Hondaが2009年2月に発売したハイブリッド車「インサイト」に搭載されている、ドライバーの低燃費運転（エコドライブ）を支援する「エコアシスト（エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム）」を、ユーザーが活用することで、実際の使用時の燃費（実用燃費）が平均で約10％改善されたことがわかった。

Honda HDDインターナビシステム（メーカーオプション）を通じ、約5,000台^※1のインサイトからインターナビ・プレミアムクラブのサーバーにアップロードされた約170万件^※1の燃費データを分析した結果、運転経験（回数）とともに燃費は向上し、300回目の運転時の燃費の平均値は購入直後に比べて約10％、最大で約20％改善されたことがわかった。ユーザーの実際の走行実績を用いて、これだけの規模で実用燃費の向上効果を検証したのは、日本で初めてである。

インサイトオーナー約1,000名に対して実施したアンケート調査によると、回答者の約70％が、エコアシストを活用した結果、「日常的にエコ運転を心がけるようになった」、「これまでに比べて燃費を気にするようになった」と答えており、ドライバーの低燃費運転に対する意識にも影響を与えている。

インターナビ・プレミアムクラブ会員は、「パーソナル・ホームページ」^※2上で任意で「燃費ランキング」に参加することが可能で、参加者の燃費向上率は、ランキング非参加者に対し約2〜3％上回っており、サービス提供の目的であった「低燃費運転への意識」を高める効果があることがわかった。燃費ランキングのデータはHondaホームページ上の「エコグランプリ」で一般にも公開されている^※3。

　インターナビ・プレミアムクラブでは、会員の走行実績であるフローティングカーデータを活用し、渋滞を避けたルートを案内する「インターナビ交通情報」、最も燃費の良いルートを案内する「省燃費ルート」配信や、渋滞の少ない時間帯やルートを事前にチェックできる「出発時刻アドバイザー」など、会員が燃費向上に取り組むことのできるHonda独自のサービスを提供している。

　インサイトには、さらなる実用燃費の向上を目指してドライバーの低燃費運転（エコドライブ）を支援するエコアシスト（エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム）が全タイプに標準装備されている。

ECONスイッチをオンにすることで「エンジンの出力制御」「アイドルストップ領域の拡大」「減速時の回生充電量の増加」「エアコンディショナーの省エネ制御」を行う。これらの制御により、燃費性能を向上させることが可能となっている。

アクセルやブレーキの操作からエコドライブ度を診断し、スピードメーターの背景色であるアンビエントメーターの色を変化させることで、ドライバーがリアルタイムに燃料消費状況を確認できる。ドライバーが色の変化を意識しながら運転することで低燃費運転に寄与する。

メーター内に設置されたマルチインフォメーション・ディスプレイ画面内では、エコドライブ度をリアルタイムに採点し、成績を「リーフ（葉）」の数により画面上に表示できる。運転終了後には、エンジン始動から停止までのエコドライブ度の採点結果と、これまでの累計結果である生涯成績を表示する。さらに、エコドライブの積み重ねでリーフが育つため、ドライバーはそのリーフを成長させる楽しみを通じて、より低燃費な運転を習得しやすいシステムとしている。

　また、メーカーオプションのHonda HDDインターナビシステムを装着すると、ナビ画面上にエコドライブ度採点履歴や採点内容の詳細、燃費向上アドバイスなどの情報を表示することができる。さらにインターナビ・プレミアムクラブのパーソナル・ホームページを利用すれば、自宅のパソコンや携帯電話でエコドライブに対する詳細な評価をはじめ、採点履歴の経過や変化、全国の会員の中での燃費運転ランキングの情報なども見ることができる。

　特にコーチング機能やティーチング機能をドライバーが積極的に活用することにより、結果的にドライバーの低燃費運転の技術向上につなげることができる。