オオカマキリ

学 名
Tenodera aridifolia
分 類
カマキリ目カマキリ科
Tenodera属
似たような種類
本種よりもやや小ぶりのチョウセンカマキリ、さらに小さなコカマキリなど。
見つかる場所は?
草地、田畑など。
分布
本州、四国、九州。
大きさ
日本最大のカマキリ。体長はオス68~92mm、メス77~105mm。
見られる時期
幼虫は5~8月、成虫は7月下旬から10月ごろまで。
生活史
4月ごろに卵のう(卵鞘)と呼ばれる卵の塊から、200個体ほどの幼虫がいっせいに孵化する。幼虫は6、7回脱皮を経て7月に成虫になる。オスはメスと交尾の際に、メスに捕食されることもある。メスは秋に卵のうを小枝などに産みつける。卵のうに包まれた卵は寒さや乾燥に耐えることができる。
エサ
鎌状の前脚で、おもに昆虫を捕獲してかじって食べる。体のサイズに合わせて捕食するエサを変える。成虫になるとセミやチョウ、バッタ、ハエなどを待ち伏せて捕獲する。
特徴
体色は緑色型と褐色型が知られる。チョウセンカマキリやウスバカマキリとよく似ているが、後翅(こうし:後ろのはね)の付け根を中心とした大部分が暗紫褐色なので区別できる。川原や林縁の草むらに生息する。南方へ行くほど大型化する傾向が強く、北海道産は小型で100mmに達することは少ないが、九州産の個体は大きい。オスでもメスに負けない体長と大きさになることがある。
その他
約200個体の幼虫が孵化するが、野外環境では共食いや、トカゲやイタチなどの天敵により捕食されるため、ほとんどは死んでしまう。無事に成虫になれるのは2、3個体である。カマキリが産卵する高さによって冬の降雪量を予測できるとの説があるが、真偽のほどは不明である。
  • オオカマキリの卵のう。この状態で冬を越す

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)