ニュースリリース

2006年12月19日ニュースリリース

2006年末記者会見 福井社長スピーチ骨子

-さらなる飛躍に向けて、源流強化を加速し、Hondaらしい先進創造に積極チャレンジ-

Hondaは、新しい価値を創造し、お客様の期待を上回る商品・サービスを提供し続けるために、各事業領域での「源流強化」をさらに加速し、5月に発表した3つの施策である、「先進のものづくり体制構築」、「海外成長基盤の強化」、「環境負荷軽減への取り組み強化」を着実に進める。

2006年世界販売台数見通し

  • 二輪車 1,270万台(前年比103%)、四輪車 355万台(同:105%)、汎用製品 640万台(同:115%)と、いずれも過去最高を更新する見通し。

国内四輪

  • 2006年販売見通しは、70万台(前年比:98%)。3月に販売チャネルを統合して以降、軽自動車や各チャネルで専売していたモデルの販売は伸びており、「お客様の喜び、満足」の最大化に向けての改革の成果が現れてきた。
  • 2007年春に、SUVのデザイン、機動性と7人乗車機能などを融合した、Hondaらしい、新たな価値を提供するニューモデルを発売するほか、商品力をさらに強化していく。
  • 軽自動車事業では、八千代工業(株)との連携をさらに強めて、競争力の高い商品の開発と事業の体質強化を図る。

国内二輪

  • 2006年販売見通し 35万台(前年比:95%)。
  • 2007年は、国内で販売するスクーターへの、フューエル・インジェクションの搭載を進め、エアバッグを搭載した「ゴールドウイング」を発売するなど、環境・安全性能で業界をリードしていく。
  • お客様の多様なご要望に応える「ホンダ・ドリーム店」を、現在の81店から2007年末に100店を超えるネットワークへと育て、事業基盤のさらなる強化と、二輪車の魅力の訴求に努めていく。

国内生産・研究開発体制強化

寄居新工場コンセプト

  • 1)資源・エネルギー効率を世界トップレベルに高め、クルマ1台を生産する時のCO2排出量を、2000年比で20%低減する「資源・エネルギー循環型のグリ-ンファクトリー」
  • 2)高品質で高効率な生産・物流システムを駆使して、お客様の多様なご要望に迅速に対応する最新鋭の工場
  • 3)人に優しい環境で、誰もが「個性」、「技」を存分に発揮でき、世界に誇れる「匠」を培う、働く「喜び」と「誇り」を持てる工場

新エンジン工場建設

  • 低燃費車の需要が、世界各地域で想定を超えるスピードで高まっている点をふまえ、寄居工場の稼動に先立ち、近隣の埼玉県小川町にエンジン工場を建設して、将来の需要拡大にも柔軟に対応できる生産体制を構築する。
  • 新工場の生産能力は年間20万基の規模で、稼動は2009年夏を予定、先進のエンジンを国内外の工場に供給する計画。関連投資額は250億円、要員は500人を見込む(寄居新工場の計画に含む)。

二輪生産体制強化

  • 国内の二輪車生産は、2009年末をめどに熊本製作所に集約し、小型車から大型車までの二輪車の生産技術とノウハウを高めて、世界の工場へ展開する体制を強化する。

AT生産体制強化

  • 浜松製作所で、世界規模で需要が高まるオートマチックトランスミッションの生産体制を強化する。中でも、高い生産技術が要求されるミッションギアの生産体制を強化し、今後の増量分の大半を内製化していく。

研究開発体制強化

  • 4月に行った研究所の開発体制の刷新に加えて、栃木県さくら市に新しい研究所を建設、2009年に稼動予定。

海外成長基盤の強化

北米四輪

  • 2006年米国販売 151万台(前年比:103%)と、過去最高を更新する見通し(10年連続)。
  • 2007年販売計画 156万台(前年比:103%)
  • 2007年秋に、「新型アコード」を発売する。年明けに開催されるデトロイトショーで、新型アコード・クーペのコンセプトモデルを発表する。
  • ACURAブランドを象徴する、次世代スポーツカーの「デザインコンセプトモデル」をデトロイトショーで発表する。
  • 2007年夏、ロサンゼルスに建設中の、ACURAデザインセンターがオープンする予定。
  • アメリカ・イーストリバティ工場とカナダ工場の第1ラインで生産している「シビック」を、2007年春より、カナダ工場の第2ラインでも生産する。
  • 2007年秋、メキシコ工場でCR-Vの生産を開始する。
  • 2008年に、アメリカ・インディアナ新工場、カナダ新エンジン工場が稼動予定。

欧州四輪

  • 2006年販売 31万台(前年比:108%)と、3年連続で過去最高を更新する見通し。
  • 2007年販売計画 35万台(前年比:113%)
  • 2007年1月、新型CR-Vの販売を開始、2007年春に「シビックTypeR」発売予定。
  • イギリス工場は、2007年末に25万台のフル生産となる予定。欧州における四輪車の生産体制は、トルコ工場の5万台とあわせ、年間30万台となる

