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●フランス・カップで王座に輝いたシビック乗りの父と息子 (前篇)

「雑誌に載ったある1枚の写真に魅了されてしまったんです。それは今から30年以上も前のこと。私の目は雑誌に掲載されたEB1というHondaのエンジンに、一瞬にして釘付けになってしまいました」
初代シビックのエンジンに惚れ込み、Hondaのレーシングショップを立ち上げた父親のミッシェルさん。フランスのレースにシビック1号車を持ち込んだ人物でもあるのだ。
Honda車との出会いをミッシェル・カグリオッジさんは懐かしそうに教えてくれた。EB1というのは、初代シビックに搭載されていたエンジンの型式名だ。
「新しい技術が色々と採用されていて、コンセプトも悪くない」
EB1は、水冷直列4気筒横置きOHCの1200ccエンジン。圧縮比8.1、最高出力60PS/5500rpm、最大トルク9.5/3000rpmである。初代シビックは、世界に受け入れられるワールドカーとなることをめざし、それまで日本で類を見ない台形デザインのFF・2ボックスカーとして登場し注目されたモデルだ。

ミッシェルさんは以前、フランスの自動車会社でメカニックとして働いていただけに、エンジンに一目惚れしたというのも納得がいく。
「日本はテクノロジーや技術、そして部品素材などが非常に優れているのですが、特にHondaのクルマからはそれが顕著に伝わってくるんです。スポーツカーだけでなく、量産車やバイクに至るまで、開発に関わっている人々の姿勢がクライアントまでちゃんと伝わってくる。そこが素晴らしい」
かつてシビックでラリーに参戦していたミッシェルさん自身の写真がきれいにファイリングされたアルバム。記事の切り抜きは、当時の雑誌や新聞でミッシェルさんを紹介したものだという。
Hondaの技術を高く評価するミッシェルさんは、1972年、カグリオッジ・レーシングを立ち上げ、Hondaのレース用マシンを取り扱う販売店をスタートさせた。
そして、1973年にはシビック1300ccでレースに出場した。これはフランスのコンペティションに参戦した第1号のシビックとなったらしい。さらに1987年、シビック1600ccでフランス・カップのグループ Aに参戦し初ポイントを獲得。翌年にはクラス優勝を成し遂げた。
「シーズンが始まった頃のマシンは快調なのですが、シーズン中盤になるとレースの後半がどうもうまく走れない。そこでタイヤを替えたら、後はトップ、トップ、トップでした!」

ドライバーとしてもメカニックとしても活躍するミッシェルさん。そうして活躍できるのも、父親のお陰だと謙虚に語る。
「私の父親が技術屋だったんです。飛行機のエンジンを製造する工場で働いていました。私がこうした道を歩んできたのも、80%は父のお陰だと考えています。そして、父親の影響というものは今、私の息子へと繋がっているのです」
そう説明されながら息子のフランクさんを紹介された。大柄な父親に対して、どちらかと言えば華奢な体つきのフランクさん。ところが、父親にも引けをとらない才能の持ち主であった。
後篇に続く

横から見ると、台形2ボックスのパッケージングがよくわかる。車長いっぱいにとったロングホイールベースも特長。マンマキシマム・メカミニマムの思想がすでに実践されていたのだ。

 
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フッタ
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