2017年3月2日

ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータがIEEEマイルストーンに認定。
銘板授与や講演会など、記念式典を開催

IEEEマイルストーンに認証され、IEEE President and CEO カレン バートルソン氏から銘板を贈呈された代表取締役社長 社長執行役員 八郷隆弘。

IEEEマイルストーンに認証され、IEEE President and CEO カレン バートルソン氏から銘板を贈呈された代表取締役社長 社長執行役員 八郷隆弘

世界初地図型自動車用ナビゲーションシステムホンダ・エレクトロ・ジャイロケータが
自動車ナビゲーションシステムの世界標準を築いたとして、認定される。

 2017年3月2日、Honda青山ビル2階において、IEEEマイルストーン認定の記念式典が開催されました。自動車ナビゲーションシステムの世界標準を築いた功績が認められ、1981年に発売した世界初地図型自動車用ナビゲーションシステム、ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータが新たに認定を受け、銘板が贈呈されました。自動車産業界では世界初の認定です。

 IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)は、電気・電子・情報・通信分野の世界最大の学会。米国に本部を置き、世界190ヵ国以上に42万人を超える会員を擁する非営利団体で、コンピュータ・バイオ・通信・電力・航空・電子等の技術分野で指導的な役割を担っています。
 IEEEマイルストーンは、電気・電子・情報・通信分野において、開発から25年以上経過し、地域社会や産業の発展に多大な貢献をしたと認められる歴史的業績を表彰。1983年の制定から2017年2月までに174件が認定を受け、表彰されました。そのなかには、TPC-1大平洋横断ケーブルシステムやフレミングの二極管など、近代化の基盤となった歴史的技術成果が含まれています。日本ではこれまで、指向性短波アンテナを皮切りに、富士山レーダーや電子式水晶腕時計、世界標準家庭用ビデオVHSの開発など29件が認定されました。

 ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータは、デジタル地図やGPS技術がまだなかった時代に、移動方向を検出するために、航空機や船舶で使われていたジャイロセンサーを世界で初めて自動車用に実用化し、走行距離センサーなどと組み合わせることで、現在位置を計算。ブラウン管の画面にセットした透過型の地図シートに、現在位置と自車が進んでいる方位、走行軌跡を表示して、経路をドライバーが容易に判断できるようにしたものです。

 

Honda青山ビル2階が会場となった

Honda青山ビル2階が会場となった

  

ブラウン管の画面に地図シートをセットして使用する、ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ

ブラウン管の画面に地図シートをセットして使用する、ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ

  

ウエルカムプラザ青山では、ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータの解説パネルを展示

ウエルカムプラザ青山では、ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータの解説パネルを展示


現在の自動車ナビゲーションだけではなく、自動運転などこれからの技術発展の礎に。

 まずは贈呈に先立ち、IEEE東京支部Chair 笹瀬巌氏がご挨拶。 日本で30番目の認定となったホンダ・エレクトロ・ジャイロケータについて、「ナビゲーションシステムの世界標準になった、IEEEマイルストーンにふさわしい業績。先人たちの歴史的偉業が世界に認められたことを喜ばしく思う。現在ではあたりまえに使っているナビゲーションシステムだが、当時は人工衛星からの電波で現在位置を測るGPSやデジタル情報を記録するためのCDが開発されていないばかりか、PCもまだ普及していないなか、非常に画期的な技術だった」と述べられました。

 IEEE President and CEO カレン バートルソン氏は、「IEEEマイルストーンは技術革新における長い歴史のなかで重要な意味を持つ ものを表彰する制度で、認定された技術は全て技術社会に大きな進歩をもたらしただけではなく、一般社会にも多大なる影響を与えたものばかり。認定は、そういった技術についてより多くの方に理解してもらい、技術者や科学者が現代の技術発展に寄与したことを国際社会に示す機会でもある。画期的な出来事である新しい技術、そして、それを支えてきた方々を表彰できるのは大変名誉なこと。ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータはテクノロジーの歴史におけるマイルストーンだけではなく、最新の輸送技術におけるマイルストーンでもある」と述べられました。

  

IEEE東京支部Chair 笹瀬巌氏

IEEE東京支部Chair 笹瀬巌氏

  

IEEE President and CEO<br>カレン バートルソン氏

IEEE President and CEO
カレン バートルソン氏



 カレン バートルソン氏から銘板を受け取った代表取締役社長 社長執行役員 八郷隆弘は、開発に携わった技術者や関係者を代表して挨拶をしました。
 「1982年に入社し、販売店で研修していたころ、苦労しながらホンダ・エレクトロ・ジャイロケータを使ったことを覚えている。当時の技術開発者たちが大きな感銘を受けたのが、アポロ計画。地球から38万キロも離れているのに、月面にピンポイントで到着できた技術が慣性航法装置であり、ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータの肝となる技術だった。この技術は、現在構築している、人と道路と自動車とを情報で結ぶことで事故や渋滞などの道路交通問題の解決を図るITSへつながる技術であり、これから新たに切り拓かれる自動運転の基盤となっている技術だと考えている。Hondaは、IEEEマイルストーン認定を糧として、自由な移動の喜びと、持続可能な豊かな社会の実現に向け、さらに大きな夢を持ち取り組みを進めて行きたい」と語りました。

