ニュースリリース

2006年05月17日ニュースリリース

2006年央記者会見 福井社長スピーチ骨子

-さらなる飛躍へ向けて、源流強化を加速-

Hondaは、現場・源流の強化を加速し、さらなる飛躍に向けての具体的な取り組みとして
1.ものづくりで先進の体制構築、2.海外の成長基盤強化、3.環境負荷低減への取り組み強化を発表した。

1. ものづくりで先進の体制を構築

海外ビジネスの発展を支える国内の生産および研究開発体制を強化し、ものづくりで新しい価値を創造する先進の体制を構築する。

国内生産強化

新四輪車工場設立

  • 埼玉県寄居町に、エンジンから車体まで一貫生産する新四輪車工場を設立する。
  • 新工場の生産能力は年産約20万台で、2010年に稼動開始する計画である。関連投資額は約700億円、要員は2200名を予定している。
  • 新工場稼動により、国内における四輪車生産能力は年間130万台から150万台となる。
  • 寄居新工場稼動後に、狭山工場を最新鋭の生産拠点にリノベーションする。
    狭山工場と寄居新工場は、先進技術を駆使して、高品質で高効率な生産システムを確立し、世界の拠点に水平展開する役割を担っていく。

ATミッション生産体制強化

  • 世界のマザー工場である浜松製作所での生産体制を強化し、生産技術をさらに磨いていく。

研究開発体制強化

新研究所設立

  • 栃木県さくら市に新研究所を設立する。新研究所には、高速走行から市街地での走行まで再現できる、さまざまなテストコースを設け、次世代のクルマの開発を強化していく。稼動開始は2009年、関連投資額は約170億円を予定している。

2. 海外の成長基盤強化

北米事業基盤のさらなる強化と、アジア・南米など成長市場でのビジネス拡大を主に、海外の成長基盤をさらに強化していく。

北米事業強化

米国・新四輪車工場設立

  • 新工場の生産能力は年産20万台規模で、北米の四輪車工場の中で、最も環境負荷の小さい最新鋭の工場とする計画である。
  • 稼動開始は2008年を予定。関連投資額は約400ミリオンUSドル、新規雇用人数については、1500名以上(フル生産時)を予定。
  • ロケーションについては最終選定中で、決定次第、より具体的な計画を発表する。
  • この新工場稼動により、北米における四輪車生産能力は、年間140万台から160万台となる。

カナダ・新四輪エンジン工場設立

  • 新工場は、現在のカナダ完成車工場の近隣に建設予定。生産能力は年産20万基の規模で2008年の稼動を目指す。関連投資額は140ミリオンUSドル、新規雇用人数は340名を予定している。
  • 新工場稼動により、米国・オハイオ州のアンナエンジン工場からカナダの完成車工場に供給しているエンジンの一部を、カナダ新工場での生産に切り替える。
    一方、アンナエンジン工場は、米国の新しい完成車工場にエンジンを供給するとともに、現在、日本から供給を受けているエンジン部品の一部を現地での生産に切り替え、北米内の現地調達率をさらに高める。
  • 米国・ジョージア州の新ATミッション工場(年産能力30万台)が今月(06年5月)より稼動を開始した。ここで、ATミッションの一貫生産体制を構築する。

成長市場での事業拡大

アジア二輪

  • インドのヒーローホンダで既存ラインのさらなる増強(+45万台)と年産能力45万台の新工場設立を計画しており、インドでの二輪車生産能力は、現在の430万台からさらに90万台増えて、2007年には、520万台となる予定。
  • 今後、フィリピンやパキスタンでの能力増強も予定しており、アジアにおける二輪車の生産能力は、2004年時の800万台から、3年間で600万台増えて、2007年には1400万台となる。その後も需要動向に応じて、さらなる能力拡大を検討していく。

アジア四輪

  • インド四輪車工場の生産能力を倍増する計画を3年間前倒しし、2007年末をめどに10万台に拡大する。さらなる需要拡大を見据え、次のステップについても検討していく。

