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「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2014」取材レポート  「Honda賞」に輝いた木更津高専 出前スカルゴに迫る! : 2002年からHondaが特別協賛を行っている「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」の全国大会が、2014年11月23日(日・祝)、東京の両国国技館で開催されました。今回のレポートでは、「Honda賞(特別賞)」に輝いた木更津工業高等専門学校にスポットを当て、ロボットが開発された背景や、ロボットづくりに情熱を燃やす高専生の想いに迫ります。なお、このレポートは前編・後編の2回に分けてお届けします。
  • 前編全国大会
  • 後編開発秘話
  • フォトギャラリー

高専ロボコン2014 全国大会 レポート今年の課題は“蕎麦屋”がモチーフの「出前迅速」

「ASIMO」も見守る、開会式の様子。「高専ロボコン」は全国高等専門学校連合会、NHK、NHKエンタープライズが主催、Hondaは特別協賛。

27回を迎えた「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」(以下、高専ロボコン)は、全国の高等専門学校の学生達(以下、高専生)が課題とルールに沿ったロボットを製作し、その成果を競う大会です。2014年の大会には、57校62キャンパスの高専生が参加。各キャンパス2チーム、計124チームのうち、地区大会で勝ち抜いた「優勝チーム」と「審査委員推奨チーム」の計25チームが、全国大会に出場しました。

Hondaは、モノづくりを通じた次世代育成支援の観点から、「発想力と独創力」を合言葉とするこのイベントに特別協賛。「Honda賞(特別賞)」(以下、「Honda賞」)を設定するほか、全国大会ではHondaのヒューマノイドロボット「ASIMO」が登場して、未来のエンジニアを応援しています。また、今年の全国大会では、パーソナルモビリティー「UNI-CAB(ユニカブ)」のパフォーマンスも披露されました。

「ロボコン大賞」と「優勝」を獲得した熊本高専(八代キャンパス)の熱戦の様子。

2014年の競技課題はロボットによる「出前」。各チームは、ゴールに蒸籠(せいろ)を運ぶ1台の出前ロボットと、3人の高専生で構成(ゴール側で蒸籠を受け取るロボットを別に用意することも可)。3つの障害物「スラローム」・「角材」・「傾斜」を越えて蒸籠を運ぶ、2チーム対戦方式の競技です。一度に出前できる蒸籠の最大枚数は30枚。3分の制限時間の間に、より多くの蒸籠を出前したチームが勝利します。

Hondaは、お蕎麦屋さんの出前などにご愛用いただいているビジネスユースのオートバイ「スーパーカブ」シリーズのメーカーでもあります。今回の課題は、そういう意味でHondaには縁のある(!?)内容です。

詳しいルール説明は高専ロボコンオフィシャルサイトをご覧ください。

接戦を制した熊本高専(八代キャンパス)が「ロボコン大賞」&「優勝」、独創的アイデアの木更津高専が「Honda賞」を受賞

1回戦から圧倒的な実力を披露したのは、熊本高等専門学校(八代キャンパス)(以下、熊本高専)の「本気(マジ)の宅配便」。その目を見張るスピードと安定感で大いに会場を沸かせました。同じく素早さと安定性を誇る旭川工業高等専門学校(以下、旭川高専)の「ベルーガ」に、決勝戦でも大差をつけて優勝。さらに、アイデア、技術、デザインにおいて総合的に優れたチームに贈られる、栄えある「ロボコン大賞」もこの熊本高専が受賞。「優勝」とのダブル受賞となりました。そして「Honda賞」は、「らせん状の車輪」という独創的な機構を採用した木更津工業高等専門学校(以下、木更津高専)に決定しました。

【左上】「ロボコン大賞」と「優勝」をダブル受賞した熊本高専の「本気(マジ)の宅配便」。モチーフは黒ヒョウ。速さと抜群の安定感が印象的。
【右上】「準優勝」の旭川高専「ベルーガ」。モチーフはシロイルカ。スピードと安定性を武器に勝ち進みましたが、惜しくも決勝では熊本高専の“黒ヒョウ”に及びませんでした。
【左下】「Honda賞」に輝いた木更津高専の「出前スカルゴ」のモチーフはカタツムリ。らせん状の車輪で障害物の角材を乗りえる独創的な機構を搭載。
【右下】らせん状の車輪は、らせんの形を利用して角材をとらえ、巻き込むようにしてまたぎ、前進していく。
コラムプレゼンテーター・インタビュー │ 失敗から相違工夫が生まれる(本田技術研究所基礎技術研究センター 上席研究員 重見聡史)

