至高の一杯!キャンプで
こだわりのコーヒーを飲み隊!

更新日:2018.04.18

こいしゆうか
その道20年の達人にキャンプコーヒーの
極意を教えてもらいました!

こんにちは!こいしゆうかです。

キャンプで飲むコーヒーって、なんでか本当に美味しく感じますよね。自然のなかでのんびりとコーヒーを嗜むひとときは、まさに至福の時。それをキャンプの醍醐味のひとつに挙げる方も多いと思います。

そこで今回は、そんな心休まるひとときをもっと素敵なものにすべく、キャンプ歴&カフェ歴約20年のカフェのマスターに、キャンプで飲む至高の一杯の淹れ方を伝授してもらいました!
時間がたくさんあるキャンプだからこそ、時間をかけて「一杯」にこだわる。そんなコーヒーの淹れ方をご紹介します。

今回教えてくれたのは

中軽井沢にあるカフェ「Coffee House Shaker(コーヒーハウス シェーカー)」のマスター。
キャンプ歴&カフェ歴約20年で、フライフィッシングやスノーボードなども趣味にするアウトドア人。そのカフェには全国からアウトドア好きが集まる。

時間がある時は
生豆から焚き火で焙煎してみよう!

こちらはマスターが今回、至高のコーヒーを淹れるために持ってきてくれた材料や道具たち。コーヒーの生豆に焙煎網にザル…。何でも、時間がある時は生豆から焚き火で焙煎するのがこだわりなんだとか。

焚き火で焙煎するっていう、非日常的な時間がたまらなく好きなんだ。

でも、時間がかかりそう…。

確かに時間はかかるけど、自然の中で焚き火の前に腰掛けて、豆の香りや色づきの変化を直に感じながら、少しずつ自分好みの豆に育てあげていくような感覚
最初のうちは失敗することもあるかもしれないけど、こうして一部始終を見届けてできあがったコーヒーは、自分にとって格別なものになると思うよ。

のんびり焚き火を眺めながらっていうのは、キャンプならではですね。
ちなみにマスターは、キャンプで飲むときの好みの豆ってあるんですか?

キャンプでは酸味があるものよりも、グアテマラとかビターなものを飲むことが多いかな。

焙煎で使うもの以外の道具はこちら。ハンディタイプのミルをはじめ、ケトルやドリッパー(3つ穴式)、紙フィルター、軽量カップなど、コーヒー好きにはおなじみのアイテムです。変わり種としては、ケトルとは別で先が細いドリップ用のポットがあること。
これは、キャンプで美味しいコーヒーを淹れるためのちょっとした裏技に使うのですが、それは後でのお楽しみ!コーヒーの淹れ方のところでご紹介します。

焚き火で焙煎のやり方

コーヒーは、焙煎の時間によって味わいが変わります。今回はビターな味わいが楽しめる深煎りの方法をご紹介。洗う工程も含めると、焙煎作業にかかる時間は約40分。焚き火を眺めながら、のんびりと豆が変わっていく様を楽しみましょう。

1.生豆を水に浸して洗う

汚れを落としながら、豆の表面にある薄皮をふやけさせて取っていきます。豆の表面に薄皮がついていると焙煎のときに爆ぜて飛び散るので、ここでできるだけ取っておくことで飛び散るのを少量に抑えることができます。
お米を研ぐようにして、水に汚れが浮いてこなくなるまで2、3度洗いましょう。

2.ザルに入れて豆の水を切る

季節や気温によって変わりますが、キッチンペーパーなどで拭いた後、10分程度乾かします。表面を触って水気を感じなくなればOKです。

3.焙煎

豆を焙煎網に移し、焚き火台へ。火の上に手をかざして、ずっと手をかざしていられる位置を探し、その高さから豆を煎ります。

できるだけ遠火でじっくり煎ります。網を水平に保ちながら、焼きムラができないように網を軽く振り続けましょう。

焙煎網の蓋は開けたままにするのがポイント。こうすることで、雑味の原因になる豆の周りについている薄皮を飛ばすことができます。
自宅だと薄皮が飛び散ったら部屋が汚れて困りますが、キャンプなら気にすることなく美味しさを追求できますね。

4.爆ぜ(1回目)

だんだん豆の色が濃くなりオレンジ色になったら、パチパチと音が鳴ります。この音が鳴り続くように、5分ほど火にかけたり離したりを繰り返した後、一度火から遠ざけて1~2分休ませます。

5. 爆ぜ(2回目)

煎り始めてから20分ほど経つ(1回目の爆ぜ後の休憩を含む)と、今度はチリチリとした音が鳴ります。このときに豆から煙が出るくらいであればOK。もし、チリチリとした音がする前に煙が出てしまったら火が強すぎるサインなので、遠火にしてあげましょう。

6. 深煎り

2回目の爆ぜを経過した時点で、一般的なレギュラーコーヒー程度の味わい。ここからさらに焙煎すると、深煎りの豆になり深みのあるビターな味になります。お好みに合わせて焙煎を続けましょう。豆の色に注目して、自分の好みを見つけてみるのもいいですね。

7. 冷ます

ザルに移し替え、よく冷ましたら完成です。

香ばしくていい香り~。

焙煎をした豆は水分が約20%抜けて、ちょっとかじってみるとカリカリになっています(煎りたては熱いので十分冷ましてから)。
あとは豆を挽いたら、いよいよ抽出。自分が焙煎から育てた豆のコーヒーは、格別なこと間違いなし!

2回の蒸らしで旨さアップ!
美味しいドリップコーヒーの淹れ方

コーヒーの淹れ方は、パーコレーターやフレンチプレスなどいろいろな種類がありますが、マスターがキャンプで一番よく淹れるのはドリップ式。ドリッパーの形によっても淹れ方が変わるそうなのですが、今回は3つ穴式のドリッパーで美味しく淹れる方法を教えてもらいました。途中で豆を蒸らすことで、コーヒーの味がグッと変わるんですって!

