ランタンの効果的な使い方やマントルの空焼き方法
キャンプの夜のライティング術

秋のキャンプでは、思っている以上に早く夜がやってきます。そこで今回は、秋の夜長を快適に過ごすためのライティング術をご紹介。ランタンの効果的な使い方や、慣れるまでは失敗することも多い「マントルの空焼き」のコツなどを解説します。

更新日:2017.09.06

全体を照らす大光量ランタンと
手元を照らすライトを使い分けよう

「明かりを得る」という点では、ひとりずつライトを持っていればそれでよし……なんですが、光のもとには虫が集まってきます。夏ほどではありませんが、秋だって蛾などの虫がいます。もし、自分のヘッドライトや手にしているライトに突進してきたら、あまり気持ちがいいものではありませんよね。
そこでおすすめなのが、全体を照らすライトと手元を照らすライトを使い分ける方法。

大光量のランタンでサイト全体を照らし、手元には、ヘッドライトや光量はさほどではなくても雰囲気のいい卓上電気ランタンなどを使用します。こうすることで、ある程度虫を大光量ランタンへと誘導できます。

このとき持っておきたいのが、ランタンを吊るすランタンスタンドです。タープにフックが付いているものを利用してもいいのですが、自由に移動できるスタンドがあれば好きな位置にセッティングできます。
また、タープなどのポールに取り付けるランタンハンガーは、コンパクトで収納の場所も取らないので、こちらも持っておくと便利なアイテムです。

リビング用のランタンが足りない時は、
タープをリフレクター代わりに!

ランタンをひとつしか持ってこなかったとか、他の場所に使ってしまってリビングにひとつしか設置できなかったなんて経験はありませんか? そんなときぜひ試していただきたいのが、タープの幕体をリフレクター代わりにするというテクニック。

ランタンを低めにセッティングして、タープの幕体に光が反射してタープ内全体が明るくなる位置を探し当てます。そこでランタンスタンド、もしくはハンガーを固定。これだけでタープ内全体が明るくなり、ランタンひとつでも効果的に明かりを採ることができます。
また、虫除けのための明かりは焚き火で対応できます。焚き火の明かりを少し離れたところから眺めるのも雰囲気が良くて楽しめます。

足元には張り綱を照らす明かりがあると安心!

小さな子どもがいるファミリーキャンプでは、張り綱が見えにくいと危険です。ライト内蔵のペグが販売されているので、使ってみるのもいいでしょう。

また、ティーキャンドルを使ったランタンを自作するのもおすすめ。写真のように、オレンジの身をくり抜くだけでもOK。左側のランタンシェードは、ビー玉を焚き火で熱してから一気に冷ましてクラックを入れ、グルーガンで筒状に接着しただけ。100円ショップで手に入る素材ばかりですので、昼間に家族で作ると楽しいですよ。

ヘッドライトはペットボトルで室内照明に!

電気ランタンは屋外はもちろん、テント内でも使えます。ヘッドライトやペンライトは直線的な光が特徴ですが、レジ袋をかぶせたり、水が入ったペットボトルに光を当てたりすると、ぼんやり明るく周囲を照らします。もしランタンを忘れたというときは試してみてください。

マントルの空焼きは
下から炎を近づけるのがポイント

ガスやガソリンを燃料とする燃焼式ランタンは、明るくていいのですが、キャンプをはじめたばかりの人は、マントルの空焼きがうまくできるか不安に思うでしょう。けれど、風や振動のない場所で、落ち着いて作業をすること、そして炎を下側から近づけてまんべんなく燃やすこと。この2点を守れば、ほとんど失敗することはありません。

マントルの空焼き方法

空焼き直後のマントルはもろく、振動に弱いので、空焼きをする前に十分加圧しておきます。

ランタンにあったマントルを用意し、指でシワを軽く取り除いておきます。

マントルに描かれたラインや縫い目などを参考に、左右・上下にゆがみがないように取り付けます。ひもを結ぶタイプは、余分なひも部分が触れてマントルが壊れる可能性があります。結び終わったら、結び目以外をハサミで切っておきましょう。

燃料バルブを閉じたまま、ライターの炎を下から近づけてまんべんなく燃やします。結び目のところまできれいに白い灰になったら空焼きは終了です。
この状態のマントルは非常にもろいので、動かさないよう注意!

空焼き直後はもろいマントルですが、一度燃料バルブをあけて燃焼させると強度が高まります。燃料バルブを全開にして、燃やしましょう。あとはグローブを装着すればいいだけです。

なお、割れたマントルのまま使用すると、そこからガスが噴出してグローブが白く濁ってしまいます。そのまま使い続けるとひび割れの危険も。「マントルは高価だから」とケチっていると、結局、グローブの交換が必要になったり、ケガをしてしまったりと、その代償は大きいものです。もし、空焼きに失敗したり、風の影響などでマントルが割れてしまったら、すぐに取り替えましょう。

※このコンテンツは、2017年9月の情報をもとに作成しております。