焚き火の薪の組み方を解説!
4つの組み方と上手な使い分け方

焚き火の炎の勢いをコントロールするポイントは、薪の組み方にあります。炎の特性を理解して、シーンに合わせて適切な薪の組み方を選びましょう。

更新日:2017.03.13

薪を熱することで安定した火に

気温が低い日の焚き火で、着火に苦労した経験はありませんか?
これは、薪の温度に原因があります。焚き火の炎が安定するまでの仕組みは、燃えやすい焚きつけ(小枝や松ぼっくりなど)が薪を熱し、ある程度まで熱すると薪からガスが出ます。そして、このガスにより炎は安定していきます。
気温が低い日は、ガスが出るまで薪を熱するのに時間がかかるため、大量の焚きつけが必要となるのです。着火に苦労している人は、焚きつけの量が少ない、薪が熱せられる前にいじったり、空気を送ったりして温度を下げてしまうなどが考えられます。

なお、勢いが良い焚き火も、薪を1本だけ取り除き、別の焚き火台に移すと、次第に火力が弱まり、立ち消えすることがあります。これは、燃えていない部分を暖められず、ガスを発生できないためです。

燃焼に必要な空気と熱ですが、寒い日の着火は、いかに熱のロスを減らすかを考えた方がいいでしょう。なお、しめった薪は、薪の水分が乾く際に熱が奪われます。寒い日はいっそう時間がかかるので、できるだけ乾いた薪を手に入れましょう。

写真は、太い薪に火がつき始めた焚き火。焚きつけが集中しているところがよく燃えています。そして、この炎は薪や小枝を伝って上へと上っていることもわかります。つまり、薪を集中させると火力が強くなり、薪を高く組むほど炎が高くなるというわけです。

よく使われる薪の組み方は4種類

焚き火が燃える仕組みがわかると、薪の組み方とどんなシーンに向いているかがわかるようになります。代表的な薪の組み方は4種類です。これらを参考にして、シーンに合わせて薪の組み方を使い分けましょう。

井桁(いげた)型

キャンプファイヤーで用いられる井桁型。煙突のようになっているため、上昇気流が生まれて勢いのある炎が生まれます。勢いがある分、すぐに燃え尽きるので、エンターテインメント向きの焚き火といえます。暖かく、明るいのですが、調理向きではありません。

合掌型・閉じ傘

井桁型同様、勢いの良い炎を得られるのが、合掌型・閉じ傘です。傘を閉じたような形で、炎は中央に集中します。こちらもエンターテインメント向きの焚き火で、燃焼時間は短く、炎のコントロールをしづらいので調理向きではありません。

合掌型・開き傘

合掌型・閉じ傘に似ていますが、高さを抑えて傘が開いたような形にした合掌型・開き傘。高さが抑えられているので、炎は小さめで長時間焚き火を楽しめます。適度に薪を中心部に向かって押しやる必要があるので、焚き火を囲んでじっくり話をするようなシーンに似合います。写真のように薪を5本程度に抑えたものをインディアン型と呼び、こちらは調理にも向いています。

並列型

枕木の上に、並列~放射状になるよう低く薪を並べた組み方は、炎の調節をしやすい調理向き。また長時間火を楽しんで暖をとるのにも向いているので万能型といえるでしょう。ディスク型焚き火台の上なので、高さを抑えるために枕木を細めにしていますが、本来は太めの枕木を使用します。

※このコンテンツは、2017年3月の情報をもとに作成しております。