1.豆を挽く

細かく挽きすぎると雑味が出てしまい、荒すぎると旨味が出にくくなるため、マスターの一番のおすすめはバランスのいい中粗挽き。ミルを中粗挽きに設定し、豆を挽きます。

豆の量は200ccのカップで4杯分取る場合、60gほどに。

2.お湯の温度を調整する

みなさん、道具の紹介のところで裏技に使うと言った「ポット」を覚えていますか?いよいよその出番です。

お湯が沸騰したら、ケトルから先が細いドリップ用のポットに入れ替えます。こうすることによって、お湯の温度をコーヒーの抽出に適した90℃程度まで下げることができるんですって!
沸騰したお湯のままだと豆の苦みが出てしまうので、コーヒーの抽出には90℃くらいが適温。この温度調整が、計らずにできちゃうんです!わざわざ持ってきたポットには、お湯を入れやすくすることに加え、こんな役割もあったんですね。

3.紙フィルターに豆をセット

紙フィルターをセットし、豆を入れて均等にならします。そして、センターにちょこっと指で穴をあけます。これはお湯を入れる際の目印としてだけでなく、窪ませることによって豆にお湯を染み込みやすくする効果もあります。

ステンレスなどの金属フィルターだと油分が吸収されないため濃い味になります。スッキリとした飲み心地が好みなら、紙フィルターがおすすめです。

4.ドリップ1投目

中心から外に向かって、ぐるっと2回「の」の字を書くようにお湯を入れます。「の」の字を書くようにするのは、こうすることで豆全体を均一に蒸らすことができるため。この際、フィルターにお湯をかけてしまうとそこからお湯が落ちてしまうので、フィルターには触れないよう注意。外側はフィルターの1cmほど手前でストップしておきましょう。

外までいったら、今度は中に向かってぐるっと2周回しながらお湯を入れます。お湯の量は、お湯が下に落ちるか落ちないかくらいが目安。入れすぎないように注意しましょう。

5.蒸らし(1回目)

一旦お湯を入れるのをストップして40秒~45秒くらい蒸らします。こうすることで味が出やすくなります。

コーヒーは、一気にお湯を入れても旨味を完全に抽出することはできません。重要なのはこの蒸らしの工程。豆を蒸らしながら、ゆっくりと抽出するのが美味しく淹れるポイントです

5.ドリップ2投目

また中から外へ2周、外から中へ2周、ぐるっとお湯を入れます。このときフィルターから、一番搾りの旨味が出ます。

6.蒸らし(2回目)

15秒~20秒くらい待ちます。

7.ドリップ3投目

最後は、目的の量までとる作業です。注ぐ量と下から落ちてくる量が均一になるようなペースで、また中から外、外から中とお湯を注ぐのを繰り返します。

目的の量がとれたら、すぐさまドリップを外しましょう。膨らんだ豆が潰れる前に外さないと、最後にフィルターに残った雑味がコーヒーに入ってしまうのでご注意を。

紹介した蒸らしの時間は目安と考えてください。2投目、3投目を入れるタイミングは、お湯を入れて豆が膨らみ切る寸前がベスト。膨らんでいる時間は湿度や豆の焙煎の仕方によっても変わるので、よく観察して見極めてあげてください。

のんびり過ごせるキャンプだからこそ
手間をかけてこだわりの一杯を!

準備から含めて約1時間。できあがったコーヒーを早速いただきます!

!!!
香りがとても良くて、飲み口もスッキリしてる。これ、アイスコーヒーにしても美味しいかも。

本当に美味しいコーヒーは、冷めても美味しいんだよ。

わたしも教えてもらった通りに淹れてみたけど、やっぱりマスターが淹れたのとは味が違うね。 淹れ方って重要なんだね。

自然の中だと余計に違いが出るかもね。
湿度が変わるから、毎回微妙にお湯を入れるタイミングが変わってくるんだ。コーヒーは、同じコーヒーでも淹れる人によって味が変わる繊細な飲み物。だから一回一回丁寧に集中して淹れるんだ。その難しさやライブ感が、コーヒーを約20年間淹れ続けていても飽きないんだよねぇ。

20年でも!?
奥が深すぎる…。

でも、マスターが最初に言っていたことはわかった気がする。手間をかけた分だけ、わたしにとっては格別!

そうでしょ。味ももちろん大事だけど、やっぱりキャンプでは、コーヒーを淹れる工程とその間に流れるゆったりとした時間も楽しんで欲しいな。朝起きて、鳥のさえずりを聞きながら淹れるコーヒーなんて、本当に最高だから!

淹れて蒸らして、また淹れて、焦らずにじっくりと抽出することで美味しくなるコーヒーは、のんびり過ごすキャンプにぴったりの飲み物なのかも!みなさんも時間がある時は、ぜひ手間をかけて至高の一杯を淹れてみてください。きっと素敵なひとときを過ごせると思います!

キャンプで美味しいドリップコーヒーを
淹れる方法まとめ

豆は中粗挽き
沸騰したお湯を別のポットに入れ替える
ドリップ中、2回蒸らしを入れる
入れきったら、お湯が落ちきる前にすぐにドリップを外す

監修:Coffee House Shaker(コーヒーハウス シェーカー)
※各工程で紹介している所要時間は目安です。気温や湿度等により前後する場合があります。

今回の遊び場

赤城山オートキャンプ場
〒371-0247 群馬県前橋市三夜沢町425-1
https://autocamp-akagi.com/

※このコンテンツは、2018年4月の情報をもとに作成しております。