ニュースリリース

2010年05月20日ニュースリリース

Honda、3件の技術テーマで「第60回 自動車技術会賞」受賞

<ご参考>
 社団法人自動車技術会から「第60回 自動車技術会賞」が発表され、Hondaの技術者が「浅原賞学術奨励賞」「論文賞」を受賞しましたのでお知らせします。
 授賞式は、本日12時よりパシフィコ横浜で行われます。

 「浅原賞学術奨励賞」は、自動車技術に関する優秀な論文等を発表した将来性のある新進の個人会員に、「論文賞」は、自動車技術に関係ある優れた論文を発表した個人会員およびその共著者に贈られる賞です。

「浅原賞学術奨励賞」受賞内容

テーマ

「尿素SCRシステムのNOx浄化率向上に関する研究」

受賞者

村田 豊(むらた ゆたか) 株式会社本田技術研究所

ディーゼルエンジンから排出される窒素酸化物(NOx)を浄化する後処理技術である尿素SCRシステムに関する研究。これまでは排気温度が低温となる条件でNOx浄化率を高めることは困難であったが、SCR触媒内でのNOx還元反応メカニズムを明確化したうえで、触媒に吸着させるNH3量に着目した尿素水の噴射制御論理を開発。これにより、市街地走行を想定した低排気温条件でのNOx浄化率向上を可能とした。

「論文賞」受賞内容(2件)

テーマ

「車対車の側面衝突時におけるコンパティビリティ性能に関する研究」

受賞者

江村 雅彦(えむら まさひこ) 株式会社本田技術研究所
滝澤 敏(たきざわ さとし)同上  主任研究員
樋口 英生(ひぐち えいせい) 同上  研究員
岩部 竜男(いわべ たつお) 同上  研究員

側面衝突時(衝突車前面が被衝突車側面に衝突した場合)の衝突車前部構造による被衝突車乗員傷害低減を目指した研究。側面衝突コンパティビリティも前面衝突同様、衝突車前面構造と被衝突車側面構造の構造インタラクション(相互作用)や剛性・強度バランスの寄与度が高いことを計算シミュレーションなどにより明らかにした。本研究は車両相互事故時の乗員被害低減に大きく貢献するものと期待される。

テーマ

「EPS用1条ウォームギヤのかみ合いトルク変動低減に関する一考察」

受賞者

山脇 茂(やまわき しげる) 株式会社本田技術研究所 主任研究員
清水 康夫(しみず やすお) 同上 主任研究員
渡辺 勝治(わたなべ かつじ) 同上 主任研究員

伝達トルク増大が望まれるEPS用減速機において、ギヤ小型化を可能にする1条ウォームギヤの実用化の課題であるトルク変動に対し、ギヤのたわみを考慮した新たなかみ合い理論を提案。この技術により、EPSの小型化を可能にした。この技術は、2005年に発売されたレジェンドに採用されている。

  • EPS(Electric Power Steering/電動パワーステアリング)
    モーターなどを用いて操舵を補助する機構。エンジン出力を利用した油圧ポンプを用いる油圧パワーステアリングに比べ、エンジン出力のロスが無く、CO2排出量を低減できるなどの長所がある。

以上