 

代表取締役社長 社長執行役員 八郷隆弘

代表取締役社長 社長執行役員 八郷隆弘


より多くの方に自動車アセスメントを知っていただくために。日本を代表する情報発信の中心地、丸の内で開催された発表会。

経済産業省 製造産業局長 糟谷敏秀氏
モータリゼーションが普及し、日本に交通渋滞と事故が多発していたころ、こうした課題を解決するために世界で最初に登場したカーナビゲーションでした。今後は、自動車産業は次世代自動車や自動走行の技術開発が進み、ますますグローバル競争が激しくなるでしょう。 経済産業省は高速道路のトラック隊列走行など自動走行技術の実証事業を推進するなど、自動車産業を我が国がリードできるよう、各社の研究開発を後押ししてまいります。ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータの発明は、そうした自動走行技術の第一歩だと考えております。

 

経済産業省 製造産業局長 糟谷敏秀氏

国土交通省 自動車局次長 島雅之氏
自動車メーカーで初めての賞をHondaが受賞したことを、うれしく、そして誇らしく思います。現在は自動運転に向けて地図の精度を上げる取り組みが全世界で行なわれていますが、自動車の運転における地図の重要性に最初に着目したホンダ・エレクトロ・ジャイロケータは、まさにIEEEマイルストーンにふさわしいと感じております。国土交通省は今後、自動運転の実現に向けて、自動運転の分野で日本が世界をリードできるように国際基準のルール促進と自動運転の普及促進、社会実験、社会実装などの取り組みを加速してまいります。

 

国土交通省 自動車局次長 島雅之氏

警察庁 長官官房審議官 長谷川豊氏
ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータから発達したカーナビゲーションシステムは、収集した情報を交通事故の防止に貢献することだけではなく、災害時に通ることができる道を運転者に知らせるなど、個人ではなく社会全体に貢献しています。安全で快適な交通社会を実現するには、技術やシステム分野と実務の分野がしっかりと連携することが大切です。信号情報を活用する運転支援システムなど、Hondaの先進的な取り組みに改めて敬意を表するとともに、今後もHondaの交通を安全で円滑にするための技術開発に期待しています。

 

警察庁 長官官房審議官 長谷川豊氏



「人の生活を豊かにしたい」。今後も変わらずにその想いでチャレンジを繰り返していく。

 記念式典にともなって実施された講演会では、IEEE Japan Council History Committee Chair白川功氏が「人類の発展に寄与し、地域ひいては社会の発展に偉大な貢献をした技術を表彰するもの」と、IEEEマイルストーンについて説明。
 当時20代で開発総責任者を務めた高橋常夫氏は、「70年代、高機能・高性能をきっかけにエレクトロニクス技術が車にも進出し始め、車を動かすための情報のあり方や、新しい価値がある機能の創造について、研究者同士で活発に討論していた。ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータの開発は、2ビットから8ビットのマイクロプロセッサを使用して開始した」といった、当時の開発現場の様子や技術について解説。
 最後に、Hondaの現在のナビゲーションシステムについて株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター 京光達哉 主任研究員が説明。日本やヨーロッパでの発展の経緯を踏まえながら、「インターネットにつながることでさまざまな価値を創造するコネクティックカーにより、Hondaは安心で便利なカーライフを創造していく」と、説明。また、「人の生活を豊かにするという想いを持ってチャレンジを繰り返しており、それは今後も変わらない」と、今後に向けた想いを語りました。

 

History Committee Chair 白川功氏(左)は「IEEEマイルストーンに認定されることで、技術と功績が社会から改めて認められる」と、ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ開発総責任者の高橋常夫氏(右)に申請を強く勧めた
「チームの功績として認定されるということで申請を決めた。今日は当時の協力会社やチームのメンバーも来てくださり、とてもうれしい」と、高橋氏

IEEE Japan Council History Committee Chair 白川功氏(左)は「IEEEマイルストーンに認定されることで、技術と功績が社会から改めて認められる」と、ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ開発総責任者の高橋常夫氏(右)に申請を強く勧めた
「チームの功績として認定されるということで申請を決めた。今日は当時の協力会社やチームのメンバーも来てくださり、とてもうれしい」と、高橋氏

  

  

「技術そのものも素晴らしいが、日々の技術開発に対する努力が素晴らしかったのだと思う。それに恥じないよう、これから自分たちが何を開発するかが重要だ」と株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター 京光達哉 主任研究員

「技術そのものも素晴らしいが、日々の技術開発に対する努力が素晴らしかったのだと思う。それに恥じないよう、これから自分たちが何を開発するかが重要だ」と株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター 京光達哉 主任研究員


IEEEより贈呈された銘板とホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ
は今後、ツインリンクもてぎ内のホンダコレクションホールにて
展示される予定です。

IEEEより贈呈された銘板とホンダ・エレクトロ・ジャイロケータは今後、ツインリンクもてぎ内のホンダコレクションホールにて展示される予定です。