アジア

  • 二輪車需要の拡大に応えるため、2006年は、インド、フィリピン、パキスタンで生産能力を拡大。
  • 2007年は、インドやベトナムなどでの生産能力の拡大を計画している。
  • 2006年四輪車販売 32万台(104%)と、過去最高を更新する見通し(4年連続)。
  • 2007年販売計画   36万台(113%)
  • インド四輪車工場の生産能力を来年末までに倍増の10万台に拡大する。さらに、小型車の投入や第二工場の建設も視野に入れ、2010年にはインドで15万台以上の生産、販売を目指す。

南米

  • ブラジル二輪車工場の生産能力を、2007年初めに100万台から135万台に、さらに来年末までに、
    150万台へと拡大する。ブラジルの四輪車工場の生産能力も、来年半ばに10万台に倍増する。

中国四輪

  • 2006年販売 32万台(前年比:123%)と、過去最高を更新する見通し(7年連続)。
  • 2006年9月に広州本田第二工場が稼動し、中国での四輪車生産能力は、輸出向けを含めて年間
  • 53万台となった。
  • 2007年春、欧州向け「Jazz」を生産する輸出専用工場は、年間5万台のフル生産体制となる。
  • 2007年春、トランスミッションやエンジン部品を生産し、中国の各工場へ供給する新会社が、稼動予定、中国での現地生産をさらに強化していく。
  • 広州本田が、さらなる発展を目指し、研究所の設立に向けて検討を開始した。

環境負荷軽減への取り組み強化

  • 進化型の「VTECエンジン」や「可変シリンダーシステム」、二輪車向けの「超低フリクションエンジン」などの、新技術を投入して、さらなる燃費向上と排出ガスのクリーン化を図っていく。
  • ハイブリッドは、小型車で適用拡大を図る。世界各地域で好評を得ている「シビックハイブリッド」よりも、さらにお求めやすい価格の「新型ハイブリッド専用車」を2009年に発売する。
  • ディーゼルは、中・大型車で適用拡大を図る。ガソリン車と同等のNox排出レベルが求められる米国の排出ガス規制「TierII Bin5」をクリアする「スーパークリーン・ディーゼル」を、3年以内に米国市場に投入する。日本市場での投入も検討していく。
  • エタノール燃料でもガソリンとエタノールの混合燃料でも走行が可能な「フレキシブルフューエルビークル」を11月より、ブラジルで発売。(シビック:11月、フィット:12月)
  • 稲藁(いねわら)など、植物の茎や葉からエタノールを製造する技術の開発では、将来の量産技術の確立に向けて、2007年、和光の基礎技術研究センター内に、実証プラントを設ける。
  • 家庭用小型コージェネレーションユニットは、2003年の発売以来、国内約4万世帯で活用されている。来年は、アメリカで販売開始する予定。

太陽電池

  • 2006年12月に、(株)ホンダ・ソルテックを設立。2007年秋に熊本新工場で量産を開始し、本格的に販売する。地球環境に優しい持続可能なエネルギーの製造、販売を通じて、地球温暖化防止に寄与していく。

燃料電池

  • 「FCXコンセプト」をベースとした新型燃料電池車を、2008年に日本とアメリカでリース販売する。
  • 水素の製造技術では、アメリカで実証実験を行っている、天然ガスから水素を製造する「ホーム・エナジー・ステーション」や太陽電池式の「水素ステーション」の進化に取り組む。

Hondaは、CO2の低減に向けて、エンジン技術の革新とクリーンなエネルギー製造の両面で取り組みを加速し、今後も環境トップランナーとして走り続けていく。

HondaJet

  • 年間70機の生産計画を大きく上回る受注を獲得しており、2010年の第1号機納入に向けて、生産工場のロケーション選定や、質の高い販売・サービス体制の構築を進めていく。
  • 「HondaJet」に搭載する、GE Hondaエアロ・エンジンズが開発した「HF120ターボファンエンジン」は、米国のスペクトラム・エアロノーティカル社が2010年に発売予定の「Freedom」への搭載も決定しており、空の世界でも、燃費性能に優れた、先進のエンジンをお届けしていく。

モータースポーツ

F1

8月のハンガリーGPで待望の1勝を挙げた。2007年シーズンは、さらに多く表彰台の頂点に立ち、コンストラクターズタイトル争いを展開し、期待に応えたい。

  • 来シーズンも「SUPER AGURI F1 TEAM」へエンジンを供給し、強力にバックアップしていく。
  • 再び鈴鹿サーキットでF1を開催すべく、(株)モビリティランドが交渉を継続する。

IRL

2007年シーズンより、バイオエタノール100%のエンジンへと切り替わる。Hondaは環境に優しく、かつ競争力の高いエンジンを、伝統のオープンホイールレースに供給し、米国のモータースポーツ文化に貢献していく。

WGP

最高峰のMoto GPでは、ニューマシン「RC212V」で、2年連続での3冠達成を目指す。

  • モビリティとモータースポーツのさらなる発展に向けて、鈴鹿サーキットをリノベーションする。
  • 交通教育センターを大幅改修して2007年夏にオープンし、安全で豊かな交通社会づくりに貢献していく。
  • ピットやパドックの全面改修に着手する。今後も世界屈指のサーキットとして、数々の国際レースの運営、レーサーの育成を通じて、モータースポーツファンの皆様に夢や感動を提供し続けたい。

お客様により多くの喜びや感動を提供することを目指して、さらに源流を強化し、Hondaらしい先進創造に、チャレンジを続けていく。

 

以 上