お散歩気分で楽しもう!
子どもが喜ぶトレッキング

家族でトレッキングを楽しんでいる写真 家族でトレッキングを楽しんでいる写真

体験レポート01わが家のトレッキングは
散歩気分でGO!

トレッキング人気をスタート地点で実感!
朝早くからふもとの駐車場は一杯でした

今回選んだのは、都心から1時間ちょっとで出かけられる、金時山(箱根)という低い山。小さな子どもふたりを連れての初トレッキングだから、安全第一&楽しさいっぱいのフィールド選びです。

この日のスタートはふもとの神社。朝早くだというのに、満車寸前。これには菱沼ファミリーも「????」。「こんなにたくさんの人が楽しんでいるんだねぇ」と、お母さんもキョロキョロ。

脚の屈伸運動を繰り返す若いグループ…おにぎりを頬張ってエネルギーを補充している年配のご夫婦…地図を眺めてルートを確認している親子連れ…みんな楽しそう。

菱沼ファミリーも準備を終えて、神社で1日の無事を祈願。
さぁ、初めてのトレッキングに挑戦だ~!

みんなの無事を祈願してスタート!

スタート直後から子どもたちは大興奮!
舗装路にバイバイ
いよいよ山道デビューです

スタートは神社なので、ルートは舗装路から。先頭はお父さん、それを遼太郎くんが追いかけ、お母さんが香凛ちゃんの手をひいて続きました。
10分ほど歩くと、いよいよ山道に。平らだった道が少しずつ坂になって、岩や凹凸が現れると、遼太郎くんも大興奮。木々の合間に、子どもたちの笑い声が響いていきました。
そんなにはしゃいじゃって大丈夫?
お父さんがちょっと心配そうに、子どもたちは、いつの間にかお父さんを追い越して先頭へ。これにはお父さんお母さんもびっくり。
コースにはたくさんのファンが行き来しますが、みんな「おはようございます!」、「こんにちは」と声を掛け合って、とってもいい感じ。そんな中、小さなふたりはすっかり人気者になって、みんなが笑顔で応援してくれました。同じトレッキングのファンという連帯感っていいね!

人気のコースには案内板があるから安心

たくさんのトレッカーが通るので、手すりになりそうな木の枝はこんなにピカピカに…

一軒家ほどのびっくり石が転がってくる?
遼太郎くんが大喜びのビッグサプライズ!

土と小石の山道に入ると、空気もちょっとひんやり。お父さんは子どもたちの足元に注意しながら前進。でも、ふたりはあいかわらずパワー全開! よっぽど嬉しいんだね。
やがて、4人の前に現れたのは、山の斜面に止まった一軒家ほどの巨岩。その下に太い木の枝が何本か差し込まれていて、転がり落ちてこないようになっているみたい。真ん中でぱっくりとふたつに割れていて、その迫力に、香凛ちゃんはちょっと怖々。

今にも転がってきそうな巨岩に子どもたちもびっくり! 支えてる木を外したらどうなるかな?

「ほら、来てごらん」
お父さんが誘うと恐る恐る寄っていくふたり
「この木の棒をとったらどうなると思う?」
そう言いながら、お父さんはいちばん太い支えを引き抜きました。
ふたりは、思わず後ずさり。でも大岩はピクリともしません。
「だいじょ~ぶ! これはね、支えを外しても動かないの。“公時宿り石(きんときやどりいし)”っていうんだって」とタネ明かし。
これに喜んだのが遼太郎くん。僕もやってみる! と大騒ぎです。
あとで聞いてみたら、ここがいちばんの思い出になったみたい…。
男の子にはぴったりのイベントだね!

魔法のグッズで野鳥を呼んでみた
バードコールって知ってる?

50分ほど歩いたら、杉などの樹木に囲まれた2mほどの山道がぱっと開けて、すーっと気持ちいい風が通り過ぎていきました。
「ここでちょっと休もうね」
お父さんの声で、みんな岩に腰をおろして小休止。
「暑くなってきたから上着は脱いでもいいよ。汗をかくと後で身体が冷えちゃうからね」
スタートの頃は吐く息も白くてちょっと寒かったけど、日が高くなって、山道歩きで身体も温まってきたみたい。子どもたちの顔もほてってきました。

お母さんがリュックから飲み物を出してくれて…思わずうまい!
すると、お父さんがポケットから赤いカプセルのようなものを出して
「なんだと思う?」
にっこり笑って、そのつまみを回すと…。
キュルキュルキュル…。

静かな山に、鳥のさえずりのような音が響きました。
「バードコールって言うんだよ。これを上手に回すと、山の中の鳥が仲間だと思って返事をしたり、近寄ってくるんだ」
つまみを回すと摩擦で音が出て、回し方次第で音色が変わるスグレもの。
子どもたちは、夢中になって、こっちでキュルキュル、あっちでキュッキュッ…。
でも、箱根の山に鳥の声が響き渡るのはもうちょっと先みたい。なかなか諦めないふたりに「今度はウチの近くの公園でやってみようか?」とお父さんが慰めて、再び、山道に戻りました。

つまみを回すだけの鳥のさえずりのような音が…子どもたちも夢中です

バードコールの使い方を見てみよう!

監修者:
寺澤 英明
(てらさわ ひであき)

1962年生まれ。青森県三沢市出身。中学時代に接した海外のバックパッキング文化に憧れて、重量級ザックを担いで田舎で野宿をしていた。しかし詰め込みすぎたザックが重すぎて挫折。山と疎縁になるも、40歳を境に健康のための山歩きを再開。その時出会ったシンプルなウルトラライトハイキングの道具の面白さに傾倒していまい、今では山より道具な生活を送っている。ブログ「山より道具」の管理人。「ウルトラライトハイキングギア」の著者

※このコンテンツは、2012年4月の情報をもとに作成しております。