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2世代目CR-X
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下りのライトハンダーでも安心して踏めた。後内輪は、簡単にフルストロークしてしまうが、公道でコントロールを失う可能性はほとんどない。
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だがこの不幸な事件にもHonda側はまったく挫けていなかったようで、1987年末にはさらに強力にチューンナップされた2世代目CR-Xが私の家に届けられた。
流れるようなラインを持つボディを支えるサスペンションはすべて独立懸架に変更されていた。1.6リッター・ツインカム16バルブ・エンジンは、5馬力アップされて最高出力130馬力にまでチューンされていた。5馬力しかアップしなかったともいえるが、空力特性の向上もあって最高速度は213km/hにまで達していた。
そして何より強く感心させられたのは高速域での加速性能だった。0-100km/h加速は先代モデルに比べて0.1秒しか速くなっていないにもかかわらず、150km/hを超えてからは格段に速くなっていて、なんと静止状態からスタートして180km/hに達する時間は先代モデルより3.5秒も早くなっていたのだ!
ハンドリングも改良されてさらに良くなり、サスペンションのストロークも充分な長さに改善されていた。このCR-Xとはヨーロッパのあちこちへ何度も長旅をした。パリに急ぎの用があり、当時住んでいた南仏とパリを何度か往復したことがある。まだ今ほどフランスでスピード違反が厳しく取り締まられていない(特に夜間は)おおらかな時代で、南仏パリ間を常時6100〜6200回転に保ったまま往復したことが何度かあった。
90mmという短いピストン・ストロークのエンジンだし、ヨーロッパじゅうを駆け巡り、これだけハードに使用していれば、エンジンがいかれてしまうことがあっても不思議ではなかったが、見事に私の予想を裏切って、エンジンは故障の兆候すら見せず、完璧なコンディションのまま20000kmに及ぶ長期テストを終えてドイツHondaの担当者のもとへ戻っていった。
このエンジンを搭載したモデルも2年で役目を終え、3世代目のCR-Xが登場する。スタイリング的にはマイナー・フェイスリフトであったが、リア・スポイラーのかわりに装着されたリア・ウィングによって精悍さがさらにアップした。
加えて、フラットになったステアリング・ホイールも大いに気にいったし、ウィンドウの開閉が電動式になったのもありがたかった。しかし一番大きな変更は今回もやはりエンジンであった。3世代目CR-XにはHondaの誇るショートストロークのツインカム1.6リッターVTECエンジンが載っていて、うれしいことにタコメーターにはレヴ・リミットが8000回転のところに刻んであった。排気に触媒方式を採用しているにもかかわらず最高出力は今や150馬力にまでアップしていた。
新しいモデルがヨーロッパデビューする度に、長期テスト用に自宅に届くCR-Xは、次第に私の生活の一部となっていく。
そして次の4世代目CR-Xの時は、何か個人的な要望はあるかという打診が前もってHondaからあった。私はテスト車をできるかぎり軽くしたかったので、迷わず、『パワー・ステアリングとエアコンを取り除いてくれ』と頼んだ。そして今日までそのことを後悔したことは一度としてない。そのCR-Xが手渡されたのは、1990年にドイツで行われたプレス向けのシビックの試乗会場においてであった。黒く輝くそのCR-Xはとても美しく、走行距離はちょうど1000kmになったばかりだった。それから13年経った今も私のもとにこのクルマがあることになるとは、その時には夢にも思わなかった。 |
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