オニヤンマ

学 名
Anotogaster sieboldii
分 類
トンボ目オニヤンマ科
オニヤンマ属
似たような種類
コオニヤンマ、ダビドサナエなど似たような模様のトンボがいるが、その大きさから区別可能である。
見つかる場所は?
森林や林縁部の小川や湿地の近くや林道、時には住宅地を旋回することもある。幼虫は大きな河川よりも、支流や水田近辺の水路にいて、水底の泥の中に潜んでいる。
分布
北海道~西表島。
大きさ
日本最大のトンボ。頭部から腹の先端までは90~110mm。メスはオスより大きい。
見られる時期
成虫は6~9月に出現するが、幼虫は山間のきれいな小川で一年中見ることができる。
生活史
オスのナワバリにメスが入ってくると、オスがメスを捕まえて交尾を行なう。交尾後、メスは小川や水路など水際ぎりぎりの浅い水底の柔らかい泥や砂の中に産卵する。産卵から1ヵ月ほどで孵化する。約10回の脱皮を経て、3~5年かけて成長する。夏の夜、泥をかぶった幼虫は羽化をするために水面上の石や杭などに姿を現わす。写真は羽化後、体が固まるのを待っている個体である。成虫の寿命は1、2ヵ月。
エサ
成虫はガ、ハエ、アブ、ハチなどを空中で捕食する。幼虫は水中のミジンコ、昆虫、小魚などを捕食する。成虫は大アゴの力が強く、咬まれると痛いので注意が必要である。
特徴
オニヤンマとは、鬼のような怖そうな顔と、体の黒と黄色の模様が鬼のつけるふんどしを思わせるからだといわれている。
その他
東京都では絶滅危惧II類に分類されている。

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)