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●海を渡ったHonda 1300 (後篇) by ポール・フレール 1/2
ルークが長い間夢に見ていたHonda 1300・99Sセダンを積んだ船は、2004年2月末に横浜を出港し、予定通り約1ヶ月後、ベルギー最大の国際貿易港、アントワープに着いた。はやる気持ちを抑えきれず、ルークは早速アントワープまでクルマを見に行った。船から降ろされて倉庫に置かれた美しいHonda 1300を見た時の感動は、言葉では表現できないほど大きかった。白の1300は彼が望んでいたボディカラーでもあった。
 
しかし、好事魔多し。通関でトラブルが発生した。最初は、日本の通関業者の印字ミスで通関書類の製造年が1985年になっていたこと。これはあきらかに1969年の間違いだ。ベルギーの法律で、オールドタイマーとして登録できるのは25年以上前に製造されたクルマのみで、これではオールドタイマーとして輸入ができず、通常のクルマ扱いとなってしまうらしい。通常のクルマとして輸入すると、いろいろと面倒なことになる。しかし、この件は発送業者に急ぎ通関証明書の修正版を送ってもらうことで事なきを得た。
 

前オーナー、八潮市の佐藤さんのガレージにあった頃のHonda 1300・99Sセダン。
やっかいだったのは次に起きたトラブルで、アントワープ港の通関業者から連絡があり、「正体不明のクルマの通関はできない」とベルギー税関が言っているという。調べてみると、クルマと一緒に載せたはずの登録抹消証明書(日本の陸運局発行)がどこにも見当たらないというのである。
ルークとクルマの搬送手続きを手伝ってくれたCGのスタッフ、日本の運送業者、アントワープ港の通関業者との間で電話とファクスとメールが何度もやり取りされ、件の登録抹消証明書がみつかったのはそれから2週間後。その間、Honda 1300はアントワープの倉庫に置かれたままで、一秒でも早く自分のガレージに1300を収めたいルークは気が気でなく、2週間が1ヶ月にも2ヶ月にも感じられた。でも終わりよければすべてよしの例えどおり、最後は書類も見つかり、はるばる日本から着いたHonda 1300・99SセダンはHonda製のクルマとして無事通関することができたのだった。
 

Honda 1300・99Sセダンの前オーナー佐藤さんと小林彰太郎氏。佐藤さんは熱心なライダーでもあり、今はNSRとVTZ(むろん、2台ともHonda製)に乗っている。
翌日、アントワープ港で積載車に載せられたHonda 1300・99Sセダンは、一路50km離れたブリュッセルのルーク・デ・プランスの自宅へと出発した。
積載車が自宅に着いたという夫人からの嬉しい報せを会社のオフィスで受け取ったルークが、仕事を放り出して自宅へ全速力で戻ったとき、真っ白のHonda 1300・99Sセダンはちょうど積載車から降ろされているところだった。
彼のワイフで私の娘でもあるマルティーヌは、興奮をおさえきれないルークが、届いたばかりのクルマを下にもぐったり、エンジンルームに頭をつっこんだり、乗り込んでみたりしながら、文字通り隅から隅までチェックしている間中、写真を撮り続けた。クルマをチェックして、充分に満足した後、ついにエンジンを試しがけする瞬間が訪れた。息を止めてイグニッションキーをまわすと、エンジンはなんと最初の1回で、よみがえったのだった。彼とマルティーヌは手を取り合って、その美しくかつエキサイティングなエンジンサウンドに、しばし聞きほれていた。
 
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フッタ
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