 
全国大会の「Honda賞」は、木更津工業高等専門学校に決めました。角材を越えるという課題を考えたとき、車輪を持ち上げたりジャンプさせたりというのは、比較的簡単に思いつきます。しかし、らせん状の車輪によって滑らかにクリアしようというアイデアは、なかなか発想できるものでないと評価したからです。それに加えて、車軸が回転することで方向性の自由度が高い点もポイントでした。

「ASIMO」開発の指揮をとる重見が木更津高専のチームに「Honda賞」のトロフィーを授与。

毎年変わる競技課題に対して、高専生は非常に短い期間でロボットを製作しています。いろいろなアイデアを出しては試作し、失敗を繰り返しながら課題に挑戦していることでしょう。我々も研究室では失敗を繰り返しています。しかし、目標達成に向けてチャレンジして、失敗してもあきらめずに創意工夫をし、またトライして実験する。これを繰り返すことでいいモノが生まれるのです。我々も、このトライ&エラーを繰り返し、その度に改良しています。そして、最終的に社会に受け入れていただける製品となるのです。

今回、何年かぶりに高専ロボコンに参加させてもらいましたが、近年の高専生は、生み出したアイデアを具現化する能力が高まっていると思います。この高専ロボコンでさまざまなことを学んだ若きエンジニアと、いつの日か一緒に仕事ができることを楽しみにしています!

フォトギャラリー全国大会の様子を写真でご覧いただけます。
HondaTV全国大会の様子をムービーでご覧いただけます。(HondaTV映像 約2分50秒)

「Honda賞」に輝いた木更津高専にインタビュー「高専ロボコンは機械好きな学生達の“甲子園”!

ボットづくりに情熱を燃やす高専生の素顔や、ロボットが開発された背景などを探るため、全国大会開催後に木更津工業高等専門学校を訪問。「Honda賞」に輝いた「出前スカルゴ」を手掛けたロボット研究同好会(以下、ロボ研)の活動内容や、あの独創的ならせん状の車輪はどのようにして誕生したのかなど、開発秘話に迫りました。

木更津高専のロボ研には、2014年度は約60人が在籍。機械工学科、電気電子工学科、電子制御工学科、情報工学科に通う学生によって構成されています。どのようにメンバーが集ってくるのかを聞いてみると、「毎年4月に、他の部活動とブースを並べて新入生の勧誘を行っていますので、そこで興味を持って参加する人が多くいます」とのこと。さらに、「そもそも高専ロボコンに参加したくて高専に進学してきた人も多いんです。“ロボコンマニア”みたいな(笑)」。高専ロボコンは、機械好きな中学生や高専生には、野球少年にとっての“甲子園”と同じ、憧れの舞台なのです。

【左】全国大会のステージメンバーとなった木更津高専の3人。その手には、「Honda賞」のトロフィーとらせん状の車輪が。
【右】ロボット開発に情熱を注ぐ、木更津高専ロボ研のメンバー。「出前スカルゴ」は3年生が主体となって製作。

そこは、小さな製造会社

ロボットのアイデア出しから製作まで、大勢のチームワークで「出前スカルゴ」をつくり上げました。写真は、製作中の様子。

更津高専のロボ研では、大勢のメンバーが協力し合い、分業でロボットの開発を行っています。誰が何を担当するかについては、学年と学習内容を基準に分担。「学年が上がるにつれて、より高度な技術力が必要なセクションを担当します。1年生には、上級生の指導のもと、パーツ製作などを行ってもらうことが多いです」とのこと。設計や制御回路の構築などは、普段の授業で知識と技術を身に付けた上級生が受け持ちます。

しかし、新たなロボット製作に対するアイデア出しの段階では、技術よりも発想力が必要。そこで、「今年は、“ブレーンストーミング”という集団での思考方法を使いました。全体を6人くらいのグループに分け、まず、各グループの中でとにかく自由にアイデアを出していきます。次にそれを項目ごと、つまり足まわりや蒸籠の保持技術に関するものなどに分類。そして、今度は全員でまた会議。同じよう内容は一つにしたり、別チームのアイデア同士をくっつけて新たな発想を生み出したりしながら、企画をまとめていきました」と言います。

そうやって大量に生み出されたアイデアの一つが、「Honda賞」を獲得する要因となったらせん状の車輪でした。しかもそれは、ある学生が勉強中の息抜きにとった“ちょっとした行動”がきっかけで発案されることに…!

「後編:開発秘話」では、らせん状の車輪の開発の背景や、高専生のロボットにかける熱き想いなどをお伝えします。 後編へ