ニュースリリース

2009年02月19日ニュースリリース

最新のHonda先進安全研究車を一般公開

~「ITS-Safety2010」大規模実証実験・公開デモンストレーションに参加~

 Hondaは「ITS-Safety2010」公開デモンストレーション(2009年2月25日〜28日、主催:ITS推進協議会)において、ITを活用した予防安全運転支援装備を搭載した四輪車、二輪車、電動カートの先進安全研究車を一般公開する。

Honda先進安全研究車

Honda先進安全研究車

 この先進安全研究車は、車両間や車両と電動カート(車車間通信)、道路インフラと車両(路車間通信)の位置情報や速度などのデータを相互に通信し、それぞれの運転者に適切な情報を提供することで交通事故を未然に防止する効果を狙いとしている。Hondaでは最適な路車間および車車間通信技術を用いてそれぞれの場面や車両に適したHMI(Human Machine Interface)の研究成果を公開する。

 四輪車「オデッセイ」をベースとしたHonda先進安全研究車は、インフラ連携運転支援システムとしてUTMS協会(警察庁監修)推進の「DSSS※1」、国土交通省道路局が推進する「スマートウェイ※2」、国土交通省自動車交通局が推進する「ASV※3」の各システムを搭載している。また、二輪車「フォルツァ」をベースとした同研究車は、予防安全技術を進化させた車車間通信システム、および四輪ドライバーによる見落としや誤認を低減する被視認性向上技術の「FACE」や「LONG」デザインを進化させている。さらにHonda電動カート「ITモンパル4」にも車車間通信を活用した無線によるコミュニケーション機能を搭載している。今後はこれらの各要素技術の実用化に向けて、さらなる研究開発を進めていく。

 Hondaは、今年1月より東京臨海副都心地区ならびに首都高速道路で実施される「DSSS」「スマートウェイ」「ASV」各プロジェクトの大規模実証実験「ITS-Safety2010」に参加している。

 なお、「ITS-Safety2010」の屋外展示会(日本科学未来館付近の青海1丁目交差点南角特設駐車場)には、Honda最新の予防安全技術「マルチビューカメラシステム」搭載の「オデッセイ」と「Hondaスマートパーキングアシストシステム」搭載の「ライフ」を出展。一般来場者が実際に各市販車の予防安全技術を体験できるブースを出展する。

ITS-Safety2010 公開デモンストレーション参加概要

  • 1)右折時衝突防止システム

目的

  • 信号機のある交差点を右折する際、見えにくい対向車線の車両の存在情報を伝達し、右直事故防止をはかる。

期待される効果

  • 右直事故の事故件数削減
    (認識の誤りや見込み違いによる運転事故防止・二輪車の速度、距離感の見誤りを補い、二輪車の存在検知を高める)
右折時衝突防止システム模式図

右折時衝突防止システム模式図

  • 2)左折時衝突防止システム

目的

  • 信号機のある交差点を左折する際、見えにくい後方の車両の存在情報を伝達し、巻き込み事故防止をはかる。

期待される効果

  • 左折巻き込み事故の事故件数削減
    (死角の情報補完による事故防止)
左折時衝突防止システム模式図

左折時衝突防止システム模式図

Honda先進安全研究車の主な技術

自律型車載センサーでは困難とされる「小さな二輪車や電動カート」「建物などで見えない他車」の存在情報を通信インフラを用いて効果的に運転者へ伝えるHMIを搭載。

Honda HMI(Human Machine Interface)の特徴

Honda HMI(Human Machine Interface)の特徴

 Hondaでは、モビリティ社会で暮らす「すべての人」の安全「共存安全」を実現するために、万一の際の「衝突安全」から、事故を未然に防ぐ「予防安全」、その中間に位置する「プリクラッシュセーフティ」の追求とともに、DSSSやASVなど官民連携の公道実証実験プロジェクトに参加し、交通事故低減に向けた安全運転支援システムの開発に協力している。

 Hondaの先進安全研究は、第一期ASV(1991年4月〜1996年3月)より参加し、高速道路運転支援システム、追突軽減ブレーキ、インテリジェント・ナイトビジョンシステムなど複数の先進安全システムを実用化してきた。昨年度の取り組みは、路車間通信技術を搭載した研究車両「Honda DSSS」および車車間通信技術を搭載した研究車両「Honda ASV-4」を用いて、栃木県宇都宮市における公道実証実験に参加した。今回の「ITS-Safety2010」大規模実証実験ならびに公開デモンストレーションには、さらに「スマートウェイ」や「HMI」のシステムを搭載した最新の研究車両「Honda ASV-4」で参加。

 このたび一般公開するHonda先進安全研究車は、リアルワールドにおける二輪車、四輪車、歩行者すべての安全「Safety for Everyone」をめざしてHondaが取り組む二輪、四輪、汎用製品の予防安全技術およびプリクラッシュセーフティ技術を具現化した研究車両である。Hondaはこの安全運転支援技術を搭載した「オデッセイ」と「フォルツァ」を各プロジェクト活動の場へ提供している。Hondaは、今後も官民連携による交通事故低減をめざした安全運転支援システムの開発を推進していく。

Safety for Everyone
  • ※1安全運転支援システム(DSSS):運転者に対し、周辺の交通状況などを視覚および聴覚情報を提供することで運転上の危険要因を知らせ、注意を促すことでよりゆとりのある運転環境を創出し、交通事故の防止などをはかるシステム
  • ※2次世代道路(スマートウェイ):道路と車が路車間連携し、交通事故の削減や渋滞解消をめざすシステムで、高度道路交通システム(ITS)の基盤となる。今回の実験の対応として前方障害物情報提供システム、前方状況情報提供システム、合流支援情報提供システム、電子標識情報提供システムなどを提供
  • ※3先進安全研究車[自動車](ASV):先進技術を利用し、ドライバーの安全運転を支援するプリクラッシュセーフティ技術を搭載した車両。1991年より国土交通省を中心に産学官が連携しながら推進しているプロジェクトで、現在は第4期(2006年〜2010年)にあたる