ニュースリリース

2003年09月17日ニュースリリース

2003年度 本田賞 東芝テック(株) 相談役 森 健一氏へ 本田財団が授与

    本田財団(理事長・川島廣守)では、2003年度の本田賞を東芝テック(株)相談役の 森 健一氏(工学博士 65歳)に贈ることを決定した。森氏は、本田賞 第24回目の授賞で日本人として四人目の受賞者となる。 

 森 健一氏は、日本語のタイプライターの開発を目指し、日本語文法の徹底的な研究を通して『かな漢字変換』の工学的アプローチを行い、最初の日本語ワードプロセッサの開発に成功した。この技術はその後の日本語ワードプロセッサの原型となったばかりでなく、IT革命の中での日本語の利用環境としても決定的な影響を与えた。この日本語ワードプロセッサ開発の成功により、中国語など漢字文化圏はもちろん、アルファベット以外の文字をコンピュータで処理する直接の動機につながり、アジア諸国の多くの言語に応用されることで自国語ワードプロセッサ開発のモデルとなった。それにより、原語をコンピュータで処理するという方法論が定着し、今日のインターネットを通じた“世界共通のコミュニーケーション手段”の前提となった。 

 森氏のこれら一連の活動は、本田財団の提唱する「人間活動を取り巻く環境全体との調和を図った真の技術=エコ・テクノロジー」の観点と合致するものである。
氏は、本田賞の24人目の受賞者となり、副賞として一千万円が授与される。
尚、授与式は11月17日(月)に東京のホテル・オークラで行われる。 

エコ・テクノロジー(eco-technology)

エコロジー(ecology:生態学)とテクノロジー(technology:科学技術)とを組み合わせた造語。「従来の効率と利益のみを追求する技術でなく、人間活動を取り巻く環境全体との調和をはかった真の技術」としての今後の社会に求めるべき技術概念。 

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