四輪製品ニュース
2003年10月10日
氷点下20℃での始動が可能な次世代型燃料電池スタック 「Honda FC STACK」を新開発 ―FCXに搭載し、公道実験を開始―
Hondaは、氷点下20℃での始動や大幅な小型化と高出力化を実現した次世代型燃料電池スタック「Honda FC STACK」を新開発した。このスタックは世界で初めて金属プレスセパレータースタック構造と新素材電解質膜を車載用として採用している。「Honda FC STACK」を搭載した「FCX」は、9月24日に国土交通大臣認定を取得し公道走行テストを開始、本格的実用化に向けて低温での始動性や走行性能の確認を行うとともに、2004年1月に開催される第80回東京箱根間往復大学駅伝競走で先導車をつとめる予定である。
「Honda FC STACK」は、シールと一体化した金属プレスセパレーターでスタックを形成することにより、従来のカーボンセパレーターをボルトなどで固定する複雑な構造から、パネルで囲むだけのシンプルな構造に変更した。その結果、部品点数を従来型※1の約半数に削減、出力密度※2を従来型から2倍以上に向上させ、世界トップレベルの高性能を実現した。また、新たに開発したアロマティック電解質膜の採用で、従来のフッ素系電解質膜では難しかったマイナス20℃からプラス95℃までの発電が可能となり、耐久性も大幅に向上している。更に、システムの高効率化により、「Honda FC STACK」搭載の「FCX」は、同容量の水素による航続走行距離を355kmから395kmに40km延長※3、燃費を10%以上向上※4している。
Hondaは、1980年代より燃料電池の研究を開始、1999年のFCX-V2と2001年のFCX-V3にHonda製スタックを搭載し、さまざまな走行条件下でのテストを続けてきた。今回は、高性能化や低温始動を実現するばかりでなく、特殊材料から一般材料への転換により、将来の燃料電池車の本格的な普及時における量産性やリサイクル性なども視野においた、次世代型の燃料電池スタックとしている。
 |
|
 |
| Honda FC STACK |
Honda FC STACK搭載「FCX」 |
<Honda FC STACKの概要>
| (1) |
小型高出力 |
| ・ |
世界初金属プレスセパレーターとパネル型構造の採用により、部品点数を従来の約半数に削減。出力密度を従来型から2倍以上向上。 |
| (2) |
氷点下での低温始動を実現 |
| ・ |
アロマティック電解質膜の採用で、低温でのイオン導電性を向上(従来型の2倍)。 |
| ・ |
金属プレスセパレーターにより、セパレーター接触面の導電性を向上。 |
| ・ |
小型化等により、熱容量を低減。発電開始から暖機までの時間を従来型の5分の1に短縮。 |
| (3) |
高温耐久性 |
| ・ |
95度までの発電を実現。 |
| (4) |
将来の量産性、リサイクル性を配慮した次世代型燃料電池スタック |
| ・ |
特殊材料から一般材料への転換。 |
※1 FCX-V3搭載Honda燃料電池スタック
※2 出力/容積、出力/重量の比率
※3 LA4モード。Honda社内測定値
※4 バラード社製燃料電池スタック搭載「FCX」比
<Honda FC STACK搭載FCX主要諸元>
| 通称名 |
FCX |
| 乗車定員 |
4名 |
| 最高速度 |
150km/h |
| モーター |
最大出力 |
80kW(109PS) |
| 最大駆動トルク |
272N・m(27.5kg・m) |
| 種類 |
交流同期電動機(Honda製) |
燃料電池スタック (2基搭載) |
形式 |
PEMFC(固体高分子膜型)(Honda製) |
| 出力 |
86kW |
| 燃料 |
種類 |
圧縮水素ガス |
| 貯蔵方式 |
高圧水素タンク(350気圧) |
| 容量 |
156.6L |
| 寸法(全長×全幅×全高mm) |
4,165×1,760×1,645 |
| エネルギー貯蔵 |
ウルトラキャパシタ(Honda製) |
| 航続距離(LA4モード) |
395km |
|