Hondaは、知能化技術を進化させ、複数のASIMOが状況に応じて自律的に行動し、連続してサービスを提供することを可能とした。
今回、人の動きに応じて一歩下がって道を譲ったり、そのまますれ違ったりするなどの移動の知能化技術や、トレイを運搬したり、ワゴンを押すなどの作業の知能化技術などを開発。また、バッテリー残量が少なくなると自動で充電する機能も実現。複数のASIMOが状況に応じて作業を分担し、1体が充電中の場合は他のASIMOがサービスを提供するなど、お互いに協調して連続的に働く総合的なシステムを開発した。
また、12月12日よりこれらの技術を搭載した2体のASIMOの試験運用を、Honda青山本社の2階ロビーにおいて開始する。
Hondaは、2005年に知能化技術と運動能力を進化させたASIMOを発表して以降、知能化技術に重点をおいて開発を進めてきた。今回の新技術により、人や複数のASIMOがいる環境下で、複数で協調して連続してサービスを提供することが可能となり、人間と共存する環境での実用化に一歩近づいたこととなる。
複数のASIMOをネットワークで結ぶことにより、共同作業をする場合、各々のASIMOの作業状態を常に共有し、最も効率の良い割合でそれぞれのASIMOが作業を分担する。
具体的には、各々のASIMOの現在位置と、作業をする位置までの距離を算出、バッテリー残量も考慮し、全体として最も時間効率の良い作業分担を導き出し、それに基づき各ASIMOが自律的に作業を行う。
近づいて来る人をアイカメラで捉え、進行方向と速度を割り出し、その後の動きを予測しながら人の動きを妨げない最適な進路を取る。人とすれ違うための十分な場所が無い場合は、一歩下がって道を譲る。
ASIMOが自律して充電を行えるステーションを新開発。バッテリー残量が一定値を下回るとASIMOが空いているステーションの中から最も近いものを検出し、立ったまま充電を行う。
Hondaは、人との共存環境で真に役に立つロボットの実現を目指し、今後もASIMOの知能化技術を一段と進化させていく。