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●スポーツカーに乗る楽しみ(後篇)宮城 光
  スポーツカーに乗る楽しみ(後篇)宮城 光
スタイリングやスペックでなく、体が何を感じるかが重要。

僕が二輪のレースに出はじめて、全日本選手権でチャンピオンをとった1983年頃、実はCR-Xに乗っていたんです。“愛のバラード、デュエットクルーザー”という宣伝文句で鮮烈にデビューしたとき、「これは買わなきゃ!」と思いまして(笑)。

CR-X (1983年)
あのCR-Xは素晴らしかったですね。とにかく全体が軽くてキビキビとしたハンドリングなのに安定性がすごく高かった。全高が1,290mmしかなくて低重心だったし、サスペンションのセッティングが良かったんだと思います。レスポンスはいいし、安心感も高いし、走るのがたまらなく楽しかったですね。燃費もびっくりするくらい良くて助かりました。
僕は、あのCR-Xでクルマに乗る楽しみに目覚めたといっても過言ではないですね。それまでバイク一辺倒で、クルマにはほとんど乗ったことがなかった。それではじめてバイクと同じように走りを楽しむスポーツカーに乗って、今までにない操作感覚のすべてが新鮮で夢中になりましたね。
それと、バイクはひとりで乗るものですが、クルマは二人以上で乗れるという単純なことに感激しました。友だちと一緒に話をしたり、音楽を聴きながら走ることができる。バイクでは考えられないことです。そんなことがすごく新鮮で、よく友だちを乗せて音楽を聴きながらドライブに行きましたね。まさにスポーツカーによってライフスタイルが大きく変わりました。

しばらくして、アメリカでレースをして日本に帰ってきたとき、知人から幸運にもビートを譲り受けることになったんです。
このクルマも本当に楽しかったですね。ハンドリングバランスがよくて、オーバーステア知らずでした。ワインディングをまさにオン・ザ・レールで曲がっていくんです。エンジン、車格、タイヤ、すべての性能がバランス良くマッチしていたんでしょうね。スポーツカーとしての走りの高揚感を味あわせてくれるクルマでした。いまだに人気があるのもわかりますね。燃費もいいし、日本の道にも合っているし、本当に楽しかった。黄色いボディをコンパウンドで一生懸命磨いて、大切に乗ったのをよく覚えています。

BEAT (1991年)
それと、もうひとつ思い出しました。レースをはじめた頃、オートバイショップで働いていたのですが、そのとき配達用のクルマとして乗っていたHondaのTNアクティという軽トラックも楽しかったですね。
トラックなのにダイレクト感のあるハンドリングで、ステアリングを切るとスッスッと思った通りに向きを変えてくれる。ソリッドなベンチシートからは、車体の動きが繊細に伝わって来ました。シフトも、トラックなのにまるでスポーツカーのようにカチカチっと決まるんですよ。そして、コクピット全体に心地よく響くエンジンサウンド…。まさにスポーツカーなんですよ。そのTNアクティで、バイクの配達や用事を言いつけられてお使いに行くのが本当に楽しみでした。日々の生活のなかで走る歓びを感じられるのは、クルマ好きにとってたまらないですよね。そのときは気づきませんでしたが、今考えるとそれがHondaなんだなと思いますね。

“スポーツカー”という定義はいろいろあるでしょうし、スタイリングとかスペックなどにとらわれるかも知れませんが、人間とクルマが一体になれるクルマであれば、僕はそれがどんな車種であろうとスポーツカーと呼べるのではないかと思います。
Hondaがはじめてつくったクルマが、T360というトラックとS500というスポーツカーです。T360はトラックですが、DOHC4気筒のスポーツカーのようなエンジンをミッドシップしたクルマでした。僕がTNアクティで楽しんだように、おそらくこのT360もスポーツカーと呼べるようなハンドリングだったのではないでしょうか。S500もそうですが、T360こそHondaのスポーツカーに対する深い思い入れを感じる事ができるクルマだったのではと思います。

TN-ACTY (1977年)
これから先も、できることならいろいろなスポーツカーに乗ってみたいですけど、エンジンの鼓動と人間の鼓動とが一体になることができるクルマであれば、どんなスタイルのクルマでも楽しく走れるんじゃないかと思いますね。
もう20年以上も前に乗ったTNアクティがあんなに楽しかったんだから、もしかしたら2シーターでミッドシップレイアウトで、フルタイム4駆の今のアクティなんて、もっと楽しいかもしれないですね。ちょっと乗ってみたい気がしますね。スポーツカーに乗る楽しみ、それはエンジンの鼓動を全身で感じながら、クルマと一体となって操る楽しみということに尽きると思いますね。




宮城 光(みやぎ ひかる)
元Hondaワークスライダー。全日本GPおよび全米選手権でチャンピオンを獲得し、四輪ではスーパー耐久シリーズチャンピオンとなっている。現在は、さまざまなスクールのインストラクターやMotoGPレース解説、鈴鹿8耐のHondaチーム監督など、多方面で活躍中。
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