日本スラックライン界のパイオニアがコツを解説!
スラックラインで遊び隊!

更新日:2018.06.20

こいしゆうか
初心者でも楽しめるスラックラインの
コツを教えてもらいました!

こんにちは!こいしゆうかです。

今回は、キャンプ場内で子どもから大人まで気軽に楽しめると、キャンパーたちの間でも近年注目度が高まっている「スラックライン」をご紹介します。

スラックラインは、二点間に張り渡したベルト状のラインの上で、自由にパフォーマンスをする新感覚のスポーツ。専用のラインと張り渡す場所さえあれば、どこでも誰でも気軽に楽しむことができます
「所詮は綱渡りでしょ?」と侮るなかれ。綱渡りとは異なり、ただ歩くだけではなくラインの上でポーズをとったりアクロバティックにジャンプしたりと、やればやるほど夢中になる要素がいっぱい。実際にやってみると歩くだけでも難しくって、できたときの達成感も味わえちゃいます!
ちなみに、現在では世界大会が開催されるほどアクションスポーツとして世界的に人気が高まっており、しかも、2017年に開かれた大会では、なんと細江樹くんという18歳の日本人選手が世界チャンピオンになったそうです!

今回は、この細江くんが所属するチームの代表である上田寛之さんを招いて、初心者でも楽しめるスラックラインのコツを教えてもらいました。重要なのは、筋力ではなく脱力。子どもはもちろん、運動不足の方も楽しめるので、ぜひ遊んでみてください!
ちなみに、歩くだけでも体幹と集中力が鍛えられて、エクササイズとしても注目されているそうですよ。

今回教えてくれたのは

講師:上田寛之さん

エクスエイラー(スラックラインインダストリーズの日本総代理店)代表。

黎明期より普及に尽力し続ける日本スラックラインのパイオニア。食っちゃ寝のキャンプスタイルを改善すべく手ごろなアクティビティをリサーチしたところ、当時日本ではほぼ無名だったスポーツ「スラックライン」を見つけ、ドハマりしたのが競技をはじめたきっかけ。一念発起してスラックラインの輸入代理店を起業。スラックライン界ではHirobの愛称で呼ばれ、日本全国のアウトドアイベントにも引っ張りだこ。

スラックラインに必要な道具

必要な道具は、専用のテープ状のライン(スラックライン)と、樹木やラインを保護する養生用のツリープロテクター、ラインが切れた際の安全対策用の補助テープ(バックアップリーシュ)の3点。
ラインは、幅5cmで「ラチェット」と呼ばれるテンショニング機器を採用したものが主流で、最初のうちは15mほどの長さがおすすめです(写真は26mのもの)。養生用のツリープロテクターは、スラックライン用のものが市販されていますが、なければタオル等でも問題ありません。

本格的に遊びたい人は靴にもこだわってみよう!

【スラックラインに向いている靴】

【スラックラインに不向きな靴】

スラックラインに向いている靴は、ソールで決まります。キャンプではトレッキングブーツ等、ソールが凸凹したりギザギザしたシューズを履いている方が多いと思いますが、スラックラインには不向きです。ソールがラインに引っ掛かって外れなくなると、転んでしまうことがあるので注意しましょう。
本格的に遊びたい方は、運動靴かスケボー用シューズのようにフラットソールと呼ばれるタイプがおすすめです。ソールの凸凹が深くない動きやすい靴であれば、普段履いている靴でも問題ありません。地面が芝生なら裸足でトライするのもいいでしょう。

スラックラインの設置方法

1.ラインを設置する木を養生する

ラインを設置するための木を探し、養生用のツリープロテクター(またはタオルなど)を巻きつけます。
ラインを設置する木は、幹の太さが直径20cm以上のものを選びましょう。大人が手のひらをいっぱいに広げた際の、親指の先から小指の先の長さが約20cmと言われているので、それを目安に探すと良いでしょう。
最初のうちは、2本の木と木の間隔は5m程度、養生の位置(ラインを設置する高さ)はヒザより少し下くらいが好ましいです。慣れてきたら徐々に長く、高くしていきましょう。(今回の撮影では先生がいるため、高めに設置しています)

養生は、樹皮を摩擦から守ったり、ラインの劣化を軽減させることができます。これはスラックラインを楽しむ上でのマナーですので、絶対に行ってください。また、必要以上に長く張ったり、多くのラインを張ったりせず、フィールドを占領しないようにしましょう。

2.スラックラインを巻く

スラックラインを養生の上から木に巻きつけます。この時、ラインをV字に折るのがポイント。こうすることで地面と平行に設置することができます。反対側のラインも同様に巻きつけます。

3.ラインを繋いでテンションをかける

長いほうのラインをラチェットに通して2本のラインを繋いだら、テンションをかけます。手で引っ張れなくなったら、ラチェットを使ってテンションをかけていきます。

4.バックアップリーシュをつける

最後にバックアップリーシュをつけて安全対策をしましょう。これでラチェットと木を繋いでおくことで、万が一ラインが切れてしまった際、顔などに飛んでくることを防ぐことができます。

これで設置完了です。

スラックラインは第三者からは見えにくいので、キャンプで楽しむ際はガーランドで飾り付けるなど、目立つようにしておくとより安全に楽しめます。その場から離れる場合や、夜間は必ず木から外しておきましょう。

設置のポイント

木の幹の太さ:直径20cm以上
木の間隔:最初のうちは5m程度に
ラインの高さ:最初のうちはヒザ下程度に
設置する木には必ず養生をする

まず基本の片足立ちをやってみよう!

