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●父から受け継いだHondaスピリット 〜フランスに初めて上陸したNSX〜 [後篇]
後篇
「日常の走行だけでは満足できず、『思いきり走りたい』と感じる人が、僕だけではなく周囲にも結構いることに気付いたんです。そこで、エネルギーを発散させたい人たちを集めてサーキット走行会を企画するようになりました」
ジムカーナやサーキット走行会に参加し始めれば、クルマに手を加えたいと思い、バージョンアップに思いを巡らせる人は多いだろう。

サーキット走行会を主催し、もちろん自らも楽しむ。ヘルメットとグローブを装着し、いざサーキットへと臨むウィリアムさん。
フランスでは、Honda車をはじめとする日本車に対する信頼度は非常に高く、燃費も良くて故障やトラブルも少ないのであまりパーツを必要としない。ところが、ドレスアップなど始めようとすると、言語や地理的なことなどが影響しているのかもしれないが、各パーツやアクセサリー類がなかなか手に入りにくいという実情がフランスにはあるようだ。日本車のオーナーにとって、移動用としてではなく、ドライビングやモディフィケーションを楽しむことは、そんなに簡単なことではないらしい。
ウィリアムさんは、そんな現状を肌で感じた1人だったようだ。それで2年前、彼は弱冠22才にして会社を設立。日本車のパーツの輸入業を始めた。現在は、ウィリアムさんの会社の顧客を中心に、フランス各地でサーキット走行会を年に数回開いている。対象は日本車ばかりだ。
「エントリーの半分以上はHonda車なんですよ!」
Hondaの世界で生を受けたと言うウィリアムさんらしい顧客層である。彼は現在、NSXの他に赤いシビック1600ccと、ブラックのS2000の3台のHonda車を所有しているとのことだ。

ブラックのS2000を駆り、胸のすくような走りを楽しむ。サーキットはHondaエンスージャストの血が騒ぐ舞台。プロドライバーをめざしていただけあって、ウィリアムさんのドライビングはすごい。
「NSXは特別な機会でしか乗りません。だから走行距離は未だに3万6千キロ程度です。始めて自分で運転したのは18歳の時。BAC(日本でいう大学入試センター試験のようなもの)のテスト会場にお守りとして運転していきました。緊張しましたね。最近では彼女との初デートの時にNSXに乗りました(笑)。このクルマは、もちろん一生手放す気はありません。またシビックは、僕が初めて買ったクルマなので、これもコレクションの1台にするつもりです」
彼のHondaに対する思いは、これだけに留まらない。
「父もパーツを扱うところから始めました。僕の将来の夢もHondaの販売店オーナーになること。もちろん、レース関係のパーツも充実させるつもりです!」
一度は夢を絶たれたウィリアムさん。亡き父に思いを馳せながら、彼の新しい夢は既に定まっている。
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フッタ
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