ニュースリリース

2005年07月20日ニュースリリース

二輪車、四輪車、汎用製品の次世代パワートレイン燃費目標を発表

 Hondaは、9次中期中(2005年4月~2008年3月)に投入を予定している二輪車、四輪車、汎用製品の主な次世代パワートレインの技術概要と、その燃費目標を発表した。

二輪車

 4ストローク化や、小型車へのFI(Fuel Injection:電子制御燃料噴射装置)採用などによって、二輪車の2004年の平均燃費は、1995年比で34.2%向上した。

 今後は、全世界で最も販売台数の多い100cc~125ccクラスのエンジンに、2プラグ化による燃焼効率向上と、世界トップレベルのフリクション低減により効率を高めた超低フリクションエンジンを投入、2005年比で約13%の燃費向上をめざす。また、すでに四輪車で採用し、低燃費と高い走行性能を両立させるVCM(Variable Cylinder Management:可変シリンダーシステム)を、二輪車の特性に合わせて新開発。4ステージ(2気筒・2バルブ駆動、3気筒・2バルブ駆動、4気筒・2バルブ駆動、4気筒・4バルブ駆動)で燃焼気筒数を制御する二輪車用可変シリンダーシステムを大型二輪車に採用し、2005年比で燃費30%向上をめざす。

二輪車用エンジン燃費向上目標値

  • 小型車用超低フリクションエンジン +13%(2005年通常エンジン比)
  • 大型車用可変シリンダーシステム採用エンジン +30%(2005年通常エンジン比)

四輪車

 i-VTEC、i-DSIなど軽量・コンパクト・高出力なエンジンシリーズの投入により、四輪車の日本国内での2004年の平均燃費は、1995年比で30.9%向上した。

 今後は、Honda独創のVTEC(Variable Valve Timing & Lift Electronic Control System:可変バルブタイミング・リフト機構)を進化させ、より高度で高精度な制御を行い、バルブリフト量とタイミングを連続可変制御する進化型VTECエンジンを投入、2005年比で13%※1の燃費向上をめざす。また、VCM(可変シリンダーシステム)は、休止気筒数を現在の3気筒・6気筒燃焼切り替えから、より可変にし、気筒休止領域を拡大する。これにより2005年比11%の燃費向上をめざす。

  • ※1エンジンの燃焼効率をすべて燃費向上に用いた場合の値

四輪車用エンジン燃費向上目標値

  • 進化型VTECエンジン +13%※1(2005年通常i-VTECエンジン比)
  • 進化型可変シリンダーシステム採用エンジン +11%(2005年通常V6エンジン比)

汎用製品

 業界に先駆けてOHV(Over Head Valve)、OHC(Over Head Cam)技術を採用したGX・GCエンジンシリーズや、2ストロークが主流のハンドヘルド市場に投入した4ストロークで360°自在傾斜運転を可能としたM4シリーズなどにより、2004年の汎用製品の平均燃費は1995年比で約28%向上した。

 今後は、回転数電子制御技術(Self Tuning Regulator Governor:STRガバナ)により、エンジンへの負荷が変化した場合でもスロットルを電子制御し、設定回転数を一定に保つ知能化iGXエンジンの展開で、2005年比15%の燃費向上をめざし、更に知能化の拡大に向けシリーズ展開。また、エンジンの吸気/圧縮行程と膨張/排気行程のストローク長を可変制御する画期的な高膨張比エンジンでは、2005年比で20%の燃費向上をめざす。

汎用エンジン燃費向上目標値

  • 知能化/STRガバナ +15%(2005年通常エンジン比)
  • 高膨張比エンジン +20%(2005年通常エンジン比)

燃料電池車

 燃料電池を搭載した二輪車のリース販売開始を2009年に予定している。

 Hondaは、燃焼効率向上や損失低減などによるエンジンの総合効率向上により、販売する製品の燃費を向上し、CO2を削減することを、世界一のエンジンメーカーとしての製品開発の基本と考えている。また、ハイブリッドシステムは、効率の高いエンジンとモーターを組み合わせ、総合効率を高めていく。燃料電池においても、先進のスタックの開発など業界に先駆けた取り組みをさらに続けていく。

 このような取り組みや新パワートレインの投入により、二輪車・四輪車・汎用製品の各種カテゴリーにおいて燃費世界一を獲得することをめざしていく。