冬のキャンプで寝袋に入って仰向けに寝ると、おなか側はさほど寒さを感じませんが、時間がたつほどに背中や腰が冷たいと感じます。これは、地面の冷えからくるもの。暖かく眠るには、外気よりも、この地面から伝わる冷えをどう解消するかがポイント。おすすめの解消法や寝具について解説します。
更新日:2017.02.15
もっともスタンダードな方法は、断熱効果が期待できるシートを敷き、その上にテントを立てること。これで地面の冷えをテント内に伝えにくくします。
さらに、内部にはフロア全体に厚めのマットとブランケットを敷き詰めます。ブランケットがなければ、広げた封筒型寝袋でも大丈夫。要は、夏のキャンプよりもブランケットなどで空気の層を増やしてあげるのです。
シート
テント専用のグラウンドシートでも良いですし、なければ厚めのレジャーシートでもOK。写真は、裏面が断熱素材となっているエマージェンシー用シートです。これをテントの下に敷いておきます。このとき、テントよりシートが大きいと、雪や雨がテントとシートの間にたまってしまいます。テントのフロアよりも小さくなるよう調節しましょう。
マット・ブランケット・パーソナルマット
テント内はマット+ブランケット(広げた封筒型寝袋でもOK)を2〜3枚重ねる+パーソナルマットで冷え対策を行います。
コット
コットは背中の下に空気が通るので寒いイメージがありますが、地面の冷えがダイレクトに背中に届きません。そのため、パーソナルマットと併用することで暖かく眠ることができます。写真はわかりやすくコットのフレームを見せていますが、フレームを覆うようにマットを載せるとフレームの冷たさを感じにくくなります。
一般に厚めのクローズドセル・マットが保温力良好です。もし不安ならマットを2枚重ねにしましょう。
クローズドセル・マット
広げるだけでOKのクローズドセル・マット。表面にアルミ蒸着処理を施したタイプは、身体から出る熱を反射して、でこぼこした空間に熱を閉じ込めてくれるため、保温性が高くおすすめです。インフレーターマットよりも収納時にはかさばりますが、パンクの心配がないので、冬キャンプでは非常に安心です。
インフレーターマット
空気を入れて膨らませるインフレータータイプのマットは、柔らかな寝心地ですが、パンクのリスクや、内部の空気の対流により寒く感じるものがあるので注意しましょう。また、膝をつくなど、一部に体重をかけると底について冷たさを感じる場合も。近年は、内部に熱反射板を入れたり、底つきしにくい構造になっているものがあります。コンパクトに収納したい方や柔らかな寝心地を求める方は、そういったタイプを選ぶと良いでしょう。
寝袋は、キャンプ場のある地域の最低気温を参考に、寝袋の「快適睡眠温度」「快適使用温度」が、最低気温を下回っているものを用意しましょう(例:最低気温が-5℃の地域なら、快適睡眠温度が-10℃や-15℃の寝袋を用意)。
なお、寒さの感じ方は筋肉量などによって異なります。寒がりを自覚しているなら、余裕をもたせるほうが安心。または、寝袋カバーや寝袋とブランケットを併用して対応してもいいでしょう。
寝袋カバー
寝袋カバーを併用すると保温力アップ。寝袋カバーは防水透湿性をもつ素材であることが多く、雪や雨が寝袋に付着しづらくなるのもメリットです。
睡眠時の服装は、ダウンや化繊綿を封入した薄手のウエアが保温力アップに効果的。なお、防水性や防風性のあるアウタージャケットは、寝袋の中綿を体温で暖めることができず、とても寒く感じるのでやめましょう。
※このコンテンツは、2017年2月の情報をもとに作成しております。