中国四輪

  • 今秋、中国・広州本田の第二工場(年産能力12万台)が稼動開始する予定で、中国における 四輪車の生産能力は、年間53万台となる。さらなる増強についても、市場の動向をふまえて、検討していく。

南米四輪

  • ブラジル四輪工場の生産能力を、2008年までに10万台へと倍増する。

これらの諸施策などにより、2010年のHondaの世界販売台数は、二輪車1800万台以上、四輪車450万台以上、汎用製品700万台以上をイメージしている。

3. 環境負荷低減への取り組み強化

Hondaは、「喜びを次世代へ」という考えのもと、CO2の排出低減を主眼においた環境負荷低減への取り組みをさらに積極的にすすめていく。

CO2排出低減 自主目標設定

  • Hondaは、全世界の製品および生産活動におけるCO2排出低減の目標を自主的に定め、取り組みを加速する。
  • 2000年当時、Hondaの四輪車から排出されるCO2の全世界平均値は、1km走行あたり179.5gであった。その後、大型SUVやミニバンなどの販売増加があったものの、2005年までの5年間で、約5%の低減を図った。
  • 今後さらに5%以上の低減に努め、2010年には、2000年実績に対し、10%の低減を目指していく。同様に、二輪車、汎用製品についても、10%の低減を目指す。
  • 四輪車1台を生産する時に排出されるCO2の全世界平均値についても、2000年から2005年までの5年間で約5%の低減を図った。2010年に向けてさらに5%以上の低減に努め、2000年実績に対して10%の低減を目指していく。同様に、二輪車、汎用製品では20%の低減を目指していく。
  • このような、全世界での製品および生産活動におけるCO2排出量の低減目標を公表するのは業界初の試みである。

商品戦略

新型ハイブリッド専用車

  • 世界の主要市場での販売を見据えて、ファミリーユースに適した新型のハイブリッド専用車を開発している。燃費技術のさらなる向上と大幅なコストダウンを図り、「シビックハイブリッド」よりさらにお求めやすい価格で、2009年に発売する。
  • 生産は鈴鹿製作所でハイブリッドユニットを含めて行い、販売は、北米での10万台を含め、全世界で年間約20万台を見込んでいる。

新型クリーンディーゼル

  • 現行のディーゼルエンジンをベースに、クリーン性能をさらに高めた次世代型の4気筒ディーゼルエンジンを開発中である。このエンジンは、ガソリン車と同等のNOx排出レベルが求められる厳しい米国の排出ガス規制「Tier2 BIN5」をクリアする能力を持つ。このスーパークリーンなディーゼルエンジンを、3年以内に投入していく。
  • V型6気筒のクリーンなディーゼルエンジンの開発も、あわせて行っていく。
  • Hondaは、ガソリンエンジンでは、進化型VTECおよび可変シリンダーシステムなどで燃費性能をさらに向上させ、ハイブリッドは小型車領域での強化を図り、ディーゼルは中・大型車領域での適用拡大を図ることにより、それぞれの環境技術の特性を最大限に活かして、CO2排出低減に努めていく。

二輪車の取り組み

  • 2010年末までに、世界で販売する大半の二輪車にフューエル・インジェクション(電子制御燃料噴射装置)を搭載していく。
  • 燃費を現行比で13%向上させる「超低フリクションエンジン」や、同30%向上させる「二輪車用可変シリンダーシステム」など、新しいエンジン技術を投入していく。

燃料電池車

  • 「FCXコンセプト」の技術、デザインをベースとした新型車を開発中であり、今年の秋には、走行可能な車をご披露する。3年以内に発売する予定。

太陽電池

  • 現在、世界15ヵ所のHondaの事業所に自社製の太陽電池パネルを設置し、活用している、今秋、新たに鈴鹿製作所にも設置する。
  • 今秋、地域限定での販売も開始し、2007年には熊本製作所に年間27.5メガワット規模の工場を建設し、量産を開始する予定である。

今後もHondaらしい先進創造に一層磨きをかけ、お客様の喜び、感動をたくさん創ることで、世界一を目指していく。

以 上