ニュースリリース

2014年05月21日ニュースリリース

2020年の未来の暮らしを具現化したスマートハウスをさいたま市に建設

〜実用化に向けた実証実験を3社合同で開始〜

SEKISUI HOUSE

TOSHIBA

HONDA

積水ハウス株式会社
株式会社東芝
本田技研工業株式会社

 積水ハウス株式会社(本社:大阪市北区 社長:阿部 俊則 以下、積水ハウス)、株式会社 東芝(本社:東京都港区 社長:田中 久雄 以下、東芝)、本田技研工業株式会社(本社:東京都港区 社長:伊東 孝紳 以下、Honda)の3社は、さいたま市に新たに実証実験ハウスを建設し、ITやパーソナルモビリティーなどの技術と、家庭、モビリティー、地域のエネルギー需給を総合的にコントロールするエネルギーマネジメント技術を取り入れた、先進の暮らしの検証を開始しました。

 この実証実験ハウスは実際に人が居住できる二世帯住宅になっており、例えば昼間外出している子世帯での太陽光発電の余剰電力を親世帯で使うなど、各世帯で生み出した電気やお湯の世帯間での相互供給が可能となっています。また、ケーブルを接続せずに電気自動車(以下、EV)への充電を行う非接触充電、EVに蓄電された電力の家・コミュニティーへの供給、パーソナルモビリティーを使いやすくした住空間づくりといった新たな試みを通じて、未来の暮らしを支える技術をリアルな環境で磨いていきます。

 3社はこれまでも、人々がより安全で安心できる、より快適で便利な、そしてもっと楽しくなる未来の暮らしの実現を目指し、スマートコミュニティーへの取り組みを積極的に推進してきました。
 積水ハウスは、「SLOW & SMART」をブランドビジョンとし、先進の技術で快適で豊かな暮らしを実現するための取り組みを推進しています。2020年のネット・ゼロ・エネルギー住宅の普及を先取りし、創エネと省エネを住まいに取り入れ、家庭内のエネルギーをHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)で最適に制御するスマートハウス「グリーンファースト ゼロ」を提供しています。
 東芝は、エネルギーの安定供給と快適で効率的な生活・住空間づくりにむけて、エネルギー機器、スマート家電、クラウドサービスを組み合わせたソリューションにより、家庭向けの商品提供からコミュニティーレベルのデマンドレスポンス※1実証まで、家庭と地域をつなげる取り組みを行っています。
 Hondaは、「自由な移動の喜び」と「豊かで持続可能な社会」の実現に向けて、2012年4月に同地に実証実験ハウスを2棟建設、2014年3月には米国でもHondaスマートホームUSを公開し、エネルギーの「家産・家消」を実現するエネルギーマネジメント技術や、将来のパーソナルモビリティーのあり方を検証しています。
 3社は、2013年11月には、東京モーターショー内の「SMART MOBILITY CITY 2013」に出展し、住まいと家電とクルマがつながる未来の暮らしを、業界を超えた協業で提案しました。

 今回3社は、生涯にわたって豊かに過ごせる暮らし、モビリティーを含めた暮らしのCO2排出量をゼロとする2020年の暮らしを想定し、実際に人が住める戸建て二世帯住宅で、それを具現化しました。未来の暮らしを実現する技術の確立と実用化を目指し、この実証実験ハウスを活用したさまざまな検証を行っていきます。

  • ※1需要者側が需要量を変動させて電力の需給バランスを一致させること
実証実験ハウス

実証実験ハウス

実証実験の主な内容

未来の「SLOW & SMART」

クルマが家の中まで入る空間づくり、ロボティクスの活用に対応した室内レイアウト、ベランダまで含めた完全フラット床、窓やドア・ブラインドの自動開閉化など、安全で快適な暮らしを支える技術を導入し、家とモビリティーの親和性や一生涯暮らすための家づくりについて検証します。

μCEMS※2による世帯間での電力・熱の融通

μCEMSによって、家一軒だけでなくコミュニティー単位での最適なエネルギー需給管理を行います。二世帯住宅である当実証実験ハウスでは、親世帯、子世帯で生んだ電気を、各世帯の需要に応じて相互に供給し合ったり、電力ピーク時に電気の使用抑制を促すデマンドレスポンスを活用し、省エネ効果を検証します。

  • ※2μCEMS:Micro Community Energy Management Systemの略で、地域などのコミュニティー単位でエネルギー管理を行うエネルギーマネジメントシステム

進化したV2H(Vehicle to Home)

系統連系することで、家庭内だけでなくコミュニティーに電力を供給できるV2Hのシステムを導入しています。家庭用の非常時電源としだけではなく、平時の電力のピークシフトやピークカットも視野に入れた地域の電力源として、電動モビリティーの価値を検証します。

非接触充電と自動駐車

敷地内に停車した「フィットEV」を、非接触充電機器を設置した車庫に自動運転で精度よく駐車できるシステムを導入しています。家庭での利用における利便性や普及に向けた課題などを検証します。

その他の主な導入機器・技術

壁面緑化(積水ハウス)
スマートメーター(東芝)
エネグーン PV連系リチウム電池(東芝)
スマート家電HEMS FEMINITY(東芝)
84インチ4Kテレビ(東芝)
Hondaスマートホームシステム(Honda)
超小型EV「MC-β」によるV2H(Honda)
音声認識技術によるHEMS制御(Honda)
Honda Robotics(Honda)など

    住まいの先進技術によって安全で快適なくらしを家づくりから支える積水ハウス、エネルギーの安定供給と快適で効率的な生活・住空間づくりでスマートコミュニティーの実現に取り組む東芝、次世代モビリティーによって移動の喜びを提供し続けるHondaの3社は、これからも業界を超えて連携し、より安心・安全・快適・便利・FUNな未来の生活を提案していきます。

積水ハウス株式会社 代表取締役社長兼COO 阿部 俊則のコメント

「先進のITとモビリティーを取り入れた実証を一つのスマートハウスの中で行うことができ、快適で豊かな暮らしをどう先端技術が支え、実現するのか、またそこで生活する住まい手やコミュニティーとのつながりでどう生かしていけるのか、ニーズにどう合致するかが、よりリアルに検証され、実用に一歩近づくことを大いに期待しています」

株式会社 東芝 取締役 代表執行役社長 田中 久雄のコメント

「今回、モビリティー、住宅、家電/エネルギー機器という3社の技術を連携させた実証を開始しますが、今後それをさらに深め、技術を融合させた新たな付加価値を創出することで、ともに豊かなスマート社会を提案していきます」

本田技研工業株式会社 代表取締役 社長執行役員 伊東 孝紳のコメント

「業界を超えた3社の連携は、これまでの常識にとらわれない発想を生み、新たな価値の創造につながると考えます。この家のようなリアルな環境での検証を通じて、机上だけでは見えてこない未来の暮らしのニーズを見いだし、夢のある楽しいモビリティーと生活空間を創造していきます」