ニュースリリース

2000年08月08日ニュースリリース

ホンダエンジニアリング(株)ワイドダイナミックレンジ視覚センサーを開発

本田技研工業(株)の子会社であるホンダエンジニアリング(株)(本社:埼玉県狭山市 社長:白石基厚)は、視野内の明暗の差が激しくても眩惑されないワイドダイナミックレンジの視覚センサーを開発した。

ホンダは知能化に寄与する技術として、外界のセンシングについての研究・開発を行っている。外界のセンシングにはいくつかの方法があるが、中でも視覚によるセンシングを重要技術の一つとし開発を進めている。
しかしながら、センシングの可否を決定する視覚センサーは、従来のCCDでは明るさの変化に対応できる幅が狭く、レンズ絞りを暗い対象には開けて、明るい対象には絞って対応していた。この為、夜間の白線を検知している際に対向車のハイビームを直射されたり、西日が視野に入ったりすると、眩惑され検知したい対象が見えなくなる不都合が避けられなかった。又、従来の明暗幅を改善した視覚センサーでは、残像が激しいという欠点があった。
これに対し 本センサーにおいては、同一視野内で対応できる明暗比を、従来のCCDの限界である1000倍程度から300万倍に(60dB程度から130dBに)引き上げるワイドダイナミックレンジ化の技術と撮影の度に画素をリフレッシュして低残像化する技術を、独自の構造により達成した。
この技術の実現によって自動車の知能化用以外にも、極めて明るい対象を撮影しなければならない溶接現象の解析や、明るい背景下で陰になっている人の顔を識別するセキュリティ管理などへも貢献可能と考えられる。
又、本視覚センサーは可視光の他に赤外域にも感度を有し、信号内部でデジタル処理するといった特徴も併せ持っている。