ニイニイゼミ

学 名
Platypleura kaempferi
分 類
カメムシ目セミ科
ニイニイゼミ属
似たような種類
ニイニイゼミの近縁種5種はすべて南西諸島の島しょ部に分布する。
見つかる場所は?
都市部から平地の森林に生息する。都市部の緑地などでも見られるが、幼虫が生存するには湿気を多く含んだ土壌が必要で、乾燥する公園などでは数が少ない。サクラに止まっているのをよく見かける。
分布
北海道、九州、四国、九州、対馬。
大きさ
体長20~24mm。翅(はね)を含めると32~38mm。
見られる時期
6月下旬から9月上旬にかけて成虫が見られる。
生活史
成虫は梅雨の最中の6月下旬ごろから発生し、ほかのセミより早く鳴き始める。8月には少なくなり、9月にはあまり見られなくなる。卵は枯れ木になどに産みつけられ、約40日で孵化する。幼虫は土中で3年程度すごす。1世代は約4年といわれている。
エサ
成虫・幼虫ともに口吻(こうふん:とがったストローのような口)を突き刺して、木の汁を吸う。サクラ、ミカン類、ビワなどを好む。
特徴
頭部と前胸部の地色は灰褐色、後胸部と腹部は黒い。ニイニイゼミの抜け殻は全身に泥をかぶっているので、ほかのセミの抜け殻と容易に区別がつく。また、成虫は他種に比べて木の幹や根元などの低い場所に多い。オスは「チー……ジー……」と繰り返し鳴く。

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)