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●ポール・フレールの「Me and Honda」
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第5回「Hondas on the Suzuka circuit, 1983」



ポール&シュザンヌ・フレール夫妻。赤いチャンチャンコならぬレーシングスーツが良くお似合い。
 
 

 


シティ・ターボIIに乗り込むポール・フレール。
1983年の東京モーターショー取材のために来日した時、Honda R&Dのマネージング・ディレクターである木澤博司さんに招待されて、Hondaの栃木研究所を訪問した。テストコースでニュー・シビックの紹介、いろいろな面白いクルマの試乗など楽しい一日を過ごした2日後、鈴鹿サーキットでの試乗会にも招かれた。同じクルマでもテストコースよりサーキットでの方が楽しめるのはいうまでもない。

鈴鹿は私にとって特に想い出深く、大好きなサーキットである。1969年にはカーグラフィック誌主催のドライビングスクールで、インストラクターを18日間にわたって務めたし、その他にも多くの試乗会で幾度となく訪れている。
2年前には、HondaのVツイン・ターボエンジンのモーターサイクルにも乗った。見事に晴れわたった鈴鹿に着くと、中村良夫さんと木澤さんが出迎えてくれ、紅白のHondaカラーのレーシングスーツが手渡された(レーシングスーツの意味はその日の後半に判明する)。
Hondaがお膳立てしてくれた、ニュー・シビックの全車種と、バラード・スポーツCR-X、シティ、シティ・ターボII、そして秘密の「???」を含む何台かに試乗した。シビックはすべて1.5リッターのヨーロッパ仕様だが、84年輸出予定のシャトルだけは日本仕様であった。

シビック・シリーズの中で私が一番に驚いた車はそのシャトルだった。タクシーのような外観とは裏腹に、素晴らしい動力性能とハンドリングを持ち、優れた実用性と運転する楽しさを兼ね備えている。より低くつくられた兄弟たちよりもほんの少し大きなロールを伴うけれど、ステアリングは正確で軽快、「洗練されたFWD」という形容詞以上にアンダーステアはよく抑えられて、ハンドリングのレベルは非常に高い。その軽いアンダーステアはスロットルの操作で簡単に消すことができる。
このような優れた特性は、おそらくリアのビームアクスルによるものだろう。ネガティブキャンバーをコンスタントに保ち、ハンドリングを向上させている(後年この考えは変わった)。この車でもう一つ強調したいのは、長足の進歩を遂げたCVCCエンジンである。豊かな中速トルクを持ち、レッドゾーンがはじまる6500rpmまでたやすく、しかも有効に使える。3バルブ方式と、燃焼室形状の変更による所産だろう。

次に試したのは、4ドア・セダン(35i)と、3ドア・ハッチバック(25i)のヨーロッパ仕様85HP(DIN)である。両車とも速かったが、ハッチバックの方が、より軽い車重とより良い空力特性によってやや優った。
木澤氏によると、ボディの共振特性の違いから、4ドアではロードノイズの侵入を防ぐため、フロントサスペンションがサブフレームにゴムでマウントされているという。しかしこの事によるハンドリングの違いはごく僅かで、4ドアは直進付近のステアリングレスポンスが多少劣るといった程度である。教わらなければ気づかなかったほどの違いだ。
ペダル操作はしやすく配置され、ギアボックスは適切なギアレシオと、優れたチェンジフィーリングを持つ。5速は有効で、燃費向上に貢献するが、かなり高いレシオのために最高速は4速で得られる。
 
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フッタ
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