Hondaは、家庭用小型コージェネレーション(熱電併給)ユニットの2002年度中の販売開始に向けた開発最終段階として、一般家庭でのモニターテストを大阪ガス、東邦ガス、西部ガスの都市ガス各社へのユニット供給を通じて7月より開始する。
コージェネレーションユニット専用に新開発した世界最小※1のガスエンジン「GE160V」と、Honda独創の正弦波インバーター技術を採用した小型軽量の発電システムを効率的にレイアウトし、家庭用での設置に適した小型化を実現した。また、一戸建て住宅において1日10時間程度の稼動を想定し、毎時約3kWの熱出力、毎時1kWの発電をすることにより、総合エネルギー効率85%を実現した。
都市ガス各社と給湯機メーカーが共同開発した排熱利用の給湯暖房システムと組み合わせ、一般家庭での光熱費が年間約4万円節約できるシステムとなっている。またCO2排出量も20%程度の低減効果が期待できる。※2
また、メンテナンスインターバルは6,000時間(約3年)、耐久性は20,000時間(約10年)、二重停電検知機能を搭載するなど、一般家庭において安心して使って頂けるシステムとなっている。
Hondaは、1953年より小型エンジン技術を活用し人々の生活を支える汎用製品を開発・販売してきた。高効率なエネルギー供給システムとして注目されているコージェネレーションシステムを家庭用に小型化するために、汎用事業で蓄積した小型エンジンと発電機の技術を応用し開発を進めてきた。2001年8月より実施した実用テストの結果を踏まえ、今回モニターテストを75軒の一般家庭で行なうことで、最終的な技術検証を行ない、一般家庭への販売は各ガス会社を通じて2002年度中を予定している。
一般家庭でのエネルギー使用状況を詳細に検討し、熱出力を毎時約3kWに設定(エネルギー利用効率65%)。電気エネルギーは一般家庭に適した毎時約1kW(発電効率約20%)とし、エネルギー総合利用効率85%と、家庭での1次エネルギー消費量を押さえるシステムを実現。同時にCO2排出量も約20%低減効果が期待できる。
家庭用コージェネレーションユニット用に専用に新開発。三元触媒とO2フィードバック制御により、NOxの排出を低減。従来の家庭用ガス給湯より、クリーンな排出ガスレベルを実現。
発電モーターでエンジンを始動することで、スタート時の騒音、振動を大幅に低減。多段室式吸気サイレンサーや大容量エアクリーナーの使用とあわせ、家庭用エアコン室外機レベルの低騒音を実現。
Hondaのインバーター発電機に採用している多極オルタネーターと、エンジンのシリンダーを水平方向に配置するバーチカルレイアウトの採用により家庭での設置に適した小型化を実現。
このクラスでは初の「系統連系機能付きマイコン制御式多極正弦波インバーター」を搭載し、商用電源並みの高品質な電力を供給。周波数や電圧の変動に敏感な精密機器も安心して使用可能。
高効率な熱回収実現のために、ユニットの換気を最小にし、2分割構造で放熱を抑制。熱交換機と触媒を一体構造とし、触媒温度を高温に保ち熱を回収。細部に渡る熱回収を行なうことで熱効率約65%を達成。
都市ガス(天然ガス)
4ストローク水冷単気筒OHV
163cm3
多極式正弦波インバーター発電
1kW(AC100/200V)
3.25kW
全幅640mm×奥行380mm×全高940mm