Hondaの米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーター(本社:カリフォルニア州トーランス、社長:岩村 哲夫)は、2007年11月14日に以下を発表しましたので、その内容をご案内致します。
<ご参考>
アメリカン・ホンダモーターは、ロスアンゼルスオートショー(プレスデー:11月14日~15日、一般公開日:11月16日~25日)において、新型燃料電池車「FCXクラリティ」を発表した。米国では、2008年夏より個人客などを対象にリース販売を開始する。
FCXクラリティは、Honda独創の燃料電池スタック「V Flow FCスタック」技術を核に、燃料電池車だからこそできる一目で未来を感じるアイキャッチデザイン、画期的なパッケージ、そして異次元のドライブフィールを実現。究極のクリーン性能だけでなく、クルマとしての新しい価値と魅力を提案している。
「V Flow FCスタック」は、Honda独創の水素や空気を縦に流す「V Flow(バーチカル・ガス・フロー)セル構造」と水素・空気の流路を波形形状にした「Wave流路セパレーター」の採用によりスタックの性能の向上と飛躍的な軽量・コンパクト化を実現。スタックの最高出力は100kWに向上するとともに、従来のHonda FCスタックに比べて容積出力密度は50%、重量出力密度は67%向上した。また、低温での始動性も大幅に向上し-30℃での始動を可能としている。
モーターの最高出力は100kWに向上し、パワープラント全体の出力密度は従来FCXに比べ、重量出力密度2倍、容積出力密度2.2倍の大幅な軽量・コンパクト・高出力化を達成。また、従来FCXと比較し、燃費性能は20%アップし、航続距離は30%向上した※1。
“a clear solution to the challenges of the future”クルマの未来にチャレンジするHondaの明快な解決策となる燃料電池車を創造する、という意志を込めてネーミングした。
また、インテリア表皮に採用した世界初の植物由来の新素材「Hondaバイオファブリック」、Hondaとして初採用のシフト・バイ・ワイヤ、冷暖房機能を備えた温度調節機構付シート(フロント左右独立)、視界制御機能付エクストラウインドウなど、さまざまな新技術を採用している。
乗車定員 | 4名 | |
モーター | 最高出力 | 100kW |
最大駆動トルク | 256N・m | |
種類 | 交流同期電動機 | |
燃料電池スタック | 形式 | PEMFC(固体高分子膜型) |
出力 | 100kW | |
燃料 | 種類 | 圧縮水素ガス |
貯蔵方式 | 高圧水素タンク(350気圧) | |
タンク容量 | 171L | |
寸法(全長×全幅×全高 mm) | 4,835×1,845×1,470mm | |
車体重量 | 1,625kg | |
最高速度 | 160km/h | |
エネルギー貯蔵 | リチウムイオンバッテリー |
新しいセル構造を採用したV Flow FCスタックは、100kWの高出力を達成するとともに、従来のHonda FCスタックに比べて容積出力密度で50%、重量出力密度で67%向上し、飛躍的な軽量・コンパクト化を実現している。
水素、空気を縦方向に流すことで、重力を利用して生成水をよりスムーズに排出。これにより、生成水が発電面にとどまるのを防ぎ、常に安定した発電を持続させることができる。さらに、流れをよくしたことで流路の深さを17%浅くすることができ、セルの薄型化やスタックのコンパクト化に大きく貢献している。
水素・空気が流れる流路をWave型(波形形状)にしたうえで、冷媒を横方向から流す構造にした。Wave流路は、従来の直線流路に比べて1本あたりの流路が長く、しかも流れに変化をつけられるため、水素や空気の拡散性を向上。さらに、冷媒の出入り口を横にしたことで、水素・空気の通り道を拡大することができ、その結果、従来のHonda FCスタックよりも約10%高い発電性能を実現している。
また、冷媒を横方向から流すことで、効率よく冷却することが可能となり、従来はセルごとに必要だった冷却層を削減。その結果、スタックの重量を約30%低減、積層長を約20%短縮することができ、飛躍的な軽量・コンパクト化を達成した。