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後篇 懇親パーティ 清水和夫氏の言葉
世界に広がる、NSXオーナーの輪
NSXを愛するオーナーの方々が中心となって開催されたNSXクラブミーティング2006。長年NSX、そしてオーナーズ・ミーティングに関わってきた清水和夫氏も、いまや旧知の仲となったNSXオーナーのみなさんが自らの手でつくりあげたイベントに参加することは、ひとかたならぬ感慨があったに違いありません。ひとりのNSXオーナーとして参加しながら、走行プログラムでは今回のクラブミーティングを支えていらっしゃった清水和夫氏の、懇親パーティでの中締めの挨拶をご紹介しましょう。
「今回、このイベントのためにイギリスから来てくれたサイモンさんというオーナーがいらっしゃいます。彼はテレビゲームでもてぎの走りを練習したら20回クラッシュしたそうで、今日はドキドキしっぱなしだったそうです。みんなに迷惑かけたかな、なんて言っていましたが、そんなことはなかったです。今回、ひとりのNSXオーナーとして参加したのですが、(オーナーズ・ミーティングでの講師の)経験上みなさんの走りを見守っていましたが、一日事故がなくてよかったと思っています。今年のクラブミーティングにはイギリスの我々の友人が来てくださっていますし、皆さんが主催するこのミーティングも国際化したのかな、という気がしました。今日はみなさんいっしょに楽しく過ごせて本当によかったなと思います」
スポーツカーファンのロストワールド
「ところで最近、南アフリカに行ってきました。ヨハネスブルクから2時間、アフリカ大陸の南端に、ケープタウン、喜望峰があるんですね。そこで某スポーツカーのローンチテストドライブがありました。そのプレゼンテーションで聞いた言葉が、『このクルマのボディはアルミモノコックなのでライバルより軽い』というものでした。それは16年前、NSXが誕生したときに聞いた言葉だと思うんですけれど(笑)。今になってようやく、世界でアルミボティが量産車に使われるようになってきたわけです。NSXが登場した1990年、今より16年も前にHondaが、上原さんたちが、ものすごくチャレンジングな開発をしたんだということを、あらためて南アフリカの試乗会で感じたわけです」
「もうひとつ南アフリカの話をしますと、喜望峰周辺の道はクルマ好きの天国なんですね。ものすごいワインディングがあります。
本当に大自然の中にあるワインディングでした。ドイツのニュルブルクリンクはすごいなと思っていましたが、南アフリカのワインディングはニュルどころではないんですよ。だってガードレールがないんですよ。失敗したら崖の底に転落してしまうような場所なんです。そういうところで、スポーツカーを自在に操るのは、もちろんリスクも高いのですけれど、最後の楽園なのではないかと思えるほどエキサイティングでした。なので、自分のブログには『クルマ好きのロストワールド』と書きました」
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「NSXでは仕事柄、アメリカとかヨーロッパとかいろんなところを走りましたが、いつかは南アフリカの大地を走ってみたいなと思っていました。果たしてそのときに今日いらしている仲間を何人連れて行けるかな、と。そういうエキサイティングなワインディングで安心して助手席に乗れるドライバーが何人いるかな・・と思いながら、今日はみなさんの走りを見ていました。一日見ていて、最後のグランプリコースの走りを見てもマナーもよく、今日初めてお顔を拝見するオーナーさんもいらっしゃったのですが、素晴らしいドライビングで感銘を受けました。皆さんとでしたら、南アフリカのワインディングに行って、まだ地球には素晴らしいスポーツカーを楽しめるステージがあるんだな、と楽しんでみることにもいずれチャレンジできればと思っています。
NSXを楽しむということ
今年で、生産が開始されてから16年が経過するNSX。挨拶のしめくくりに、清水氏が、開発時の“秘話”を語ってくれました。
「1990年にNSXが誕生したわけですけれど、その少し前だったと思うんですが、実は上原さんに呼ばれて、プロトタイプに乗ったことがあるんです。真夜中12時頃、鈴鹿サーキットの西コースに連れて行かれました。その時は、暗くてクルマのスタイリングさえもわからなかったんです。そんな状況の中で、このクルマはどういうクルマなのかな?と思いながら走らせたことを今でも覚えています。時が経ってそのクルマは、今のNSXという完成型になりました。そして素晴らしいオーナーの皆さんが輪として広がり、Hondaという一自動車メーカーを超えたところで、NSXとオーナーさんとメーカーが一体感をもったイベントがいままで続けられてきている。さらに、こういうミーティングも自動車メーカーが主体となるのではなくて、オーナーさん自ら発案し、楽しい場を提供しているというのは、世界でも稀にみるものだと思います。先ほどイギリスのサイモンさんの奥さんからも、『いろんなミーティングを知っているけれど、このNSXのクラブは最高よ!』というお話がありましたが、私もそう思います。たぶん今年もオーナーズ・ミーティングが何回も行われますし、NSX fiestaも行われると思います。そして来年もおそらくこのクラブミーティングは開かれると思いますので、その時もみなさんのこのNSXが無事な姿でいることを(笑)。自分もそうなんですけれど、もし潰してしまうと新車では買えませんので、ずっと大切に乗り続けていってほしいと思います」
“スポーツカーを心から愛する”情熱の技術者によってつくられたスーパースポーツ、NSX。そして“NSXを心から愛する”オーナーたちによって開催された、今回のクラブミーティング2006。この濃密なるNSXワールドは連綿と続いていくことでしょう。
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