見ながら首都モナコまでの総走行距離1,100km。NSXは期待にたがわずまことに快適な時間を与えてくれた。途中で停まったのは、給油時とビスケットを口に入れるための休憩だけであった。
私は長距離ドライブの途中で決して昼食を摂ることをしない。それは昔からの習慣でもあるが、特に現在のようにスピードの取締りが強化され、制限時速を遵守しながら走らざるを得ない状況下では、昼食をとると眠くなってしまうからだ。モナコに辿り着いたしゃれた青いNSXは、澄み切った空とマッチして、この地中海の公国の風景に溶け込んでいた。
(後篇に続く→) |
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