雪中キャンプで暖かく眠るには?
寝室の作り方、
寝るときの防寒対策

雪上のテントで眠るなんて、とても寒そうに思えるかもしれません。でも、地面からの冷えさえ防げば、実はずいぶん暖かく眠れるんです。そこで今回は、地面からの冷えを大幅に軽減できる寝室の作り方を解説。眠る際の服装の注意事項や寝袋の効果的な使い方もご紹介します。

更新日:2018.01.26

コット+マットで
地面の冷えを大幅に軽減

キャンプで寒くて眠れない原因は、「寝袋の対応温度が合っていない」「マットが薄くて背中が寒い」「結露で足下が濡れて、冷えてしまった」などが挙げられます。
適した寝袋を使用するのは大前提。加えてコットとマットで地面からの冷えに対処しましょう。

寝袋のポイント

寝袋のカタログには「快適睡眠温度」が記載されています。快適睡眠温度とは、その寝袋を使ったとき、多くの人が寒さを感じることなくリラックスして睡眠できる温度のこと。天候によりますが、雪中キャンプの場合は「快適使用温度-5℃」は確保したいところです。

寒がりの人は、夏用寝袋と組み合わせたり、ダウンブランケットを中に入れたりして対策。ウールのブランケットの場合は、中に入れると中綿を温めにくいので寝袋の上に掛けたり、敷いたりします。

余った封筒型寝袋があれば、マミー型寝袋を封筒型寝袋の中に入れると、窮屈感もなく保温力をアップできます。

地面からの冷え対策

冷気を遮断して暖かく過ごすためには、空気の層を確保することが重要です。ところが、暖かな寝袋でも体重によって背中側のダウンはつぶれ、空気の層が薄くなってしまいます。ただでさえ背中が冷えやすい状態になっていますから、マットが薄ければなおさら冷えてしまいます。
そこで、背中側は何層にもマットを重ねて防寒対策を行います。

インナーテントの下には防水シートを敷き、溶けた雪によるインナーテントの濡れを防ぎます。インナーテントと防水シートの間に雪が入りこまないように、防水シートはインナーテントからはみ出さないように調整しましょう。

テントの中には、まず夏キャンプで使うテントインナーシートを敷き、その上に封筒型寝袋を広げて敷き詰めます

さらに、ブランケットを敷いてクッション性と保温性をプラス。これで、テント内を歩いたときの冷えも和らぎます。

コットを使えば、地面の冷えをダイレクトに感じずに済みます。コットの上にそのまま寝袋を敷くと通気性がよくスースーとするので、スリーピングマットを置くことを忘れずに。

テントによっては、コットを人数分並べられない場合もあります。そんなときは、保温性の高いマットを敷きます。コットよりも背中に寒さを感じやすいので、ブランケットを1枚多く用意しておくと安心です。

コット同様、ハンモックも地面からの冷えを感じません。テントではハンモックを使えないのでタープですっぽり覆うテクニックが必要ですが、下部にブランケットを装着すれば、空気の層に包まれるので雪の中でも眠れます。

寝るときはアウターウエアを脱ぎ
ゆったりしたウエアで

せっかく適した寝袋とコットを使っても、防寒のつもりでレインウエアなど防風性・防水性が高く、熱を遮断してしまうアウタージャケットやパンツを着たままでは、寝袋の中綿を体温で温められません。眠るときはインナーダウンやフリースなど、空気をため込むゆったりとしたウエアがベストで、靴下も締め付けないものを着用します。肩口をマフラーやタオルでカバーすれば、冷気が入りにくくて防寒に効果があります。
また、子どもや小柄な人は、大きすぎる寝袋だと足下が冷たく感じる場合があるので、足下にフリースやダウンのブランケットなどを詰めてサイズを合わせておきましょう。

寝袋に入る前に、あらかじめ湯たんぽを突っ込んでおき、温めておくと潜り込んだときの「ヒヤッ」を軽減できます。

温度差と呼気によって、テント内部に生じる結露。テントに触れると寝袋が濡れ、冷えの原因になります。ベンチレーターを使って結露を軽減させるほか、防水透湿性にすぐれたシュラフカバーを使えば寝袋の濡れを予防できます。

※このコンテンツは、2018年1月の情報をもとに作成しております。