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●ポール・フレールの「Me and Honda」
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第2回「What is Honda? -1 - Sシリーズ、そしてF1デビュー-」


1964年初頭、鈴鹿サーキットでテスト走行に臨むRA270。排気管はニ輪車のように各気筒独立している。
 

1964年8月、ニュルブルクリンクでドイツGPにデビューしたRA271。ドライバーはロニー・バックナム。
 
 
私は今までにテストレポートを書いたすべてのクルマの性能数値を記録保存してあるが、ノートを開くたびにテストの印象がまったく記憶に残っていないクルマの多いことに我ながら驚くことがしばしばある。しかしS800は、素晴らしいエンジンと優秀なギアボックス、そして正確無比なラックアンドピニオン・ステアリングが強く印象に残り今でも鮮明に憶えている。

その800cc DOHC4気筒エンジンは、当時のヨーロッパ市場においてもっとも小さな排気量のエンジンであったが、実測数値の747kgという車重の軽さもあって、0−1km加速は34.5秒で、ベルトーネ・デザインのライバル車、アルファ・ロメオ1300GTクーペの性能に匹敵するものであった。0−100km/h加速は13.2秒を記録した。
なによりも8500回転までまわる量産スポーツカーのエンジンなど、当時は見たことも聞いたこともない。キャブレターを4基備えたそのエンジンの、非常に滑らかで心地よい吹け上がりようには度肝を抜かれたし、最新型のS2000同様、ショートストローク・ギア・シフトの操作性の良さにも魅了された。他にもダブルウイッシュボーンなど本格的メカニズムを搭載しながら、S800が予想を上回る低価格で購入できたのは驚くべき事実だった。

スポーツカーとしてこれほど贅を尽くしたメカニズムを搭載しながら、S800のヘッドライトが暗いことに唯一私は不満を抱いた。もう少し価格を上げてもいいから、ヘッドライトの性能を上げて欲しいと願ったものだ。そのため、私はテストレポートの最後に次のように記している。『ヘッドライトは大いに不満だ。日本のカメラメーカーがファーストクラスのレンズを備えたカメラでヨーロッパ市場を席巻したように、彼らも高品質のヘッドライトをつくることはできないのだろうか』
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フッタ
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