ニュースリリース

2012年01月06日ニュースリリース

代表取締役社長 伊東孝紳の従業員への年頭挨拶 要旨

 昨年は、3月に東日本大震災、10月にタイの大洪水と、2度にわたる大規模な災害からの復旧、復興に向けた対応に奔走した一年となりました。災害により、生産などに一時的な遅れはあったものの、「良いものを、早く、安く、低炭素でお届けする」という事業の方向性は変わりません。

 世界経済の構造変化はさらに加速しており、世界中のマーケットで商品に対する期待やニーズ、主張が強まり、先進国、新興国を問わずお客様が商品を厳しく選別する時代に突入しています。
このような状況の中でHondaが取り組むべき課題は、お客様のニーズを先取りしてどこよりもスピーディーに応えていける、新たなグローバルオペレーションへの転換です。そのために、世界各地のお客様が求める、その地域ならではの商品の開発・供給のため、開発を含めたオペレーションを各地域が責任を持って担い、即断即決、自己完結できる体制に移行していきます。
 また、日本の役割、事業改革も加速していきます。昨年12月に軽乗用車のラインアップ強化の第一弾として発売した「N BOX」を皮切りに、今後、軽乗用車の開発・生産プロセスを大幅に見直し、事業体質の変革にチャレンジします。そして、そこで確立した高効率なビジネスモデルを世界展開すると同時に、コアとなる商品や技術の発信基地としてグローバルHondaの成長発展に貢献していくことが、日本の二輪、四輪、汎用すべての事業が担うべき役割であると考えます。

 昨年は、将来の布石となるさまざまな商品や技術の提案を行いました。四輪のパワートレインを刷新し、「FUN」と「環境」を高い次元で両立した次世代の四輪環境技術群を「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」と名づけ発表しました。この新しいエンジンシリーズと、トランスミッション、ハイブリッドシステムなどの電動化技術で、3年以内に各カテゴリーで燃費No.1を目指します。
 また二輪では、従来よりも40%の燃費向上を実現しつつ、走る楽しさも両立した「新型700ccエンジン」を搭載するニューミッドシリーズで新たな市場の開拓に向けて攻勢をかけます。さらに、燃費性能を25%高め、最大市場の東南アジアだけでなく、欧米モデルにも搭載可能な高い汎用性を備えた「次世代125ccスクーター用エンジン」の世界展開を進めます。
 汎用では、LPGを燃料とするインバーター搭載発電機の発売や、燃費性能に優れた新開発小排気量エンジンを搭載する最大出力1kVAのポータブル発電機の新興国市場への投入を進めていきます。

 面白いものをつくって喜んでいただく。もっと便利になる、人のやっていないことをやらないと気がすまない。そのようなチャレンジ精神が、Hondaの原点であり企業文化です。新しいことや面白いことが現場から次々と提案されてくるHondaらしい企業風土をさらに強めていきます。