スミナガシ

学 名
Dichorragia nesimachus
分 類
チョウ目タテハチョウ科
スミナガシ属
似たような種類
オオムラサキ、ゴマダラチョウなど。
見つかる場所は?
低地から丘陵地の雑木林。
分布
本州、四国、九州、南西諸島。
大きさ
前翅長(ぜんしちょう)は32~44mmで、メスのほうがやや大きい。
開長(かいちょう)55~65mm。

チョウの仲間の大きさについて

前翅長は、前翅の付け根から一番遠い所までの長さ。開長は開きぐあいによって変わるため、測りにくい

見られる時期
5~8月。
生活史
年2回発生。蛹(サナギ)で越冬するのが一般的だが、九州南端部以南は回数が増え、幼虫で越冬することもある。
エサ
成虫は樹液や熟した果実、動物のフンなどの汁を吸う。幼虫はアワブキ、ミヤマハハソ、ヤマビワ、ナンバンアワブキ、ヤンバルアワブキを食樹とする。
特徴
森林性のチョウで、成虫の翅は黒地に青緑色を帯びた独特の模様をしている。翅の模様が、昔の宮中などで行なわれた遊びの一種で、流水中に墨を流してその模様の変化を見て楽しむ「墨流し」に由来する。
その他
日本では、スギ、ヒノキなどの植林や管理放棄によって雑木林が減少し、それに伴ってスミナガシも個体数を減らしている。千葉県では絶滅危惧 I類に指定されている。

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)