まずは基本の片足立ちをマスターしましょう。ポイントは手を万歳させて肩でバランスをとることと、ヒザを曲げること。目線は向かいの木を見るようにし、下は見ないようにしましょう。
できるようになってきたら、5秒、10秒と耐えられる時間を増やしてみてください。

先生がコツを動画で解説!

どうしても不安で、下を見ちゃう!
けど、前を見ることで重心バランスがとれた気がする。

片足立ちのポイント

目線はまっすぐ前へ
ヒザを曲げる
両手を上げて、肩でバランスをとる

次のステップ、
ラインの上を歩こう

片足立ちに慣れてきたら、足を入れ替えて少し歩いてみましょう。欲張らず靴一足分ずつ進みます。おへそを前に出すようなイメージで、向かいの木の幹と体の幹(体幹)が常に向かい合わせになるように意識しましょう。
歩き進めてラインの中心部分にくると感覚が変わります。支点付近と比べてラインが緩いのでブルブルすると思いますが、スラックラインの「スラック」とは「緩い」という意味。ここで焦らず力まず、心も体もスラックに保つことが上達のコツです。

先生がコツを動画で解説!

ただ歩くだけなのに、思ったよりも難しい!
歩けたと思ったら真ん中あたりでふわふわするから、姿勢が崩れちゃう。そこをぐっと我慢するのが、めちゃくちゃ体幹を使ってる感じがする!
これは、痩せる!?

歩くポイント

靴一足分ずつ進む
おへそを前に出すように歩く
木の幹と体の幹(体幹)が常に向かい合わせになるように意識する

これが上級者への一歩?
トリックに挑戦!!

立つ、歩く、という基本動作ができるようになったら、いよいよスラックラインの醍醐味、トリックに挑戦してみましょう。
TVなどのメディアで扱われるスラックラインのほとんどが、ラインの上でジャンプしたり回転などの技を決めていく“トリックライン”と呼ばれるフリースタイルのライディング。ライン上で見せるポーズやアクションは「トリック」と呼ばれ、今や600種類以上の技があるんですって。ちなみに、誰もメイクしていない技を開発すると、新種の生物を発見した時のように、自分でネーミングすることができるそうです。

立つ、歩くの動作はマスターしたね。
どう?意外とできるものでしょ?

確かに、最初は全然できなかったけど、教えてもらったポイントを意識したらできるようになってきた。

もっと色々な技に挑戦してみたくなったんじゃない?

歩くだけでも精一杯なのに、跳ねたり回転したりなんてすごすぎ…。わたしにはできないわー。

大丈夫!トリックは、ジャンプしたり回転したりというものだけじゃないんだ。上級者はいろいろなトリックをテンポよく繋ぎ合わせてコンボを作って遊ぶんだけど、まず一番はじめに覚えるのはしゃがむポーズなんだ。
しゃがんで片膝をラインから落とすポーズを「ドロップニー」といって、そこから前足を伸ばすことができれば、「フットプラント」という別のポーズになって、コンボが作れるよ。

へぇ。しゃがむくらいならできるかも。

まずはドロップニーから

歩いている時と同じで、木の幹と体の幹(体幹)は常に向かい合わせにするのがポイントです。
そこから前足を伸ばして

フットプラントのポーズ。

こいしも挑戦です!

ドロップニーまではできた!そこから前足をのばすのが難しい!!!

しゃがむ時に筋肉がプルプルすると、ラインもプルプルする〜。前足を出すのはできなかったけど、1つだけでもトリックができたのはうれしい!

先生がコツを動画で解説!

ドロップニーのポイント

後ろ足のかかとを立てて座る
手は上。肩でバランスをとる
腹筋を固める
体の重心をラインの真ん中に

スラックラインは
いつの間にかハマっちゃうスポーツ

立つ、歩く、しゃがむ、といった普通の動作なのに、不安定なラインの上だとなかなか難しい。でも、普通の動作な分、コツをつかむと意外とできるようになるもので、できるようになると、これがまた楽しいのなんのって!
いつの間にか夢中になっていました。

今回は初心者向けに基本を紹介しましたが、上級者になるとどんなことができるようになるのか気になりますよね。最後に、先生に大技を実演してもらいました。

大技を見てみよう!

(技の流れ)
バットバウンス→チェストバウンス→モジョタップスピン→ドロップニー→フットプラント→ダブルドロップニー

さすがに大技を繰り出せるようになるには、相当な練習が必要ですが、歩くだけでも適度な運動になりますし、ラインの高さを低くしてあげれば子どもとも一緒に楽しめます。ラインが低ければ簡単!と思われがちですが、なかなか侮れません。案外、重心の低い子どもたちのほうが上手だったりするかも!?

キャンプ最終日はスラックラインを高めに張って、シェラフやブランケットを干すのにも便利!キャンプとの相性も抜群ですね。

キャンプでスラックラインを遊ぶ際の注意事項

子どもが遊ぶときは、必ず保護者が同伴してください。
スラックラインを張れるかどうか、事前にキャンプ場に確認してから設置しましょう。
周りの迷惑にならないよう配慮しましょう。

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詳しくはこちら

今回の遊び場

道志の森キャンプ場
〒402-0223 山梨県南都留郡道志村10701
https://doshinomori.jp/

監修:上田寛之(エクスエイラー代表) https://www.exaler.com/
今回登場したクルマ:フリード

※このコンテンツは、2018年6月の情報をもとに作成しております。