キャンプに「焚き火陣幕」は必要?
効果や上手な活用法を解説

焚き火台のそばに幕を張っているキャンプスタイルを見かけたことはないでしょうか?「焚き火陣幕」「風防」とも呼ばれる風を遮るための道具です。なんてことない幕ですが、秋キャンプでの焚き火にまつわる苦労を大幅に軽減してくれる優れもの。今回は、その効果や基本の建て方、活用法などを解説します。

更新日:2022.10.19

冷え込む日の着火に役立つ!
「焚き火陣幕」の主なメリット

日ごとに寒さが厳しくなる秋キャンプですが、焚き火のぬくもりを実感する季節でもあります。
ところがなんだか夏のキャンプよりも焚き火に手間取ることはないでしょうか。

そもそも安定して炎を上げている焚き火は“薪が空気と熱によって分解され、発生したガスに火が着いている”状態。気温が低い秋の夜は、燃焼に必要な温度に達するまでに時間がかかるのです。

また、秋は長雨の季節。水は100度以上には上がりませんから、湿気た薪ではなかなか温度が上がりません。これも焚き火に手間取る原因です。特に薪が長いと水分が抜けるまでに時間がかかり、両端から煙がモクモク出るばかり。湿気た薪は短めに切って燃やしたほうがスマートです。

結局、秋キャンプでは乾燥した薪を用意し、夏よりも焚き付けを多く使ってじっくり熱をためるしかありませんが、じっくり熱をためる手助けとなるのが焚き火台のそばに張る「焚き火陣幕」です。

「焚き火陣幕」は、①風の影響を抑え、薪が燃えはじめるのに必要な熱が蓄えやすくなること。そして、②焚き火が安定するとその熱が幕によって反射し、よりあたたかく感じること。また、③風によって火の粉が舞い、近隣のテントに穴をあけるのを防ぐなど、主に3つの点が使うメリットになります。

「焚き火陣幕」の特徴と活用法

焚き火のそばで使うものですから、熱に強い素材であることはマスト。
帆布やTC(テクニカルコットン)、ファイバーグラス生地などが用いられています。難燃素材で作られた「焚き火陣幕」はいずれもくるっと丸めて持ち運びやすいのが共通の特徴です。

基本の建て方はタープのメインポールと同じ要領です。

タープはメインポール1本に対して2本の張り綱で支えますが、「焚き火陣幕」の場合は風防本体のウイング部分と張り綱でポールを支えます。

ただし「焚き火陣幕」はタープとは違って上から抑えつける力がなく、ポールの下側(地面に接している部分)がズレやすい傾向があります。ポールのすぐそばにペグ用ループがあると安定しますが、そうでない場合は張り綱を2本に増やすか、ポールを少し埋め込むようにするなど工夫が必要です。

金属製の風防は、広げて両端をペグで固定するだけでセット完了。簡単ですが重く、かさばるのが難点です。

張り綱を使わないのでコンパクトに設営できます。大型の金属製風防であれば、耐熱生地製の「焚き火陣幕」と組み合わせて使うのも手。耐熱生地製を焚き火台の後ろ、金属製をチェアの背もたれ側にセットすれば、背中からの風も防げるので少しばかりあたたかさが増します。

ブッシュクラフターがやっているのが薪で壁を作り風を防ぐ方法で、薪を乾燥させるという役割も兼ねています。ブッシュクラフターは木で4本の杭を作ってその間に薪を並べていますが、薪を並べるためのパーツも販売されています。
杭を作るのに適した木が手に入るかは運次第のため、あらかじめ長い鉄のペグや自作の杭を用意し、「焚き火陣幕」の脇に薪の壁を作って横からの風を防ぐのも良いでしょう。

いずれの素材であっても焚き火台の1面をカバーするサイズで、できれば両脇もカバーできると効果抜群。市販の「焚き火陣幕」を選ぶ、または自作する際には少し大きめを選ぶといいですね。

「焚き火陣幕」を自作してみよう!
おしゃれでワイルドな軽量コンパクト陣幕の作り方

※このコンテンツは、2022年10月の情報をもとに作成しております。